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チェンマイ滞在記2024その4(1)雨季のチェンマイでふらふら

《チェンマイ滞在記2024(4)》  2024年9月7日‐9月24日

9月7日(土)焼き魚

香港から何とか帰国したが、疲れが出ていた。まさかシグナル8に遭遇するとは想像もしていなかった。香港には雨季があるかもと考えたことはない。チェンマイは相変わらず雨季のようで、曇っていたり、雨が降ったり、あまり心が晴れない日々が続いている。

今朝も朝は晴れていたので、買い物に出て、パンとフルーツを買い、牛肉麺を食べて帰る。最近はいい意味で安定した生活、悪く言えば変化に乏しい生活が続いていると感じてしまう。そして週末はスポーツなどが見られれば、それで午後をつぶしてしまい、歴史の勉強は一向に進まない。

気分転換しようと思い、先日行った和食屋に出向いてみる。夕方早い時間なのでお客はまばら。ここで鮭塩焼き定食を注文してみる。ドリンクは無料なので、緑茶を飲みながら待つ。何だかとても言い感じの鮭がやってきてテンションが上がる。日本でもなかなか食べない種類(自宅で偶に食べるか)のものだ。モリモリ頂く。気分がすっきりした。夕暮れ前の空が実にきれいな雨季のチェンマイ。

9月9日(月)

ミャンマー料理とお茶屋

なんとなく散歩していると先日も入った店の前を通りかかり、華人と思しきおばちゃんがいたので、また入ってしまった。オーダーは料理を指さし。イカのカレー炒め、たまご炒め、煮卵等がとても美味しい。スープとご飯が付いて、これで75バーツなら御の字だ。幸せなブランチにありつく。

午後は暑いので部屋で物書き。全然進まない。夕方ニーマンの方を散策していると、思い出したようにミャンマー料理屋が出てきた。茄子の煮込みが旨いんだが、もうちょっとパンチが欲しいような気もする。豆のスープは相変わらず美味い。これでブランチより安いのなら、文句はない。もっと通わなければ。

食後ブラブラしていると、ちょっと和風の装飾が見えた。カフェのようだが、完全な和を基調としている。畳の小部屋もあり、茶道でもするのだろうか。抹茶などを売っているらしいが、顧客の対象は勿論日本人ではなく、欧米人らしい。そこへタイの若者なども興味を持って入ってくるという構図だ。まあスタバでコーヒーを飲んだと思えばよい料金なので、気軽に入ってくる客はいるだろう。

9月10日(火)パッタイ屋でパスタ

いつもニーマンの方に歩いて行く時、ちょっと気になる小さな食堂があった。先日訪ねてみたら、女性が出てきて『今日は夕方からお休み』というので、今日は昼に行ってみる。なぜか欧米人が多く入っていくのだが、看板にはパッタイの店となっている。中に入ると結構おしゃれな造りで、バーのような感じもある。

メニューを見るとパッタイもあるが、パスタが何種類かある。白人さんはこれを目指してきているようだ。私もパッタイを捨てて、パスタに走ることになる。いい感じのパスタが出来上がってきた。ちょっと塩気が強いのは、そういうものなのだろうか。コーラを飲みながら、パスタを頬張った。次回はパッタイに挑戦してみよう。

夕方Mayaに用事があり、小雨の中を歩いて行く。何となく腹が減ったが、フードコートの気分でもなく、はちばんらーめんに突入した。今回は五目ラーメンと唐揚げを注文してみる。ラーメンは相変わらず優しい味であり、唐揚げは相変わらず、ラーメンを食べ終われないと出て来ない。まあ、そんなもんさ、と何度言ったことだろうか。Asian Booksがあったので本を見てみたが、目が悪くなっていて、良く見えず、すぐに退散した。

チェンマイ滞在記2024その3(4)チェンライ茶旅

8月30日(金)チェンライ茶旅

ついにこの日がやってきた。今日はドームの車でチェンライ方面へ行く。前回の温泉たまごの場所でのんびりしてから、メーカチャンという場所を通過した。その地名、何かあったぞ。そうだ、老舗茶荘があるはずだと探すと、その店は道路沿いにすぐに見つかった。店名に漢字があり、釜炒り茶などを売っている。

90歳近い創業者が生きているはずだと聞くと、何と隣の家にその人はいた。中国語で話し掛けるとちゃんと返事がある。この曽さんの人生が実に興味深い。潮州人で戦後バンコクに渡り、なんとあの三馬で焙煎師をしていたという。その後40年ほど前にここメーカチャンに移住して、紅茶作りを始めたというから驚きだ。今は引退して息子たちが別々に家業を継ぎ、訪ねた家ではあのタイ茶の粉を作って儲けていた。こんな出会い、考えられない茶縁。

そんなこんなで時間を使ってしまい、何と目的地には全然着かないことが分かって慌てる。チェンライ手前で山に入って行く。昨年も来たのでタカを括っていたのだが、意外や遠かった。予定時間より何と1時間近く遅刻してしまった。それでも老板は待っていてくれ、早々にプーアル茶の話が始まる。

今回のチェンマイ滞在の大きな目的がこのタイ北部で作られたプーアル茶の歴史解明にあった。最近は頭の回転も鈍くなり、なかなか点と線が繋がらない状態だったが、今日はどえらい線が繋がってしまい、我ながら驚く。この付近で作られたのはプーアル茶だけではなく、六堡茶もあったということか。

話し込んでいると昼になってしまい、次の約束に急ぐが必要があったが、ランチにと、麺が出てきた。雲南麺だろうか。この味が実に美味くて、何とお替りしてしまった。そしてまだまだ聞きたいことがあるので、10月末に再訪する約束をして、ようやく老李村を離れた。茶園は相変わらずきれいになっていた。

ここからチェンライ市内へ向かう。近道はドイチャーンの山越えだというので、それにトライするも、途中には水が溢れている場所があり、何とか通れたからよかったが、普通の車ではとても通過できない状況もあった。雨期の山はやはり怖い。元々2時に約束してが、3時過ぎに何とか市内に入り、店を探した。

天元茶行の女性社長と会うのは4年ぶりだった。店に来たのは初めてで、品ぞろえがどんどん増えているのに驚く。そして彼女自身、ビジネスを広げて忙しく、なんとこれからバンコクに飛ぶというので、30分だけ話を聞いた。彼女の一族は雲南回族であり、先ほどのプーアル茶作りの一部も回族が担っていた。だが彼女自身はその歴史を知らないといい、親戚に聞いてみる、ということで面談は終了した。

帰りは夕暮れの道を走り、道に慣れたドームの快走もあり、僅か3時間でチェンマイまで戻ってきた。今日一日で大いに収穫があったが、折角チェンライまで行ったのだが、もう2₋3日調べてみたかった、というのが正直なところだが、車が無いと何もできないので致し方ない。

8月31日(土)近所のラーメン屋で

昨日の日帰りは意外と体に堪えた。昼前に麺を食べに出た。近所にある麵屋だが、朝は開いておらず、昼は満員でなかなか食べる機会が無かった。今日は席があったので鶏肉麺を食べてみる。木の枠組みが使われているなど、老舗なのだろうか。家族経営、華人系だろう。スープが美味い。そして麺はほぼ50バーツだから人気なのはわかる気がする。

夕方、もう一度出かける。ニーマンで何か食べようかと思って歩いていると、気になる看板が出ていた。ラーメン屋だった。タイ人経営だとは思うが、何となく日本的雰囲気もあるので、ちょっと覗いてみた。土曜日の夕方でお客が二組居たが、なんとどちらもロングステイの日本人年配者だった。『あの人病気らしいよ』とか『帰ってこないね』などの会話が聞こえてくる。ラーメンはシンプルで、餃子もそこそこ、代金も高くないのだが、何だか次に行こうとは思わない雰囲気で店を出た。日本語に嫌悪感でも出てきたのだろうか。

チェンマイ滞在記2024その3(3)食事のバリエーションが増えていく

8月26日(月)和食ランチとジョーク

何だか日はどんどん過ぎていく。それでいいのか、分からないが、ゆったりとした時間が流れているのは良い。今朝は朝パンを食べて11時前に先日の和食屋へ行く。昼はランチがあるらしい。しかも170バーツで、ドリンク無料。更に行ってみると一口カレーもセルフでよそえる。これは素晴らしいが、こんなに大盤振る舞いで大丈夫なのだろうか、経営は。豚肉味噌焼き、ちくわの磯部揚げ、トマト卵炒めが弁当箱に入っていた。何とも嬉しい昼ごはん。

今日は昼で満足してしまったが、夕方散歩に出た。お屋敷街にはリスが走り回っている。堀の方を巡っていると夕暮れが近づき、言い感じの景色が見られる。お寺の雰囲気も随分と変わる。堀沿いに歩いて行き、懐かしいお粥屋へ入った。本当は点心が食べたかったのだが、残念ながら夜はなかった。いつものジョークを啜る。夜の寺のライトアップがまた良い。これからは時々夜も散歩しよう。

8月27日(火)巨大なホテル

今朝はゆっくりして、昼ごはんにガイヤーンを食べに行った。ニーマンにあるこの店、白人さんたちも多く訪れており、満員盛況だ。最近は特にガイヤーンが食べたい、という気分にはならないのだが、煙が上がっているところに通り掛かると、何となく入ってしまうという悲しさ。まあ、旨いんだから文句はない。

食後は散歩を基本とする。ニーマン付近を歩いていたが、何となく堀の方向へ向かっていく。懐かしいヌードル屋があったので、次回は行ってみよう。その先に大きなホテルがあった。昨年知り合いの夫妻がここに泊まったのを思い出す。随分と立派なホテルだと外装から判断したが、料金はかなり安いらしい。

併設されていたショッピングモールが無くなり、表通りからも遮断され、一方大きな木々に囲まれており、夜ホテルに戻るのはちょっと怖いらしい。ホテルに入ってみるととても立派なロビーが待っていた。中国人観光客が泊っており、中国語が響いていたが、客は多くなさそうだ。この向こうには表通りに面した、昔の一流ホテルがあるのだが、この付近立地は悪くないと思うのだが、随分と落ち込んでいるようだ。

夕飯は近所の食堂に久しぶりに入る。ここも緊急時などに使うだけで、私の食事ルーティーンには入っていないが、偶に入っておこうと考えた。女性ばかりでやっており、白人さんも来ている店。タイ料理から、サンドイッチなどまでメニューは多い。今晩は魚フライサンドを食べてみる。私はマックで言えばフィレオフィッシュが好きなのだ。

8月28日(水)ラムカレー

今日も朝はパンをかじり、昼前に外出。近所には立派な邸宅だけが並ぶ地域があり、そこに住むタイ人女性は、道で会うと丁寧に挨拶してくれる。その付近を歩いていると、今日もリスが一生懸命走っていた。その向こうへ行くと、今度は猫が塀に登ってこちらを見ている。何とも豊かな光景だった。

これまで2度行って、2度とも閉まっていた食堂に再チャレンジし、ついにご飯にありついた。ここは外国人にもかなり評判が良い店。何といっても、一膳めし屋ではなく、カフェ風の作りが良い。食事は置いてあるものから選び、ご飯を添えてもらって食べる。2品選んで、スープは無料、75バーツは言い感じだ。料理も悪くない。やはりメニューが分かり難い場合、目の前にあるものを指すのは確実だ。

午後ネット検索していると、突然チェンマイのカレー屋に行き着いた。見てしまうとどうしても食べたくなってしまい、夕方早い時間にその店へ行く。ニーマンにあるので歩いて10分ほどで着く。いつも通っていた道だが、インドカレー屋だとは気が付かなかった。こういう検索をやらないので、一向に店を知らない。

お目当てはラムカレー。ネットに書かれていたのよりかなり料金が高くなっていたが初志貫徹。タイでラム肉を食べるのはあまり記憶がないのでチャレンジだ。確かに美味しいのだが、コスパとしてはどうだろうか。そして隣に座っていた3人組は何と日本人で、インドに浸りたい私には日本語は結構邪魔だった。

チェンマイ滞在記2024その3(2)アカ族のタンブン

今回連れて行ってくれたのは、チェンマイ大学手前のレストラン。その昔はドイステープ帰りの外国人観光客で賑わったという老舗だった。だが土曜日でもお客は多くない。今や至る所におしゃれなカフェやレストランが出来ており、老舗は検索でも引っかからなくなっているのだろう。またチェンマイ大学へ向かう通りは土曜日の夕方大渋滞しており、これも一つの要因かもしれない。ただこの車もチェンマイ大学付近に出来た夜市に向かう渋滞のようだった。

メニューを見ると、サンドイッチなどの洋食系もあり、またタイ料理も多く載っている。タイ料理といっても華人系の料理が多く、結局日本人も欧米人も中国料理系が食べやすい、ということだろうと想像する。チャーハンや春巻きを頬張る。横にはパン屋が併設されており、ケーキやお菓子も売っている。懐かしいバタークリームが目を引き、思わず少し買って帰ることになる。

8月25日(日)アカ族のタンブン

朝ボーッとパンをかじっていた。今日は天気がいいな、と外を眺めていると突然Hさんから連絡が入る。『今からアカ族のタンブンがあるから来ませんか』と書かれており、ちょっと面食らう。私が知るアカ族はその多くがクリスチャンで、仏教徒の行うタンブンという言葉が相いれない。とにかく折角誘われたので、何事かと急いで出掛けることにする。

メージョー大学近くのアカ族村までBoltで行けるのかとても心配だったが、車はスイスイと進み、見覚えのある寺(週2回市場が開かれる)なども通り過ぎ、あっという間に寺の教会に到着した。前をちょうどHさんが歩いており、合流する。取り敢えず教会横の村のカフェでドリンクを飲む。何だか若い女子を中心に皆が集まっており、お客は多い。ドリンク代は安い。

そこからタンブンがあるという村人の家へ行く。そこでは何と、神父さんがミサを行っていた。これは日曜礼拝の続きをその家に移ってやっているらしい。外にも椅子が沢山置かれ、大勢の村人が話を聞きながら待っていた。今日のタンブンというのは、新車購入のお祓い、のようだった。これはタイのお寺でよく見かける風景だったが、この村はほぼクリスチャンなので、神父さんが代行しているという理解でよいのだろうか。この辺が地元の伝統信仰とキリスト教が混ざり合っている、ということなのか。

食事の時間がやってきた。テーブルに案内されると、数人が席に着く。向こうに座った若者が突然『アンニョンハセヨ』と言ってきた。彼は韓国に3年出稼ぎに行っていたらしい。振り向くと近くのゴルフ場でキャディの仕事を終えた女性が入ってきた。実は村人は色々な仕事を持っている。こういう場では村の様子が意外と見えて面白い。

食事は結構辛かったが、味は良くてご飯を一緒にバクバク食べてしまった。この日のために豚さんが天に召されたようだ。新鮮な茹でた野菜にタレをつけて食べると旨い。裏庭ではHさんの奥さんらが、豚の煮込みを作っている。これまでも山岳民族の食事を何度か頂いたが、なぜこんなに美味しいのだろうか。

食後Hさんが出掛けるというのでついて行く。車で向かった先は、何とメージョー大学近くのケーキ屋さん。奥さんの親戚の女性、今日が誕生日らしい。だがこのケーキ屋に売っているのは、ドラえもんなど描かれた子供用ばかり。それでもHさんはそれを買い、村に持ち帰ってさっきのカフェで彼女に渡している。大人の彼女だが、喜んで写真を撮っているのが良い。そこに奥さんが登場して『夜の誕生会のサプライズだったのに』と言って立ち去る。ここで私の滞在は終了となり、わざわざ車で送ってもらって、宿まで帰ってきた。

チェンマイ滞在記2024その3(1)近所のご飯

《チェンマイ滞在記2024(3)》  2024年8月23日‐9月1日

8月23日(金)カオスイとかつ丼

朝、香港行のフライトを予約したのだが、昼になってもコンファメーションが来ない。航空会社のサイトから直接予約したので間違いはないと思うのだが、どうなっているのか分からない。クレジットカードも新しくなったが、残念ながら決済ではねられてしまっている。全く状況が良くわからない。

昼に麺を食べに行く。宿のすぐ近くの有名店は連日長蛇の列で、今日など混乱からけんか?も起こっている。チェンマイカオスイ一杯食べるのに、こんなに並ぶ必要があるのか、と内心思いながら、その横をすり抜けて、近所のカオマンガイ屋へ向かう。先日ここで出会った日本人から『実はカオソイも旨いよ』と聞いていたので、一度食べてみることにした。

この店は美味しいと思うのだが、お客はそんなに多くはない。料金も変わらない。チェンマイカオソイは、見た目も良く、味も良い。観光客というのはどうしても有名店で食べた、ということが大事であり、インスタ映えするので仕方がないが、今や地元民の私にはここがちょうどよい。そしてここで出される無料のお茶が濃い。これは華人の特徴であり、何とも参考になって有難い。

夕方また外へ出た。ニーマン方面へ向かう。ニーマン交差点からそう遠くない場所に和食の店があるというので、ちょっと覗いてみることにした。正直海外に居る時は、さほど和食が恋しくならない私だが、4か月も滞在となると、一応手軽な場所を押さえておきたいと思った。だが、Googleを頼りに歩いてみても、その場所に行き着かない。

非常にひっそりとその店はあった。海外の和食屋にありそうな雰囲気もない。早い時間でお客もほぼいない。ただメニューを見るとしっかりした日本語であり、料理も日本食(タイ式ではない)、という雰囲気が出ている。取り敢えず試しにかつ丼を食べてみる。何とドリンクは、緑茶や水などが無料で飲める。これはタイの屋台式であり、好感が持てる。

かつ丼はしっかりかつ丼だった。味噌汁も問題がない。これで160バーツなら安いと言えるだろう。店には日本人の姿は見えないが、奥にいるのだろうか。従業員のタイ人の愛想も良い。ロングステイのお爺さんが一人で食べていたり、タイ人親子が焼き魚を食べていたりと面白い。これは時々訪ねてしまうかもしれない。

8月24日(土)老舗へ

週末はお休みにしようと考えて、ゆっくりと起き上がる。ランチにダンバウ(タイ語はカオモック?)を食べに行く。自分がお美味しいと思えるものを手じかな場所で安い料金で食べられるのは何とも有難い。何とか調べ物を進め、文章の一つも書こうと思うのだが、どうしても気力が沸かず、進まない。更年期障害、というのだろうか。どんどん疲れを覚える。

香港行のフライト、予約が取れていないと思い、別サイトから別日で予約したら、あっという間に予約が完了した。だが何となく不安が過り、もう一度最初の航空会社に問い合わせたら、何と予約済みとの回答が来てしまう。こういうのはある意味の詐欺ではないかとも思うのだが、人生初のダブルブッキングに見舞われ、かなり落ち込む。

夕方Nさんが車で迎えに来てくれた。昨年からチェンマイに来ると時々会っているのだが、色々と忙しいようで、なかなか時間が合わなかった。チェンマイの事を教えてくれるので実に有り難い存在だが、あまり煩わさないようにしようと思う。チェンマイに住む人にとって、私のような存在は、迷惑な場合もあるだろう。

チェンマイ滞在記2024その2(5)メーチャムに原生種を探しに行く

どんどん田舎の山道を進んでいくが、茶樹は全くない。あるのはトウモロコシやキャベツの畑ばかり。途中に鄙びた村があるだけで人の気配もない。山の中に入っていくと、舗装されていない道路は雨季のために水が溜まり、まるでオフロード走行のようになる。それでもドームはプロのドライバーを自認してツッコんでいくから非常に怖い。

どれぐらい時間が経っただろうか。もう目的地目前という場所まで来ると、何と前方は完全に塞がれており、泥水で車のハンドル操作も危うい。通りかかった村人に聞くと、この先は車ではとても無理、と言われてしまい、5時間もかかってやってきたのに、ここで断念することになってしまった。すごすごと引き返していくと、バイクが通りかかり、もう一度聞くと、何ともう一本道はあるというではないか。

これ幸いとまた山登りを始めたが、やはり5㎞ほど行くと、前は通れない。無理やり車を突っ込ませたら、泥が跳ねあがり、窓を開けていた私は泥だらけになってしまう。そこにやってきた警備のおじさんも『無理だろう』と言って、来た道の方を指さす。万事休す、やはり雨季に山に来てはイケない。山を舐めてはいけない、と分かる。

景色の良い場所で写真を撮りながら、気を紛らわせる。この周辺はカレン族やモン族が住む地域らしく、モン族マーケットに寄ってフルーツを買ったりする。車はまさに泥だらけ、私の心も泥だらけ、となる。まあ乾季にもう一度チャレンジしようと話して、合計10時間の旅を終える。

8月22日(木)ミッドイヤーセール

何だか疲れが抜けない。メールを見ると、何と私のクレジットカードがカナダで不正使用されたらしい。幸い被害はなかったが、これは私が使用したものではない、とクレカ会社に届け出ると、その瞬間そのカードは停止されてしまい、新しいカード発行の手続きに入ってしまったらしい。何と海外に長期滞在していては新しいカードも受け取れないのだ。どうするんだ、これ。

まあ考えても仕方がない。またMayaまで歩いて行き、打滷麺を食べる。甘めの味が気分転換にはちょうど良い。チェンマイ空港到着時にバッグが壊れてしまったが、ここには良さそうなバッグも沢山売っているのでちょっと安心して買わずに帰る。

Hさんから連絡があり、夕方出かける。Hさんの車で向かったのは、コンベンションセンターだった。ここでミッドイヤーセールをやっているというのでやってきた。食べ物や服のブースなど、数多くの出店があるが、平日の夕方だからか、お客はそれほど多くはない。観光客が来るような場所でもない。面白いのは豚がいたこと。餌を買って豚にあげるらしい。その横では金魚すくいが行われている。その向こうのウサギはどうするんだろう。激しく雨が降ってきたので、皆帰れず困っている。

何とか車に乗り込み、Maya付近まで戻る。どこか夕飯を食べられる場所を聞かれたが、紹介できるようなレストランを知らない。突然先日知り合いから送られてきた中国料理屋を思い出し、行ってみることになる。何と雨の中、お客は我々しかいなくて、ちょっと心配になった。

だがその料理の味はなかなかのもので、代金もリーズナブル。その昔チェンマイ在住日本人が良く来ていたような雰囲気で、何だか味付けは潮州料理っぽい雰囲気がある。聞けば40年ほど前はバンコクで店を開いていたとか。今は静かにチェンマイで営業している。見るとお婆さんの顔は完全に華人だった。

チェンマイ滞在記2024その2(4)Tea Galleryへ

8月19日(月)Tea Galleryへ

昨日と同じ道を歩き、トップスマーケットに寄る。ジュースが安かったので買ったのだが、現金支払いの場所が少ない。機械操作はタイ語で難しい。困ったものだと思っていたら、お姐さんが手招きしてくれ、何とか支払いを済ませる。周辺を散歩するとのどかな光景が広がっていた。

昨日訪ねた宿は係員がいなかったが、今日行ってみたら案内してくれた。部屋は2種類しかなく、家具のきれいさ、内装のリノベーションなどで分かれているようだった。基本的に広くてよいのだが、安い方の部屋には机もなく、ちょっとダメだな。道路に面していない部屋は、遠くにお寺が見えていい雰囲気だった。係の若い女性は英語をちゃんと話していたが、実は現在YouTubeで日本語も勉強しているという。この宿には日本からマッサージ師の資格を取りに来る日本人も泊まるらしい。1泊から泊まれるので使い勝手は良いかもしれない。

夕方Tea Galleryの馬さんに連絡したら、今なら空いていると言われ、急いでBoltを呼んでオフィスに向かった。彼女もどんどん忙しくなっているようで、明日はバンコクへ行くらしい。以前はミアンの歴史で大変お世話になったが、今回はプーアル茶の歴史の話を持ち込んだ。恐らく雲南回族はプーアルの歴史に関連があるはずだ、と言ってみたが、あまりピンとは来ていない様子。それでも親戚などに聞いてみると言ってくれた。何か出て来ないだろうか?楽しみだ。

宿へ帰ろうとBoltで車を探すも全く捕まらない。夕方5時台はそんなものかもしれない。バイタクを呼んだが、何と20分かかるという。その間、周囲を散策すると、古いお屋敷があることが分かった。かなりの規模なのだが、一体誰の屋敷だろうか。今も誰か住んでいるのだろうか。バイタクの待ち合わせ場所は、体育館。そこはバドミントンの文字が見える。今やタイのバドミントン界は世界的にかなり強い。若者の育成が上手くいっているのだろうか。

バイタクでターペー門まで走る。運転手はスピードを出さなかったので助かった。体に力を入れるのは今ちょっと苦手だ。折角なので、近所でカレーを食べることにした。昨年も来た店、創業70年の老舗だったが、お客は全くいなかった。チェンマイで一番美味いカレー、と書かれていたが、中は生姜だらけ。あれ、これが一番美味いカレーだっけ、とちょっと拍子抜け。

そこから懐かしい街を歩いて行く。1年半ほど前、1か月住んだこの付近。色々と思い出すことはある。他にも食べたい店がいくつかあったが、既に満腹で、散歩に専念する。日が暮れて、寺がライトアップされ、夜のチェンマイが出現する。私は酒も飲まないので、夜は出歩かないが、偶にはこういうチェンマイもいい物だと思いながら、ついに歩いて宿まで辿り着く。

8月20日(火)メーチャムに原生種を探しに行く

今朝はドームの誘いで朝から出掛ける。チェンマイ郊外で茶樹の原生種が新たに発見されたというニュースが流れていたので、それを見に行こうというのだ。従来この付近にはアッサミカやタリエンシスはあるはずだが、シネンシスの古茶樹があるとは聞いたことがなく、興味を抱く。

一体どっちの方へ行くのだろう。車はドイインタノーン方面へ向かっている。インタノーンはタイ最高峰の山。一度は行ってみたいと思っていたが、今回はその脇をすり抜けていく感じ。そして山越えを果たして、意外にも3時間かかってメーチャムという街に到着する。ここで一旦休息。何とここから山道を50㎞入ったところに茶樹はあるらしい。

チェンマイ滞在記2024その2(3)華人系の食べ物に惹かれる

店は沢山あるのだが、意外や私が飛びつくような食べ物が無い。とんかつや寿司まであるのだが、どうしたものか。行き着いた先は打滷麺だった。これは福建南部の麺と言っていいだろうか。あんかけ麵であるが、私の好物で、日本のあんかけ焼きそばの元祖か。久しぶりに食べたら何とも旨い。これで60バーツなら、時々食べに来よう。

食後の散歩も欠かせない。昨年1度行って気に入ったお寺まで歩いて行く。ここは境内が実に広く、建物も多い。相当古い仏塔やお堂が並び、非常に厳かな雰囲気を漂わせている。ただお堂内の仏像を拝んでいると、横には賽銭箱やQRコードがずらっと並んでいるのが目に入ってしまい、何だかな、とは思う。

夕方もう一度散歩に出る。ご飯の新規開拓のために歩いてみたが、なかなか見つからない。その内、チェンマイホルモンという店まで来た。ここは先日出会ったSさんが参考にしたという日本人経営のホルモン屋だった。確かにオープンな感じで、5時半でもお客が何組か食べていた。でもやはり一人で食べるのは気が引けて通り過ぎた。結局こういう時は、串焼きとカオニャオを買って帰り、部屋で食べる。安くて、旨い。

8月17日(土)近所に新店舗

今朝もまた、パンを買った後、ターニン市場まで歩く。今日は何にチャレンジしようかと迷っていると、白人さんが席に着いたので、迷わずその横を確保した。メニューを探すと、ちゃんと英語が書いてある。朝からイカカレー炒めご飯を食べる。お母さんが振るフライパンの音が良い。

昼間はなぜか外に出る気が起きずに、夕方を迎えた。何となく食欲も乏しく、いつものフルーツ屋でメロンでも買おうと、何とか靴を履く。途中まで行くと、新しい店が出来ているのに気づく。昨年も他の場所で行った、開放的な店構え。かなり安い料金で食事を提供している。取り敢えずメニューを覗いてみて、焼きそばを注文した。何だかこれは美味い。ここ1年でチェンマイの店にあまり変化は感じなかったが、こういう安いチェーン店が徐々に増えていくのだろうか。それとも大手チェーンが進出するのだろうか。夕暮れの風に吹かれながら考える。

8月18日(日)華人系の店で

日曜日というのは近所でも閉まっている店がいくつもあるから、食事難民になりやすい。今日はそれほど暑くなかったので、思い切ってターニン市場の先まで歩いてみる。実は先日一度歩いた時見掛けた店が気になっていた。どう見ても華人系のその店、釣り下がっているポークが美味そうだった。

鴨肉と豚肉のミックスを注文して待つ。確かに肉は美味しいのだが、タイではなぜかソースが掛かっていて、それが私には合わない。ソースなしで十分食えるのだが、ソース不要を伝えるのが難しい。ついてきたスープも美味しいので、次回は麺にしよう。そうすれば、この問題は解決するように思う。

実際先に書いてしまうが、我慢できずに翌日もまたこの店に来て、今度はワンタンメンを注文し、そこに焼き豚を乗せてもらった。こちらは何とも最高だった。ワンタンもうまい。私はタイにいても基本的に華人料理系に惹かれてしまうのは、仕方がないと思っているのだが、ダメだろうか。家族経営、お母さんの笑顔が嬉しい。

そこから先日紹介された宿を見学に行ったが、日曜日だった。目の前はサンティタムの寺。ここでゆっくりと仏像を眺める。帰りに近所の雲南会館に寄ってみたが、日曜学校のようなものをやっており、ちょうど昼で生徒が沢山出てきたので、会館の人にヒアリングすることは出来なかった。

チェンマイ滞在記2024その2(2)初めてのターニン市場へ

お昼ご飯は用意されていたお弁当を食べる。付近ではタケノコが切り出されており、美味しそうだった。デザートに柿が登場したのだが、非常に甘くて美味しい。センターの局長が一言『じろう』といったので驚いた。何とこれは日本の次郎柿だったのだ。今タイに溢れている柿は次郎なのだろうか。次郎柿といえば、静岡とも関連がある。

午後は製茶見学。機械は台湾から持ち込まれたようで、烏龍茶製造用が一通り揃っている。生葉を萎凋して殺青。萎凋は萎凋槽などなく、烏龍茶の室内萎凋の工程のようだった。団揉は何と腕でやる。安渓で昔の手作業を再現してもらったのを思い出す。取り敢えずの実験ではあるが、色々と苦労があるのだろうと思う。

またミニバンで1時間半かけてセンターに戻り、そこからはSさんの車で送ってもらった。Sさんは体調がすぐれなかったようで、大変な中、運転してくれ、何とも有難い。私はこういう時に車の運転も出来ないし、何も手助けできないので申し訳ない。疲れたので隣の食堂で夕飯を食べると、焼き餃子を注文したが、出てきたのは揚げ餃子のような気がした。

8月15日(木)初めてのターニン市場へ

朝、馴染みのパン屋でパンを買ったが、何故か宿と反対の方向に歩いてしまった。雨が降らければ散歩も良い、とフラフラしていると、コインランドリーが何軒も出てきた。皆新しくて、可愛い感じの作りになっている。私は昔ながらの洗濯屋に洗濯を頼むことが多いのだが、これからはコインランドリーに吸収されてしまうかもしれない。

その先に市場が現れた。昨年何人もの人から言われたターニン市場がそこにあった。折角なので何か食べようと探したが、ここはタイ人向けなのか、英語もあまり見られない。思い切って奥に入ってみると、カオカームーが美味しそうだったので飛びつく。もう少し市場が近ければ時々来るのに。多くの店のメニューには英語があった。慣れた外国人も隣で食べていた。

一度宿に帰り、休息後、昼前にまた出掛ける。今度はMayaへ行った。スマホのシムの作動が鈍い。いよいよバンコクの空港で買ったシムが限界に達したようだ。Mayaの上の階にAISがあるのは先日来て分かっていた。しかし行ってみるとお客が多い。中国人女性が何だか中国語で揉めている。まあこの地域は中国村だったか。

ようやく順番が来て事情を話すと、係の女性はテキパキとした対応で、最適のパッケージを見付け出してくれた。このサービスはバンコクのAISには全くなかったもので、何とも嬉しい。料金もバンコクで言われた1000バーツが月400バーツ程度に収まった。実は後で分かったことだが、このサービスは定住者向けの物で、プリペイドシムとは色々と違うことが分かるのだが。いずれにしても、これで安心してスマホが使える。

昼ご飯を食べようと探してみると、八番らーめんが見えた。前回は気が付かなかったのだが、体調が悪い時など、ここで優しい味のラーメンを食べると救われるから有り難い。だがラーメン、餃子のセットを頼んだ場合、ほぼ100%、らーめんを食べ終わる頃にしか餃子が運ばれてこないのはなぜだろうか。これは全国共通マニュアルのようだ。

8月16日(金)お寺でまったり

昨日Mayaに行ったら、フードコートがあることに気が付いた。一度ここで食べてみようと思い、再度Mayaまで歩く。この散歩が心地よい。4階に上がると、香港の有名店や四川の海底撈火锅なども店を構えている。誰か来たら一度は行ってようと思うが、今日はフードコートだ。

チェンマイ滞在記2024その2(1)茶旅スタート

《チェンマイ滞在記2024(2)》  2024年8月13‐21日

8月13日(火)茶旅に向かって

ようやく自由時間が取れるようになり、まずはドームにコンタクトを取り、今後の活動について話すことにした。彼も色々と忙しいらしく、当初は電話でと言っていたのだが、やはり一度面と向かって話すのが良いと考え、宿まで迎えに来てもらった。今は夏休みシーズンで、スペイン辺りから沢山観光客が来ており、毎日のようにチェンマイ、チェンライを往復しているらしい。観光ビジネスが戻ってきたことは喜ばしいが、私の茶旅に影響はあるだろうか。

ドームの車はターペー門近くを走っていった。この付近、駐車場はないな、と思っていると、なんと彼はお寺に入っていく。そこにはぎっしりと車が駐車されており、お坊さんも慣れたもので『あっちに停めておいて』と言って、ご飯を食べに戻っていく。そう、お坊さんは午前中しかご飯が食べられないから、忙しいのだ。それにしても、参拝もせずに境内だけ使うとは。日本ではちょっと考え難いが、そこはタイ。

ドームが連れて行ってくれた店は、弟が開いたカフェ。そこにMonsoon Teaがコラボして出来た店だった。基本は観光客向けの土産茶(珈琲)を売るのだが、一応喫茶も出来るので、そこでお茶を飲みながら話をする。店の雰囲気はなかなかよく、ドイプーメンの写真なども掲示されている。今回の茶旅はどうなるのだろうか。ちょっと楽しみになってくる。

昼過ぎに近所まで送ってもらう。ちょっと腹が減ったので、馴染みの店でランチを食べる。イカ焼きが美味い。ここは夕方蚊が多くて困るのだが、昼間は刺されないので良いと知る。向かいの店のフルーツも昨年同様安い。ニーマンエリアもなんでも高い訳ではなく、リーズナブルな店も健在だ。

実は今住んでいる宿に入った初日の夜、シャワーを使っていて、シャワーのソケットが壊れてしまった。シャワーを浴びるのに最悪支障はないのだが、やはりあった方が便利だ。というか、何も言わないで、後に問題になるのも嫌なので、大家にそれを告げると、やってきてくれた。この女性、昨年も洗面台の水漏れをいとも簡単に直してくれたのだが、今回もドリルなど一式持ってきて、僅か15分ほどで修理を終えた。何とも頼もしい存在だ。この宿が気に入っているのはこういう対応である。

夕方腹が減ったのだが、雨模様で困る。何とか這い出して、近所の粥屋に駆け込んだ。ここも何も変わっていないようだったが、なぜかジョークを出してくれず、カオトームになっていた。実に不思議なのは、私がいつも頼んでいた全部入れジョークは、今日のカオトームより高いのだが、なぜだろう。この辺は言葉が通じない辛さがある。

8月14日(水)農業研究センターへ

今朝は早起きして、Sさんの迎えを待つ。チェンマイ郊外にある農業研究センターに連れて行ってもらい、そこからバンで山中にある拠点に向かった。ケネスも車でやってきて合流する。車で約1時間半、どこへ行くのか分からないまま、何となく進んでいき、何となく到着する。

そこには小さな製茶工場があり、台湾品種を使って紅茶を作っていた。茶畑を見せてもらうと、さすがは試験場、たくさんの品種が植わっている。日本のやぶきたもあった。台茶12号をここのスタッフは『金萱』と中国語発音で呼ぶ。英語は通じなくても、品種は通じてしまうという不思議。台湾との交流史をもっと知りたいが、それにはタイ語が必要だった。