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ベトナムGH11連泊の旅(8)ホーチミン 地下鉄工事はODA

地下鉄工事とランチ

そしてホーチミンの旧市街地、中心地に出てきた。昨晩もカジノに行く時、通ったのだが、昼と夜では雰囲気が違う。女性が喜びそうな土産物屋が並ぶ。センスが良い。日本人が経営している店もあった。ただ大規模な工事が街の中心で行われており、ちょっと違和感がある。よくよく見ると、何と地下鉄工事で、日の丸が描かれている。日本のODAによる支援だった。

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この辺にはおしゃれな店もあり、またホテルもある。だがこの地下鉄工事の影響で、実に通り難くなっている。ブティックなどの目の前が工事中というのでは、お客も入り辛い。我々もランチのために目指すレストランがあるのだが、Oさんがいつものようにそこへ向かうと、どこまでもこの工事が道を阻み、行くことが出来ない。仕方なく、元に戻って、先ずは工事現場を越えて、向こう側へ。そこには由緒正しいホテルがあるのだが、そこも大被害を受けており、ロビーが通路と化していた。

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かなり大回りして、お目当てのレストランへ着く。ここはガイドブックにも載っており、日本人も多く来るところらしいが、今日はお客がほとんど見当たらない。これも工事のせいだろう。Oさんのようなホーチミン在住者でも道に迷う訳だから、単なる観光客が来るのは簡単ではなくなっている。4階のベランダからいい風が吹き抜けているのだが、外を見ると工事の概要がよく見えた。今は昼休みだが、工事が始まれば、ここも煩いのではないだろうか。

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今日のお昼も豪華だ。サイゴンビールで乾杯し、春巻き、炒飯など、美味い料理が並んだ。なんかベトナム料理は酒の肴に良いようだ。暑いせいもあるがビールがことのほか進む。扇風機の風が心地よい。これからこの工事はどれくらい続くのだろうか。話によれば、大手百貨店は工事の関係で突然の閉鎖命令が出たらしい。まあ国営だから仕方がない、ということだったが、これは今の中国より遥かに酷い状況だ。

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ベトナムは中国を嫌っている、と言っているが、実は中国共産党の悪いやり方はしっかり盗んでいる。ODAを引き込んで、一部の幹部が甘い汁を吸っていると言われている。そしてそれを告発しようとすれば、消される、と聞いたことがある。世界で社会主義を標榜する国家は5つしかない。それらの国では、庶民からの収奪が合法的に?行われている。

 

ランチの後、一行は更にドンコイ通りに繰り出し、買い物を続けたが、私とN社長、老人組は、タクシーで宿に戻った。さすがにこの暑さの中、これ以上買い物に付き合うのは無理との判断だ。ビールも飲んだし、昼寝だな。

 

夜はカタツムリ

それから風呂に入ったり、ネットをやったりしている内に、夕方になってしまった。ご一行は全く帰って来ない。凄いパワーだ。今晩夜行便で帰るというのだから、おじさんからすると驚きだ。ようやく戦利品を携えて帰ってきたら、もう夕飯だ。先日我々が行ったバインセオの店に行くという。

 

私も付いて行った。もうビールは要らないので、コーラを飲む。何だかコーラが美味い。また大量のバインセオが運ばれてきて、旺盛な食いっぷりが見られた。今回の目玉はカタツムリ。と言ってもその殻を使って中に詰め物が入っているのだが、これがなかなかイケタ。皆さんも最後まで満足したことだろう。

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昨日クルーズに行く途中に偶然再会したFIさんとそのお知り合いも、やはりこの店に来ていたので、合流した。何だかご縁はどんどん繋がっていくようで、凄い。そして一行は空港へ向かった。既に別にバンコックに戻ったK親子もいない。ちょっと寂しくなる。ただこの宿には他の宿泊客も居るので、いつも知り合いがいるような錯覚に捕らわれる。

 

11月24日(月)

朝のカフェと宿泊者たち

翌朝はさすがに少しゆっくり起きた。何となく疲れが溜まっている。それでもまた今日もN社長と二人、バインミーを買いに行く。毎日よく飽きないな、と言われそうだが、中身は毎日変えている。今日はチキンだ。そしてコーヒーを道端のおばちゃんから買うと、1杯、1.5万ドンも取られた。明らかにおばちゃんは相手を見て商売していた。言葉が通じないことを逆手に取って、N社長の手から見事に札を抜いた。

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やはりベトナムのおばちゃんは逞しい。外国人に怯むこともなく、相手によって上手くあしらう方法を知っている。この強さがベトナム人を支えてきたのだと思う。あのアメリカや中国を敵にして戦う勇気、そしてとことん耐え抜くパワーはなかなかないものだ。

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宿に戻ると看護師さんと雑誌の編集者の女性がまったりしていた。看護師さんは急遽休みが取れたのでやって来た。友達と休みを合わせて海外旅行に行くことは、仕事柄難しいらしい。そんなときにこのような宿があると、とても便利。即席で知り合いを作り、一人でご飯を食べなくても済む。キッチンも使えるので自分で簡単に作ることもできる。そして何より現地の情報が入るので、旅が十分に楽しめる。もし一人でひっそりしていたければ、そっと輪から外れればいい。

 

ここにはホーチミンでレストランを開業しようする若手経営者も泊まっていた。進出過程での出費はできるだけ避けたい、でも快適に過ごしたい、そして情報を得たい、そんなニーズにも応えているようだ。ダンスを教えながら世界一周を計画している若者は『費用は節約しなければならないが、時にはホッとしたい』とこの宿に連泊している。彼は各地にネットワークを持っており、ご縁があると、地元の子供たちにダンスを教えに行っている。

 

ベトナムGH11連泊の旅(7)ホーチミン 買い物ツアーに参加して

11月23日(日)

路地を抜けて朝食を

翌朝も6時台に起きた。N社長と一緒に温い風呂に浸かる。さすがに皆さんは疲れたのか、起きては来ない。2段ベッドでぐっすりとお休みだ。とは言っても社員旅行は今日一日しかないのだから、早々ゆっくりしてもいられない。8時前には皆起き出してくる。今日は他のお客さんもいるので、急に慌ただしくなる。

 

この宿には朝食はない。希望者は皆揃って買い出しに行くことになる。GHの前の道を行き、狭い狭い路地に入る。普通の観光客なら、ここで怯む。路地には生活感があり、住民が怪訝そうな顔で我々を見る。にこやかな笑顔でそれをやり過ごす。すると突然、市場が出現する。路地の市場、にしては、規模が大きい。お寺がそこにある。この寺に関連した行商の人々が売り始めた場所なのだろう。野菜やフルーツ、豆腐から日用品まで、様々な物が並んでおり、買い物客も多い。

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FIさんはそこでさっそくフルーツを買う。言葉が通じなくても買い物はできる。若者たちは写真を撮りまくる。そして路地を突き抜けると、そこにはバインミー屋さんがある。バインミーの専門店。日曜の朝だが、人が並んで買っている。チキンにするかポークにするか、具で悩んでいる人もいる。注文を受けてから作るので、全員が買い終わるには結構な時間が掛かる。

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それから今度はベトナムコーヒーを買いに行く。ベトナムの朝食の定番、バインミーとコーヒー、最強だ。何故か朝から日本語が聞こえた。日本語ツアーの呼び込みをする日本人の若者達、ワーキングホリデーみたいなものだろうか。親切に美味しい珈琲屋やレートの良い両替屋を教えてくれている。彼らのモチベーションは何だろうか。商売とは違う何かを感じさせる。両替屋を覗くとそこにアメリカ人がいた。ホーチミンに来て2年、その前は上海でコンサル業をしていたという。アメリカンも中国からアジアシフトか。ここでアメリカ人と中国語を話すとは思わなかった。

 

宿に戻り、バインミーを頬張る。そういえば昨日もバスの中で同じものを食べたのだが、何となく味が違う。こんな朝食はありだな。1階の共有スペースが広い、というのは何とも有難いし、そしてこの宿の必要条件になっている。FIさんはさっき買ったフルーツを早速切って皆に振る舞う。何ともお姉さん的な所作が良い。

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買い物ツアー

編集者のOさんがやって来た。Oさんも東京オフィスのメンバーだが、現在はホーチミンベースで色々と活動している。今日はOさんが案内するホーチミン買い物ツアーに出掛けた。当然女子の期待度は高い。オジサンも付いていくべきか悩んだが、女子の観光傾向調査と称して参加した。

 

まずは宿から歩いて10分のベンダイン市場へ向かう。この市場はちょうど100年前に創設されたが、その後の戦乱で焼失、1950年に改修されたとある。中は小さな個人商店がものすごい数、軒を並べている。アジアによくあるマーケットだ。結構蒸し暑い。皆思い思いに買い物で出た。私はTシャツでも買おうと数軒見るが、なかなか価格が折り合わない。中国の価格で交渉すると売ってくれない。当然輸送費などが入り、中国より高くなるということだろう。

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店員は日本語で話しかけてくる。そしてやや強引だ。洗濯するのも面倒なので2枚ばかり買ってみたが、やはり価格には納得がいかない。それでも売り手も、私にかなり値切られたという思いがあるらしく、納得いかない表情だった。日本人は値切るといってもタカが知れているのだろう。買い物にはすぐに飽きてしまう。ジューススタンドにN社長がぽつりと座っていたので、そこへ避難してジュースを飲む。冷たいマンゴジュース、暑い時に飲むと美味い。

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時間通りに集合する、さすが日本人。市場から歩き始めると、すぐにおしゃれない雑貨屋が目に入る。Oさんの予定にはなかったようだが、女子たちはお構いなく、店に突入し、物色を始める。この辺は実にたくましい。それにしてもこの辺り、既におしゃれな店が沢山並んでいる。雑貨と言っても器もあれば、服や布もある。これは見ていて飽きないだろう。

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更にもっとデザインを重視したお店にも入る。こうなると、逆に無印良品あたりに来た感じで、ちょっとベトナム感が乏しいと思ってしまう。値段も当然高い。それでも皆さん器用に安くていい物を探してくる。私にはできない技だ。更に歩いて行くとパン屋がある。きれいな店構えだが、どこかで見た覚えがある。そうか、これはプノンペンにもあった韓国系ベーカリーだ。さすがに韓国色を全く出さずに、如何にもフランスのパン屋、と言った雰囲気で商売している。この辺が韓国の強みだろうか。

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気が付くとFIさんとFさんが道端にしゃがみ込んでいた。何を見ているのかと思いきや、お爺さんが笛を売っていた。二人とも手に取って吹き始めている。細い縦笛だが、何となく哀愁を感じる。一本5000ドン、と言っていたから日本円で25円?この笛、一日何本売れるのだろうか?お爺さんは生活できるのだろうか、などと余計なことを考えてしまう。周囲に人が集まり始めた。珍しいのだろう。

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ベトナムGH11連泊の旅(6)ホーチミン ゲームセンターのようなカジノへ行く

カジノとマジェステックホテル

夕食後、各人の嗜好に合わせて自由行動となる。半分以上はお洒落なバーへ向かった。私はFIさんとN社長が行くカジノへ着いて行くことにした。案内役はNさん。10年以上ホーチミンに住んでいるNさんでもカジノに行くのは初めてだそうだ。レストランから歩いて10分ほどで、市内中心部へ出た。この辺りのライトアップはきれいだ。

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一軒のホテルの前へ来る。ここにカジノがある。エレベーターで4階へ行くと、ボーイが恭しく迎える。ただカジノと言ってもマカオのような広さではなく、ちょっとしたゲームセンターのようだった。面白いのは外国人しか入れないようで、ベトナムドンを米ドルに両替して米ドルでプレーする。お客は日本人や韓国人がいたが、その数は少ない。中にはあまりカジノとは縁がなさそうな人までソファーに座って居る。深夜便でどこかへ出発する観光客がここで時間調整をするらしい。確かにちょっとした食べ物があり、飲み物もあるので、便利だ。

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何故私たちがカジノへ来たのか。それはFIさんがカジノ好き、いや一つの仕事がカジノだからである。彼女の本業は企画編集だが、同時にカジノのプロ。ラスベガスは勿論、マカオ、シンガポール、ソウルなど各地のカジノに行っている。3月に台北で会った時の第一声が『初めてカジノのない国に来た』というので驚いた記憶がある。専門はブラックジャック、ギャンブルは確率論なのでかなりの確率で勝てると聞き、その手法を勉強した。

 

このカジノ、機械化が進んでおり、まるでゲームをしているようだ。ディラーというよりスタッフとFIさんが向き合い、そしてお互いに下を向いて、機械を操作する。あの賭場、と言ったイメージは丸でなく拍子抜けだ。どうやら社会主義国?ベトナムでは外貨獲得のためにカジノは許すが、射幸心を煽ってはいけない、単にゲームしているだけ、という感じでやらないといけないらしい。

 

肝心の勝負だが、確かにFIさんの確率論を使った手法で勝ったり負けたりを繰り返したが、最終的には80ドルを投入して120ドルになっていた。ここでスパッと終了。『1.5倍になったら止める』というポリシーらしい。この辺鮮やか。N社長はルーレットに興じていたが、一向に成果は上がらない。そこでFIさんが簡単に指導したところ、みるみる勝つ確率が上がって来た。ただ最終的には、非常に低い確率で負けるところに当たってしまい、惨敗。それでも、『カジノは数字』という意味が少しわかって来た。もし機会があればちょっとチャレンジしてもいかもしれない。

 

このカジノは活気がなく詰まらないということで、もう一つ、大きなホテルのカジノへも行ってみた。ここは中国人観光客もいて、人が多かったが、その分、何かをするのにも、面倒だった。そして中国人自身も決して楽しそうではなかった。FIさんはちょっと試して見て、すぐに止めた。私も一周回ってみて、満足した。Nさんが『ベトナム北部に1か所だけ、中国人の熱気がはらむカジノが存在する』と言っていたが、とにかくここでは巨大ゲームセンターなので、疲れる。

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カジノを出て気分転換に街を歩く。するとそこにマジェスティクホテルが見えてきた。ここのルーフトップバーには6年前にホーチミンに来た時、一度来ていた。沢木耕太郎が泊まり、ここで思いに耽ったと読んだからだ。N社長も私より年長者なので、ベトナム戦争時に各国特派員が集ったこのバーを気に入っていた。

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ホテルはクラシカルだが、年々きれいになってきている。昔は数十ドルで泊まれたが、今は200ドルぐらいするかもしれない。クラシックなエレベーターに乗り込み、上階へ行ってみたが、レストランには人影はない。ボーイが『屋上は濡れているから止めたほうが良い』というのを振り切って、階段を上がり、ルーフトップへ。確かに椅子はちょっと濡れていたが、気にならないほど、そこから見る夜景には独特のものがあった。

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前回もオーダーしたカクテル、ミスサイゴンを頼み、しばし暗闇の河を見つめる。風は心地よく吹いてくる。初めてのFIさんは『こんなところがあるんだ』と感心していたが、昔はお客が一杯いたのにな、と少し寂しい。きれいなホテルが沢山出来て、カジノまで出来て、このホテルのバーで物思いに耽る観光客などいなくなってしまったのだろうか。確かに周囲のホテルも改装が相次ぎ、昔の良さが失われていく感じがしている。でもそれは私の感想であり、新しく来る人々には、新鮮でよいのかもしれない。それが発展、ということなのだろうか。

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一杯飲んで退散した。帰りはタクシーを捕まえて宿に戻る。まだ他の組は帰ってきていない。若者は夜のサイゴンを楽しんでいるようだ。我々はそれから風呂に入った。何と言ってもサイゴンの発展はこの風呂なのである。一日の疲れが癒される。その後すぐに寝入ってしまう。夢は見なかった。

ベトナムGH11連泊の旅(5)ホーチミン アクシデントと豪華ディナー

事件発生

村上春樹の小説の話などしている時、突然携帯が鳴った。Hさんからだったが、『氷を持ってすぐに来てくれ』というSOSだった。一体どんな事態が起こったのだろうか。Hさんに何かアクシデントか?ベトナム人の彼女が直ぐに氷を分けてもらい出発。最初は歩いて行こうとしたが、とても無理との判断からバイクの後ろに乗って行った。

 

しかしその後の状況が全くつかめない。ちょっと困ったことになった。その内に誰かがやって来て何か言っているがよく分からない。海外での危機管理とはこのような場面で出てくるのだろう。結局30分ほどして、Kさんが戻って来た。Kさんの息子、S太君が自転車の後ろに乗っていて足を挟まれたらしい。痛みで泣いているというので、大事を取って、すぐにホーチミンの病院にタクシーで運ぶという。皆彼の無事を祈るしかなかった。結果的にはそれほどの怪我ではなかったようだが、それでもその後1週間以上歩けなかったらしい。知らない土地で急に何かが起これば5歳のS太君、ビックリしただろう。

 

更には電話を掛けてきたHさんは自転車で見えない道を突っ込み、軽い負傷。あれ、この自転車散歩はサバイバルレースだったのだろうか。Hさんが電話してきた時に、自転車が突っ込んでしまった、と言っていた意味がようやく分かる。2つの出来事が同時に話されたので、こちらが混乱したようだ。

 

ランチには豪華な魚料理が出た。象耳魚(カー・タイ・トゥオン)というらしい。カリカリに揚げられた象耳魚、これをライスペーパーで巻いて食べる。予想外の美味しさ。そして象耳魚も突っ込んで、鍋を皆でつつく。が、先ほどの出来事の衝撃により、粛々と食べる。私などは現場に立ち会っていないので、何もわらかないのだが、他のメンバーはS太君をかなり心配していた。

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食事が終わると、午後またボートに乗る。Kさん一家と、ベトナム人学生がいなくなってしまったので、船内は広々としていた。何となく寂しい。S太君に関しては、その後刻々と情報が携帯に入り、ホーチミンと病院で治療を受け、重症ではないと診断されたようで、安堵した。

 

そしてメコンクルーズのクライマックス、小舟に乗り替え、細い運河を行く。3人ずつ乗り込み、船頭の女性が櫓を漕いでいく。何とも風情があり、皆夢中でカメラを向けた。私は前回ミトーでこれを経験していたが、あの時よりは運河が広い。ミトーは本当にジャングルクルーズだったが、こちらは岸辺に民家があったりする。

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急に雨が降りだした。まだ雨季は終わっていないのだろうか?我が船では船頭さんにビニールのカッパや傘などの用意があり、何とか雨を凌ぐことができたが、他の船ではずぶ濡れになった人もいた。まあ寒い訳でもないので、楽しい思い出、ということかな。それにしてもいきなりスコールが来ると恐ろしい。

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そして雨が止んだ頃、小舟は運河を突き抜けた。そこにはちゃんとボートが待っており、再び乗り込んだ。ガイド君が笑いながら出迎えてくれた。そしてボートは元来た岸に戻り、楽しいクルーズは終わった。ちょっとハプニングもあったが、それもこの社員旅行の良き思い出になっただろう。あとで聞くと、若い女子たちは『このクルーズがめっちゃ楽しかった』と言っていたのが印象的。

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豪華ディナー

そしてバスは来た道を走り、市内の渋滞もなく、宿に帰り着いた。このGHは疲れて戻ってきても何とも落ち着く。中には早々に風呂に入った宿泊客も居たようだ。皆寛いで過ごす。そしてNさんのアレンジでディナーへ。タクシー2台に分乗して、とてもきれいなレストランへ着いた。

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中庭もあり、凄く雰囲気の良いレストラン。我々、団体さんは特等席ということで、ガラス張りの個室に案内される。私も含め、いつもは一人旅が多いメンバーからは『偶には大勢でレストランに来るのもいいね』などとの声も聞かれる。しかもこのレストランの食事、どれをとっても美味しい。

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生春巻き、私はベトナムを歩いていて、なかなかこれに出会わなかった。だからベトナムのような暑いところで生春巻きなんて、あまり食べない物、と思い込み、日本人が日本のベトナム料理屋で食べる物と認定していたのだが、ここで出てきた物は中身がジューシーで、独特だった。

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鶏のから揚げのような物に塩を付けて食べたが、これもイケた。サラダも上品。そしてここの炊き込みご飯は絶品だった。皆が競ってお代わりした。デザートのプリンまで、あまりの上品で驚いた。いつも安い物しか食べていないと、一方方向しか分からないな、と実感した。雰囲気もよく、食事も美味い、N社長にも感謝。

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ベトナムGH11連泊の旅(4)ホーチミン 社員旅行でメコンクルーズ

社員旅行開始

そして9時過ぎにバンコックからK一家、10時過ぎになって、社員旅行本体?4名がやって来た。いつの間にか、別ルートで来た人、現在ホーチミンで仕事をしているオフィス在籍員なども加わり、全員集合となった。男性6名が4階の一部屋、女性4名が3階の一部屋を占拠し、ドミトリーが個室化した。これからのドミトリーにはこのような使い方があるのではないだろうか。特にこの宿にはキラーコンテンツ、風呂があるので、家族旅行、友達同士でも、十分利用価値が見いだせる。4人部屋なら、1部屋56ドルで泊まれるのである。まあビジネスホテルの一部屋に4人で泊まるようなもの、コストは極めて安い。

 

既に時間は11時に近いが、さっきやって来た人々の士気は高い。そのうち2人は何と今年大学を卒業したばかりの23歳。オジサンはお休みして、若者は街に繰り出していった。あとで聞くと帰ってきたのは午前2時。フォーを食べて、それからバーへ行ったらしい。その活力、凄い。初のベトナムを楽しんでいる。何しろ丸2日しか滞在期間がないので1分1秒が惜しい。

 

11月22日(土)

メコンクルーズ

翌朝は7時出発。昨晩到着組は眠そうだったが、何だか子供の頃の遠足のようでウキウキしている。還暦前のオジサンから、23歳の女子、そして最年少は5歳のS太君まで、実に幅広い社員旅行となった。そしてこの一団が一緒に一台のバスに乗り、メコンクルーズに行くのである。面白い。

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もう一人、Mさんの知り合いの女性がこのクルーズだけ参加するという。だがこの宿に泊まっていなかった彼女は道に迷ってしまい、大幅に出発が遅れる。それもその程度のハプニングにはなれている面々。バスは満員で、楽しげに出発した。土曜日ということか、市内の渋滞もそれほどなく、郊外では何と途中までだが、高速道路が走っていた。ベトナムも進化している。

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1時間ちょっと行くとトイレ休憩があり、大型バスが何台も停まっていた。そこには日本人の一団もいたのだが、突然FIさんが『久しぶり』と誰かに声を掛けている。驚いたことに昔一緒に働いたことがある日本人女性だという。まさかこんな所に来て、知り合いに会うなんて。世の中狭い。管理人のHさんは『この一団はホーチミンの野球チーム』だという。彼もそのチームに参加しており、毎週汗を流しているとか。

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それからまた1時間ちょっとバスに乗り、メコン川に着いた。3年前はミトーへ行き、そこから現地のクルーズに乗った。今回はミトーより遠いところへ来たようだ。メコン川は今日も緩やかに流れていた。参加者に一気に解放感が出てきた。普段狭い事務所内で日々仕事をしている人々にとっては、何とも言えない広がりではないだろうか。

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ここでボートに乗り替える。ボートには通常の椅子の他、ちゃぶ台の周囲に座れる空間があり、更にはハンモックまで備えられている。リラックス度100%。ボートが出発すると風が気持ち良い。これは極楽だ。行き交う船もゆったりしている。全ての時間がスローダウンしていた。

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途中、両岸に民家が見えた。決して豊かそうではない、半水上生活。それでも悲壮感など全くない。水上には船で生活している人々も見えてきた。遠くに教会が見える。宗教はこんな所にまで歩みを進めている。ボートに乗った行商のおばちゃんが近づいてきた。フルーツを一杯積んでいる。N社長が皆にココナッツジュースを振る舞ってくれた。このジュース、正直それほど甘くはなかったが、それが自然なのだ、と言われているような気がした。

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そして上陸した。土産物屋へ入る。ここで蓮茶が振る舞われ休憩、その合間に、蜂蜜の箱が取り出される。そして蜂蜜を入れた茶が出てくる。苦い緑茶を甘くして飲む、これはどういう習慣だろうか?単に蜂蜜を売りたいだけなのだろうか。

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それから煎餅みたいな物を作っているところへ。米で作っているのでまさに煎餅だが、最終的にはそれをポップコーンのようにしてしまう。雷おこし風のスナック菓子だ。これはなかなか美味い。キャラメルも作っている。これは前回大量に買って、バングラディシュへのお土産にした思い出がある。女性陣は雑貨に目がいっている。陶器もある。ベトナムでは買いたくなるようなものが一杯あるらしい。

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またボートに乗り、移動した。別の場所に上陸して自転車に乗るらしい。実は私はこの時、足を痛めていた。前回のチェンマイで歩き過ぎて以降、バンコックでも突然歩けなくなる事態が発生していた。今は特に問題はないのだが、大事を取って棄権した。皆さんは楽しそうに出掛けていった。あとにはFIさんと私、そしてGHのスタッフのベトナム人女性が残った。

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彼女は大学生で日本語専攻。将来は日本企業で働きたいという。GHへ行くようになって日本語を使う機会も増え、また日本の若者と交流する機会にも恵まれている。GHに宿泊した日本の大学生と一緒に遊びに行ったりもしているらしい。『この間、日本に帰った学生から、土産が送られてきた。とても嬉しかった。日本人のこまやかさに驚いた』という。国際交流なんて、難しい話ではないかもしれない。

ベトナムGH11連泊の旅(3)ホーチミン ベトナムに定価はない

ベトナムに定価はない

宿の1階でPCをいじっていると、Nさんがやって来た。Nさんはホーチミン在住10年を超え、奥さんはベトナム人。ベトナム関係の情報発信を行っている人である。ベトナムにはこのような日本人があまり居ないので、貴重な存在。投資ブームなどが来ると、俄かコンサルタントが出現し、様々な情報を流しているが、本筋のベトナム理解が出来ているとは言い難い。

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先ほどUCCでサンドイッチを食べたが、小腹がすいてきた。Nさんと一緒にバインミーを買いに行く。バインミーはバケットに切れ込みを入れて、そこに肉や野菜を挟み込む、ベトナムのサンドイッチだ。ベトナムはフランスの影響でパンが美味い。そして魚醤を振りかけるとベトナムになる。これほど手軽で美味い物は珍しい。私も過去ベトナムでは基本的にこれを食べて旅をしてきた。

 

路地を歩いていると、Nさんが屋台のおばさんに挨拶している。時々ここで昼飯を食べるのだが、いつも挨拶しておくとサービスが違うらしい。コーヒーを買いに行った店でも『外国人には高い料金を請求するのが当たり前』『ベトナムには定価は存在しない』『ベトナム人でも地元民とよそ者では料金が違う』などを教わる。

 

我々はいつも外国人料金の上に、観光地料金を支払っていたことに気が付いた。それでも安いと思っていたから、気にも留めなかったが、これは積み重なるとかなりデカい。因みにコーヒーはNさんがNさんの住まいの近所で買うと5000ドン、この辺の観光地で買うと10000ドン、外国人が買うと15000ドンと、同じようなコーヒーでも3倍になっていた。

 

バインミーの美味しいという専門店へ行ったが、何と午後4時からだという。Nさんによればベトナム人の思考は時々理解できないという。この店はまだいいが、例えば朝やっているバイミー屋は午前11時に閉まる。ランチにこれを食べたい人が沢山いるのに、わざわざお客を逃している。この店だって、お客が少なくても空けておけば、それなりに収入が増えるはずだが。勿論仕込みの問題などがあるのだろうが、これはやはり社会主義の名残であろうか?

 

そしてバインミー専門店でない店でバインミーを買うと、作り置きをレンジでチンしてくれた。残念ながらそれほど美味しいとは言えないし、値段も安くない。甘いアイスコーヒーをすすりながら、堅いバイミーを食べた。値段もものすごく高いような気分になってしまい、ちょっと萎える。『それがベトナムですよ』という在住10年のNさんの言葉は重い。

 

バインセオを食べながら

そうこうしている内に夕方になってしまった。今日は特に何もしていないようで、バトナムやホーチミンの事情が少しずつ分かってきたのが面白い。持参した中国茶を振る舞い、宿泊人との対話を続けた。何もすることがなくても話し相手がいる、というのは何とも心強いし、また勉強にもなる。

 

N社長は何となくソワソワしている。社員旅行の第一波としてFさんが一人で到着する時間になっていたが、なかなか来ない。可愛らしいFさんが一人でちゃんと来られるのか、娘を思う親のような心境になっており、表に出ては引っ込み、また出たりしている。この辺がN社長オフィスのアットホームな感じがよく出ている。

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結局予想より1時間ぐらい遅れてやってきたFさん。基本的には渋滞による遅れだったが、空港タクシーでも『ビナサンタクシーを探そうとしたら、向こうからビナサンの名刺を持った運転手が来たのでそれに乗った。ところが料金交渉を始めたので、これは違うと直感して、車を下りて、乗り替えた』という。確かに昨日の空港の状況を見えれば、皆がビナサンを目指していくので、他の運転手も対策を考えない訳にはいかない。それにしても無事でよかった。

 

夕飯は新たに加わったFさんと、そして宿泊客の女性達も交えて、近くのバインセオのお店へ行く。バインセオはベトナム風お好み焼きとかクレープとか言われる粉物で、米粉とココナッツミルクで生地を焼き、そこに肉や魚、野菜を挟んでまた焼く。ぱりぱりした食感で美味しい。更にレタスを頼み、それで巻いて食べると更にいい。

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作っているところを見ると、大きな鍋で豪快に焼いている。インドのチャパティを思い出す。ベトナムビール、333を飲んでいると、ベトナムに来たな、という感じが出てきた。ここでも皆さんで旅の情報交換が行われ、女性陣は雑貨屋さんや市場の服屋さんの話題で盛り上がる。これは決していいホテルに泊まっていても得られる情報ではないし、一緒に食事をしてくれる人を探すことも難しいから、GHの利点として強く上げられるポイントである。

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宿に帰っても皆で1階のスペースで引き続き、おしゃべり。皆思い思いの飲み物を飲んで過ごす。宿泊者の中には、N社長たちの業務上の関係者が2人もいたり、知り合いの知り合いを発見したりと、日本人宿特有の現象が随時起こっていて、驚くと同時に楽しい。世間は狭いのである。ホーチミンの夜はそれほど暑くなくて快適だ。雨季も終わり、今がベストシーズンなのかもしれない。

ベトナムGH11連泊の旅(2)ホーチミン 朝風呂入ってUCCで朝食

すき焼きとしゃぶしゃぶ

夕飯を食べに行く。社員旅行は明日からで我々は先乗りなので、自由行動。宿の他の宿泊者たちは『ヤギのおっぱい焼き肉』なる物を食べに行くというので、とても興味をひかれたが、N社長、Hさんとのミーティングに参加して別の場所へ。結局この滞在中、ヤギを食べる機会はなかったので、どんな物かは良くわからないが、次回は是非行きたい!

 

夕食のレストランは日本の焼肉屋さんだった。とてもきれいな造りで、雰囲気もよい。すき焼きとしゃぶしゃぶの食べ放題があり、どちらを選ぶか迷っていると『両方もできます』というではないか。両方とはすき焼きとしゃぶしゃぶを一度に食べるということなのか?興味津々。

 

何と出てきた鍋を見て驚いた。中国でよくある火鍋の鍋、その鍋が中で2つに仕切られている陰陽型。中国では辛いスープと白湯スープが入っているのだが、これを応用して、片方がすき焼き、片方ではしゃぶしゃぶを食べる仕組み。そしてウエートレスがどんどん肉を運んでくる。野菜は自分で好きなだけ取りに行くスタイル。これで儲かるのだろうか?まあお客が多ければ儲かるのだろうが、この夜はお客が少なかった。N社長によれば『前回来た時は満員だった』というから、景気の影響だろうか。

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なぜこのGHに泊まるのか

食事から戻ると、宿泊者が皆、1階の共有スペースでスマホをいじりながら、楽しくおしゃべりしていた。その宿泊者もダンスを教えながら世界1週を目指す若者、雑誌の編集者、看護師さんなど、実に多彩な顔ぶれ。この宿を選んだ理由は『日本人宿』『風呂がある』『清潔』などであったが、何と言っても宿泊者との出会い、情報交換にあることは間違いない。

 

宿側は決してお客を選別してはいないが、1泊1ベッド14米ドルは、ビジネスホテルに泊まる人間にとっては安いが、何年も放浪している者にとってはかなりの負担となる。ホーチミンのドミトリーの料金は10米ドル以下だそうだ。3₋5ドルということだろうか。この料金設定だと泊りに来る層が違ってくる。『日本から数日の旅行で来ているが、ホテルの部屋に一人でいても詰まらない』とか、『シンガポールに住んでいるが、日本式の風呂に入りたい』など、これまでにないニーズを満たしていく。実際に年末年始に10泊予約しているシンガポール在住者がいると聞く。

 

きれいで、現地の情報が入り、そして似たような仲間と食事に行く。GHって、楽しいな、と思える人々がいる。そして何により現地情報だけではなく、これからの人生への示唆、考え方を得る人もいるようだ。これは今日本で流行りのシェアハウスの海外版、といえるのではないだろうか。実に面白いコンセプトが出てきた。

 

自慢の風呂に入る。1つしかないので男女に分けることはできないが、内鍵がかかる。そして表には『入浴中』としておけばよい。風呂は聞いていたよりはるかに広い。大人の男が3人入っても余裕がある。ここがホーチミンだとは信じられない。2₋3か月前ここは単なる屋上でゴミが置かれていたらしい。それをここまで作ってしまうHさん、一体何者なんだろうか?それにしても極楽気分だ。ずーっとボーっとしていたい。

 

11月21日(金)

朝風呂とUCCの朝食

朝は爽やかに目覚めた。7時前、N社長はひとっ風呂浴びに行くというので、付いていく。Hさんは朝5時前には起きて風呂を洗い、新しい湯を入れている。さすがにちょっと温いが、ホーチミンの気候ではそれもまたよい。あまり熱いと入れないだろう。朝風呂とは何とおつな。

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今日は特に予定がない。夕方から夜にかけて社員旅行の一行がバラバラと到着するまで、自由な時間だ。1階のフロアーでゆっくりと持参したお茶を飲みながら、ネットを見る。ブログをアップする。起き出してきた宿泊人たちと会話を交わす。何だか学生寮か何かに紛れ込んだ感覚だ。

 

そしてN社長が朝飯に行こうという。どこへ行くのかと思いきや、宿からすぐ近くにあるUCCのコーヒーショップ。そこは完全に日本仕様になっていて、驚く。UCCといえば台湾で合弁事業をして、それが中国へ行き、上島珈琲として有名だが、中国では夜は酒も出す。コーヒーショップとは違う形態になっていて戸惑ったものだ。この店はどうやら日本の直営店らしい。

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サンドイッチとコーヒーを頼み、席に着く。何だか日本的だな、こんな朝。ベトナムには日本の飲食の進出が進んでいるとは聞いていたが、こんな近くにあるなんて。しかもこの店の並びには、バンコックにもあるラーメン店が店を出していた。今や日本からアセアンへ、タイからベトナム、カンボジア、ミャンマーへ、という時代がやって来ている。気がかかりなのは、ベトナムの景気が良いとは思えないこと。進出しても、撤退を余儀なくされる企業が出てきているのではないか。

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結局この食事はブランチとなり、昼前まで、また雑談に励み(雑談と言ってもGHを如何によくするかといったもの)、ダラダラして過ごす。これもまたホーチミン的過ごし方だ。とは言っても世の中は動いている。昔よりは地元民も忙しいそうにしている。そんな中で我々のような人間は少ない。

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それから一人で周辺の散歩に出た。近くにニューワールドホテルがあった。確か昔誰かがこのホテルに泊まり、ここの前にはバイクが沢山並んでいた、と書いていたのを思い出す。20年前は外国人が泊まれるホテルは少なかったはずだ。今はきれいに改装されているようだ。その横にスターバックス〈どうもここがホーチミン1号店らしい〉が出来ているが、ベトナムの変化を象徴している。店は繁盛しているようだが、お客は外国人が多いように見えた。

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近くの公園に行くと、ゆったりした空気が流れていた。今日は曇りなので暑くはないが、それでもベンチに座る人々は暑さを避けるようにベトナム風の帽子を被り、ボーっとしていた。暑い国で昼間にボーっとしているのは、決してサボっているではない。体を休めて、夕方からの活動に備えているのだ。私もそう思い、宿に戻って、体を休めることにした。

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ベトナムGH11連泊の旅(1)ホーチミン すごいゲストハウス

《ベトナム散歩2014》  2014年11月20日-12月1日

 

このところアセアン各国を回ってきたが、ベトナムへ行く機会はなかった。ハノイに行ったのが2年半前、ホーチミンは3年も行っていなかった。すぐに行けるはずなのにご縁がなかった。7月にカザフスタンに行った時、エアアスターナはなぜかホーチミン経由でアルマティに飛んだ。カザフ人も沢山ベトナムへ行っているのだな、と分かり、興味が出てきた。

 

そこへお世話になっているN社長から『ホーチミンに社員旅行へ行こう』というメールが入る。『社員旅行?』、実はN社長は旅行ガイドブックなどを作っているのだが、そのオフィスに旅行関係を中心にしたフリーランスが集まる共同オフィス、私もサラリーマンを辞めてすぐは、ここに出社した一人だった。アジアがベースになり、このオフィスに行くのは年に数回しかないが、N社長は『花見、納涼会、忘年会』などを企画して、必ず誘ってくる。とても嬉しい。

 

で、今回はこの共同オフィスの合同社員旅行を企画した。だが、このオフィスの人々は還暦まじかの方から、今年大学を卒業した新入社員の女子まで、経歴も年齢もバラバラ。同じオフィスにいると言いながら、仕事も別々。それで社員旅行は成り立つのか?N社長、『ホーチミンでの滞在費などは全て持つ』と大盤振る舞いとなったが、その結果や如何に。

 

11月20日(木)

1.ホーチミン

イミグレ

前回のチェンマイ行と同様、N社長に同行して、エアアジアでホーチミンへ向かう。ドムアン空港ももう慣れた。エアアジアももう飽きた。でも安いからこれでよい。僅か1時間のフライト、また目を瞑っていたら着いてしまった。まあこれでよい。本など読もうとすると疲れるし、中途半端だ。

 

ホーチミンの空港は3年前と比べ、とてもきれいになっているように見えた。イミグレでは相変わらず、入国カードがない。ただベトナムから出国するチケットを持っていないと入国拒否されると聞いていた。確か3年前も提示を求められている。だがある係員は提示を求め、ある係員は何も聞いていないように見えた。如何にもベトナムらしい。N社長も『前回は言われなかった』と言っていたが、今回はしっかり求められた。勿論コピーを用意していたので問題はなかった。

 

両替をする必要があり、空港ロビーの両替所へ行く。ベトナムドンは単位が大きく、一体いくらなのか分からない。両替レートを聞くと『ここに書いてある』とプレートを持ち出したが、何も書かれていない。何と紙を反対に差し出していたのだ。スタッフもそれに気が付き大笑いだ。日本なら『誠に申し訳ございません。以後このようなことがないように・・』などとなるが、何とも微笑ましい。

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空港タクシーを探す。『タクシーは安全だからビナサンに乗れ』と言われており、慣れているN社長はどんどん進んでいき、何とタクシースタンドに並んでいるタクシーを一切無視して、後ろの方に並んでいたビナサンに乗り込んだ。日本なら怒られるだろうが、ここでは誰も文句を言わない。車は客が自由に選んでよい、ということらしい。

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車は空港を離れる。既にあたりは暗くなっている。空港から市内は遠くない。相変わらずバイクが多いが、驚いたことに全員がきちんとヘルメットを被っており、その徹底ぶりには目を見張った。3年前にはさすがにこうではなかったと思うのだが。そして何より驚くのが、道沿いの店が何となくきれいになっていること。昔の路面カフェは完全に姿を消し、コーヒーチェーンなどが幅を聞かせている。ホーチミンは景気が良いのだろうか。

 

夜の渋滞はあったが、1時間弱で、今日の宿へ。大きな教会の前でタクシーは停まり、荷物を持って路地へ入る。ベトナムらしい細長い建物がいくつかあり、ちょっと行った所に、EZ STAYがあった。

 

既成概念を覆す風呂付GH EZ STAY Saigon(http://ezstaysaigon.com/)

この宿はN社長と有志が作ったゲストハウスだ。最近開業したばかりで、何ともきれい。ゲストハウスというと、何となく世界放浪する若者が1ドルでも安く泊まる所、というイメージがあり、正直きれいという感覚はなかったが、ここは違う。1階の共有スペースも広々としており、カフェでも開けそうだが、無料で使える。お茶などを飲みながら、宿泊者が交流できる。勿論WiFiは完備されており、ここで仕事している人もいる。

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3階、4階にはドミトリー部屋があり、2段ベッドが2₋3入っている。ここにも各ベッドの枕もとに電源とスタンド、物入れが設置されており、実にきめ細かい。これは日本的だな、と思う。試しで付けてみたという、カーテンを下ろすと個室感が出る。日本で言えばいいカプセルホテルだろうか。2階は事務室だったが、我々が引き上げた後、何とベッドを2つ入れて個室に変身した。2階と言っても中2階のイメージで、前面には本棚があり、ガイドブックなどが並んでいる。

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そしてこの宿の最大の特徴は5階、何と風呂がある。風呂と言っても単に浴槽があるのではなく、大人3人が入れるゆったりした本格的な風呂である。今回の社員旅行のお土産として、東京からケロリンが持ち込まれ、本当に日本の銭湯を思い出す。更には10日前にN社長が『シャワーがあると便利だな』とつぶやくと、今日はシャワーが1つ付いていた。このスピード感、半端ない。そして風呂の反対側には畳部屋まである。風呂上がりにここで寝転ぶと気持ちが良い。

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風呂を作り、きめ細かい所を治している凄腕職人は、日本人管理人のHさん。朝5時に起きて掃除を始めるというHさんのお蔭で、この宿はピカピカなのであり、そして風呂付のプレミアムゲストハウス(GH)になっている。これまでのGHの概念を覆す、画期的な宿、しかも日本人宿と呼ばれる日本人限定の宿であるから、安心感もあり、お客がどんどん増えているようだ。

 

突然ベトナム中部散歩2011(12)ホーチミン 日本式ホテルに泊まり

8. ホーチミン   (1)   ホーチミンまで

その後早めのランチを取り、Kさんにタクシーを呼んでもらい、ミトーを後にする。昨日はトヨタの商用車でかなり広かったが、今日は小型のタクシーでかなり狭い。座席の位置のせいか、昨日とはかなり異なる風景を眺めながら、ホーチミンを目指す。

言葉が出来ないので、1時間半、じっと無言でいる。昨日もそうだったが、ここで言葉が通じると格段に情報が入るのだが、仕方がない。良さそうな運転手かどうか観察してみるがよく分からない。

1時間を過ぎてホーチミン市内に入ったような気がしたが、そこからが長かった。ホーチミンはやはり大都市だ。おまけに私の宿泊するホテルの場所がかなり入り組んでおり、ミトーのタクシー運転手には難しかったと思う。何度も確認し、人に聞き、ようやくたどり着いた時にはお互いホッとした。一生懸命探してくれ、荷物を持ってくれた運転手は良い人だった。

(2)   ホテル東屋のH君

今回Nさんのご紹介で東屋という宿に宿泊。ここのオーナーは若き青年H君。大学卒業後、LAに留学。そこでフリーペーパー社長と知り合い、そこで働く。その後東南アジアでの起業を思い立ち、ホーチミンへ。きっかけはNさんの雑誌スケッチの広告の多さ。ベトナムにビジネスチャンスがあると感じたという。NさんとLAのフリーペーパー社長が知り合いだったこともご縁。

スケッチでインターン数か月。7月にはホテルを買い取り、9月開業。ホテル経験はまるで無いが、凄いバイタリティー。開業後、問題が色々と出て来ているが、それもチャレンジと笑顔。

このホテルの特徴はターゲットを日本人出張者に絞っていること。日本語で対応してくれ、アジの干物など日本食の朝食が提供される。NHKの衛星放送も映る。そして屋上には何と露天風呂がある。私が入った時は小雨が降っていたが、何となく風情があり入る。

40ドルでこのサービスなら、上手くいけば人気が出るかもしれない。それにしてもH君のバイタリティーあふれる行動には驚いた。そしてこれからはこういう時代なんだ、と肌で感じた。

(3)   ベトナムの問題点

その後3年前にお世話になった日本人Kさん(ホーチミン在住8年)、今回アレンジをお願いしたNさん(ホーチミン在住10年)と会って話を聞いた。共に奥さんはベトナム人。

Kさんは再開発に指定された地域に住んでいいたため、代替マンションに引っ越したばかり。その引っ越しは相当長い間待たされ、そして突然移動させられた。政府が用意した家だが、何と電話もテレビも線がなく、電気水道のみ。子供の学校転入手続きは1か月も掛かった。庶民の生活など全く考えていない政府には怒りを感じている。

老人など転居できない人も続出している。実は子供が補償金持ち逃げしたり、前払い金を使ってしまうなど、家族崩壊も見られる。また老人が郊外に引っ越しても友人がなく、孤独な状態に置かれてしまう。これまで仕事のあった人も引っ越しで近所でのちょっとした仕事がなくなってしまうが、これは補償外。補償金をもらっても家が高くなり過ぎて、ローンを組まないとマンションは買えない。老人などローンが組めない人の中には路上生活者も出る始末。

そもそもホーチミンでは再開発による立ち退きが横行しているが、その理由の一端に日本政府と企業も関与しているという。日本政府はベトナム向けにODAを奮発しているが、地下鉄や道路を作るために追い出される庶民がいることは誰も言わない。ベトナム政府も一部の利権のために、庶民を犠牲にしている。「ベトナムには原発も新幹線もいらないはずなのに」との言葉は重い。

尚昨年外貨政策が変更された。基本的に全てドン表示となり、ドルを受け取ることはライセンスが無ければできなくなった。ホテルなど一部で混乱もあった。ドル金利は下がり、ドンはタイトになっている。

11月6日(日)  (5)   最後の朝

翌朝は早く目覚め、散歩に出る。ところが何故か道に迷ってしまう。一度分からなくなると非常に面倒なホーチミンの小道。何度もグルグル回ってしまったようだ。最後はハノイ教会の警備員に英語で聞いた所、ちゃんと英語で教えてくれて助かった。

ホーチミンにはファミリーマートとサークルKなど日本のコンビニがある。ハノイには未だないようで、何故かと訝る。考えてみれば中国でも上海にはローソンなどが出来たが、北京にセブンイレブンが出来たのは随分後になってからだ。首都でコンビニが認められない理由はあるのだろうか。

東屋自慢の朝ごはんを食べて、車を呼んでもらい、空港へ向かう。Nさんから2回も「空港までのタクシー代は12万ドンです」とアドバイスを受けていたが、大体その通りにはならないだろうと思っていたが、道が空いていたせいか、ぴたり12万ドンで空港に着いてしまった。

空港でのチェックインもスムーズだった。タイエアーのせいかと思っていたが、その後大変な事態がおこってしまったのだが・・。




突然ベトナム中部散歩2011(11)ミトー メコンクルーズ

(2)    ミトーの午後

今回のミトー訪問はお知り合いのKさんに会うためのものだった。Kさんは元ベトナム人で現在は日本政府関連の仕事でミトーに赴任している。Kさんの滞在先ホテルを予約してもらっていたので、そこへ行く。

ホテルは以前の中国国営ホテルを想起させる。部屋は広いが相当古い。このホテルに泊まる外国人は少ないのか、英語も通じにくい。時間は午後1時半、腹が減ったがどこへ行けばよいのだろうか。地図もなく、街に出る。ホテルの前はメインストリート。ここは避けて横へ。日差しが強く、暑い。中部とは違う。

ちょっと歩くと川が見えた。川面を眺めていると、船の方から声が掛かる。メコンクルーズだという。相当暇そうなオジサンがしきりに勧める。40万ドン、髙いのか安いのか分からない。取り敢えずパスして進む。川沿いに歩くと皆、ダラーンと寝そべっている。レストランも見当たらない。もうこの街は午後のお昼寝に入ったらしい。

ようやく外れでレストランを見付け、ご飯にありつく。内臓入り麺と揚げ春巻き。腹が減っているせいか美味しい。のども乾いており、思わず氷入りのお茶をゴクゴク。本来なら体調不良に陥る可能性もある氷入り。でも何となく大丈夫と思うと、大丈夫な物だ。

それから暑い中、街の中を歩き回る。約2時間。立派な教会もあり、中国系の多い場所もあり、池のほとりで蓮を取っている風景あり。何ともホンワカした雰囲気の街である。ちょっと気にいる。

また腹が減り、バンミーを買う。赤ちゃんが茣蓙の上で遊んでいる。可愛らしい。バンミー、1万ドン、この収入で出来る生活には限界があると思うが、このような街では、つつましいが楽しい生活が維持できるのだろう。しかし今後のインフレや都市化、大丈夫だろうか。

(3)    夕飯

ホテルで休息しているとKさんが仕事から戻り、部屋を訪ねてきた。早々にブツを渡す。Kさんから「ぽん酢、レトルトカレー」などを頼まれていたのだ。元ベトナム人と言っても日本に30年、味覚は殆ど日本人である。私が昔、中国滞在中に欲しかったものと同じであったので、何となく懐かしい。ベトナムは発展している、とは言っても、ここミトーではまだまだ厳しい生活が続いているようだ。

夕飯に向かう。ホテル前からタクシーに乗ったが、流しのタクシーは使わない。電話で呼んで乗り込む。「タクシーは選ばないと、ボッタくられる」、Kさんが言うのだから、気は抜けない。

この街ではかなり良いレストランに行く。ガーデン式で開放感が良い。サイゴンビールを飲みながら夜風に吹かれる。極楽。周囲を見渡すと、少しお金のありそうなベトナム人が大騒ぎしながら、飲み食いしている。この辺りのお金はどこから出て来るのだろうか。

貝の炒め物が出る。クリームコロッケのような物が出て来る。うまいー。そして海鮮と野菜たっぷりの鍋を頂く。幸せな夜が過ぎていく。やはり食事は一人より二人が良い。そして地元のことが分かっている人と行くのが良い。

ホテルに戻ると、結婚式の披露宴がお開きを迎えていた。ベトナムでは結婚式に多額の費用を掛け、盛大に行っている。このホテルで行われているということは、地元の有力者の関係だろうか。新郎新婦がお客さんを送って出て来た。「おめでとう」と言いながら、新郎新婦と写真を撮った。彼らはそそくさと会場に戻る。宴はまさに延々と続くらしい。

11月5日(土)  (4)   ボートクルーズ

夜中に雨が降ったらしい。ホテルの裏庭で気持ちの良い朝食を期待していたが、椅子が濡れており、屋内に引っ込む。朝飯はフォー1杯。そしてベトナムコーヒー。このコーヒー、入れる器が面白い。とまこさんから依頼されていたので2つ買った。

天気が良くなったので、メコンクルーズに行くことになる。Kさんも赴任して間もないため、初めての挑戦となる。昨日歩いた川沿いに行き、ボートを探す。昨日声を掛けて来たのは、やはりモグリであり、正規の受付所は別にあった。だがここでも料金はネゴ。結局2人で40万ドンになったようだ。

10人乗りの小型船に乗り込む。ガイドのお姐さんもいる。英語は達者だ。船は川に出ていく。向こうの方に大きな橋が見える。以前は全てが船での往来であったが、今では橋を渡って対岸の島へ行ける。船は観光船となった。15分ほど乗ると対岸へ上陸。

熱帯の島、と言ったイメージ。ヤシの木が生えている。道は順路になっているようで、お姐さんはどんどん歩いて行く。途中にお茶が飲めるコーナーがあり、立ち寄る。お店の人が蜂の巣を見せてくれる。そして蜂蜜入りのベトナム茶を飲む。うーん。

次にキャラメル製作工程を見学。ヤシ入り、マンゴ入りなど沢山ある。お土産にちょっと買う。ガイドのお姐さんはフルーツを買い込んでいる。聞けば、ここのフルーツは新鮮で安いらしい。

また休憩所がありお茶を飲んでいると、突然子供と大人が我々の前に並び、歌を歌ったり踊ったりした。これも観光の一環だろうが、何となくこのような演出は不要と感じる。だが、この島には観光と農業しかないのだから、このようなパフォーマンスで、食い扶持を得る必要もあるのかもしれない。歌い終わった子供たちは元の純朴な顔になり、元気に遊びまわっていた。

帰りは小さなボートに乗ってきた道を帰る。まさにジャングルのボートトリップだ。狭い小川を多くのボートが行きかう。巧みな操縦で、ゆっくり進む。木々が日差しを遮る場所ではそよ風が吹き、実に気持ちが良い。しかし日差しを浴び、結局顔が真っ黒になった気がする。