ようやくチケットを入手して、いざマレーシア出国、と思ったが、どこからマレーシアを出国するのか分からない。何の表示もなく、そのまま外へ出てしまうと、ヒンズー寺院が見える。反対側に回ると、ホームに列車があるのが見えるのだが、鉄格子が嵌っており、ここから降りることは出来ない。そのまま眺めていると向こうから列車がホームに入ってきた。あれに乗るのだろうか。


結局ある程度の人がベンチに座っている場所が待合室。皆が手持無沙汰にひたすら待っている。だが時計だけが動いていき、人の動きは起こらない。何と発車時間の16:40になって初めて審査場行きのドアが開いた。審査は2度あるが簡単で、すぐにホームまで行けた。タイの陸路入国、以前は年間2回までという制限があったが、今はないんだよな。

そこには古びた列車が待っていた。ハジャイに行く乗客が続々と審査を終えて乗り込んでくると、ゆるゆると出発した。乗客はマレーシア人が多く、白人もいる。日本人の年配者も一人だけ見掛けた。日本人バックパッカーはもういない。列車が走ると窓から吹き込む風が爽やかだ。この風を浴びるために、私はここに居る。


40分後に列車はハジャイ駅に入った。ここは何度か乗り降りしているので、見慣れた光景だった。小雨が降る中、予約した宿へ向かった。メインの通りを歩いて行くと、麵屋が見える。昼ご飯を回避して腹が鳴っており、宿よりまずは麺となった。どう見ても華人経営の店で、豚肉麺を頂く。ハジャイもタイピンに負けずグルメな街だ。有難く満たされた。

宿は以前も泊ったことがある。可もなく不可もないが、料金はちょっと値上がりしている。まあ仕方がない。荷物を置いて再度外へ出たが、雨脚が強くなっており、遠くへは行けない。仕方なく、近所の店でカオマンガイを食べる。これはさすがにタイピンの海南鶏飯の方が美味いし、コスパも良い。もっと他の物も食べたかったが、やむを得ない。部屋に帰って雨音を聞きながら寝るだけだ。明日も早い。

11月26日(火)バンコクの茶荘
朝5時台に起床する。今日は朝一番のフライトでバンコクへ移動する。だが雨はまだ降っており、Grabで車を呼んでも見つからない。何とも困った。周囲を見渡してもソンテウも全くいない。何度か挑戦していると、なんとか車がやってきた。空港までは約30分。国内線だし、それほど慌てる必要もなかったが、万が一の場合は取り返しがつかないので、ちょっと焦ってしまった。

空港に着いてホッとしたが、周囲を見るとイスラム教徒ばかりが目に付く。やはりここは深南3県、チェンマイとは全く風景が異なる。少し時間があったので、あまり人がいない所まで行き、柱についていたコンセントで充電を開始した。するとそこにムスリム親子がやってきて隣で充電する。英語で声を掛けられ、少し会話した。何でもメッカ巡礼に行くらしい。幼い娘はスマホの動画に夢中になっており、移動を拒んでいた。巡礼しなくていいの?

