既に朝ご飯を2回食べ、煎餅も食べており、昼ごはんは想像できない。どこへ行こうかと話していると、「白塔寺へ行こう」となり、車を呼んで向かう。何とも懐かしい場所だが、何かあるのだろうか。その入り口まで来ると、入場料が必要だという。というか、まずは微信で登録を行い、それから微信支付で料金を払うのだが、私には複雑すぎて出来ず、Kさんに任せたが、最後の決済がどうしてもできない。係員も困っていた。後から来た女性は「現金でもいい?」と聞いていたが、どうなんだろうか。

何とか中へ入れて貰い、見学する。15年位前、北京歴史散歩で来て以来だとは思うが、この白い塔には覚えがある。元代にネパールから来た建築家が建てたらしい。お天気が良いので観光客は多いが、外国人はほぼ見ない。お寺の横には白塔寺薬店があり、老舗薬局として漢方薬などを売っている。ここは薬師如来のお寺なのか。薬にご利益はあるのだろうか。


その薬店の建物の屋上がカフェになっており、白塔を見ながらコーヒーを飲むというコンセプトになっていた。所謂インスタ映えを狙っており、それに合わせて白塔を模したケーキなどが売られている。白塔の周囲には、屋上をカフェにして客を集めているところが何軒もあり、北京の新しいスポットになっているという。まあ日差しが出ていて風が無ければ、ここで休息するのも良いか。因みにカフェの物価は東京より北京の方が高いかな、というイメージだ。

恐ろしいことに、そんなことをしているとまた腹が減る。沢山は食べられないので麺でも食べようとなり、また車を呼んで懐かしいジャージャー麺の老舗に行く。午後1時過ぎでもお客は多かったが、辛うじて席を確保して、久しぶりのジャージャー麺と腰花を食べる。チェンマイでは食べられない、この濃い味が何とも嬉しい。


さすがに空港に戻る時間となり、また車を呼ぶ。北京も便利になったものだ。かなり西側から北京空港まで、車で1時間もかからない。懐かしい北京の街の一部を眺めながらウトウトしていると、途中でKさんが降りていき、空港まで戻って来た。既に東京行きのチケットは持っているので、出国審査に直接進んでいく。以前と比べて空港内の人が少なく感じられるのは、偶々だろうか。それとも経済低迷で出国者が減っているからだろうか。

出国審査もあまり待たずに終了する。空港内は何となく寒々としている。ここで初めて昨年香港で買った、LINEやFB使用可能なシムカードをスマホに入れてみたが、何故か起動しなかった。まあ半日滞在なので問題はなし。ここはゆっくり休んで、後は東京に戻って作業しよう。機内はかなりの乗客が乗っていたが、夜の到着便だから、観光客というより日本在住者、そして少しだが日本人が乗っている。

ビザ免除復活で入りやすくなった中国だが、はたしてこれからどれだけの日本人が訪れるのだろうか。色々と懸案の多い日中関係、まずは相手の国に行き、その実情を見た上で判断したいところだが、中国に入国するのはビジネスマンばかりか。決してマスコミが流す中国情報に惑わされないのが良いと思うのだが、日本人の中国固定イメージは意外と強固だ。そんなことを考えていると、フッと羽田空港に降り立ち、今回の旅は終了した。
