突然ベトナム中部散歩2011(11)ミトー メコンクルーズ

(2)    ミトーの午後

今回のミトー訪問はお知り合いのKさんに会うためのものだった。Kさんは元ベトナム人で現在は日本政府関連の仕事でミトーに赴任している。Kさんの滞在先ホテルを予約してもらっていたので、そこへ行く。

ホテルは以前の中国国営ホテルを想起させる。部屋は広いが相当古い。このホテルに泊まる外国人は少ないのか、英語も通じにくい。時間は午後1時半、腹が減ったがどこへ行けばよいのだろうか。地図もなく、街に出る。ホテルの前はメインストリート。ここは避けて横へ。日差しが強く、暑い。中部とは違う。

ちょっと歩くと川が見えた。川面を眺めていると、船の方から声が掛かる。メコンクルーズだという。相当暇そうなオジサンがしきりに勧める。40万ドン、髙いのか安いのか分からない。取り敢えずパスして進む。川沿いに歩くと皆、ダラーンと寝そべっている。レストランも見当たらない。もうこの街は午後のお昼寝に入ったらしい。

ようやく外れでレストランを見付け、ご飯にありつく。内臓入り麺と揚げ春巻き。腹が減っているせいか美味しい。のども乾いており、思わず氷入りのお茶をゴクゴク。本来なら体調不良に陥る可能性もある氷入り。でも何となく大丈夫と思うと、大丈夫な物だ。

それから暑い中、街の中を歩き回る。約2時間。立派な教会もあり、中国系の多い場所もあり、池のほとりで蓮を取っている風景あり。何ともホンワカした雰囲気の街である。ちょっと気にいる。

また腹が減り、バンミーを買う。赤ちゃんが茣蓙の上で遊んでいる。可愛らしい。バンミー、1万ドン、この収入で出来る生活には限界があると思うが、このような街では、つつましいが楽しい生活が維持できるのだろう。しかし今後のインフレや都市化、大丈夫だろうか。

(3)    夕飯

ホテルで休息しているとKさんが仕事から戻り、部屋を訪ねてきた。早々にブツを渡す。Kさんから「ぽん酢、レトルトカレー」などを頼まれていたのだ。元ベトナム人と言っても日本に30年、味覚は殆ど日本人である。私が昔、中国滞在中に欲しかったものと同じであったので、何となく懐かしい。ベトナムは発展している、とは言っても、ここミトーではまだまだ厳しい生活が続いているようだ。

夕飯に向かう。ホテル前からタクシーに乗ったが、流しのタクシーは使わない。電話で呼んで乗り込む。「タクシーは選ばないと、ボッタくられる」、Kさんが言うのだから、気は抜けない。

この街ではかなり良いレストランに行く。ガーデン式で開放感が良い。サイゴンビールを飲みながら夜風に吹かれる。極楽。周囲を見渡すと、少しお金のありそうなベトナム人が大騒ぎしながら、飲み食いしている。この辺りのお金はどこから出て来るのだろうか。

貝の炒め物が出る。クリームコロッケのような物が出て来る。うまいー。そして海鮮と野菜たっぷりの鍋を頂く。幸せな夜が過ぎていく。やはり食事は一人より二人が良い。そして地元のことが分かっている人と行くのが良い。

ホテルに戻ると、結婚式の披露宴がお開きを迎えていた。ベトナムでは結婚式に多額の費用を掛け、盛大に行っている。このホテルで行われているということは、地元の有力者の関係だろうか。新郎新婦がお客さんを送って出て来た。「おめでとう」と言いながら、新郎新婦と写真を撮った。彼らはそそくさと会場に戻る。宴はまさに延々と続くらしい。

11月5日(土)  (4)   ボートクルーズ

夜中に雨が降ったらしい。ホテルの裏庭で気持ちの良い朝食を期待していたが、椅子が濡れており、屋内に引っ込む。朝飯はフォー1杯。そしてベトナムコーヒー。このコーヒー、入れる器が面白い。とまこさんから依頼されていたので2つ買った。

天気が良くなったので、メコンクルーズに行くことになる。Kさんも赴任して間もないため、初めての挑戦となる。昨日歩いた川沿いに行き、ボートを探す。昨日声を掛けて来たのは、やはりモグリであり、正規の受付所は別にあった。だがここでも料金はネゴ。結局2人で40万ドンになったようだ。

10人乗りの小型船に乗り込む。ガイドのお姐さんもいる。英語は達者だ。船は川に出ていく。向こうの方に大きな橋が見える。以前は全てが船での往来であったが、今では橋を渡って対岸の島へ行ける。船は観光船となった。15分ほど乗ると対岸へ上陸。

熱帯の島、と言ったイメージ。ヤシの木が生えている。道は順路になっているようで、お姐さんはどんどん歩いて行く。途中にお茶が飲めるコーナーがあり、立ち寄る。お店の人が蜂の巣を見せてくれる。そして蜂蜜入りのベトナム茶を飲む。うーん。

次にキャラメル製作工程を見学。ヤシ入り、マンゴ入りなど沢山ある。お土産にちょっと買う。ガイドのお姐さんはフルーツを買い込んでいる。聞けば、ここのフルーツは新鮮で安いらしい。

また休憩所がありお茶を飲んでいると、突然子供と大人が我々の前に並び、歌を歌ったり踊ったりした。これも観光の一環だろうが、何となくこのような演出は不要と感じる。だが、この島には観光と農業しかないのだから、このようなパフォーマンスで、食い扶持を得る必要もあるのかもしれない。歌い終わった子供たちは元の純朴な顔になり、元気に遊びまわっていた。

帰りは小さなボートに乗ってきた道を帰る。まさにジャングルのボートトリップだ。狭い小川を多くのボートが行きかう。巧みな操縦で、ゆっくり進む。木々が日差しを遮る場所ではそよ風が吹き、実に気持ちが良い。しかし日差しを浴び、結局顔が真っ黒になった気がする。

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