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チェンマイ滞在記2024その6(3)ラミンティの3代目と会う

10月25日(金)ラミンティー

午前中散歩していると、比較的大きなお屋敷が売りに出ていた。タイ語と併記で中国語も書かれているのだが、このご時世、中国人でこの家を購入する者はいるのだろうか。まあ、値段も分からないので何とも言えないが、時々不動産の売り物件を目にする。昼ご飯は久しぶりにおかずを選んでご飯とスープで食べる店へ行く。

今日は重要な日だった。10月初めにチェンダオで会う予定だった、ラミンティーの3代目と突然会えることになったのだ。しかも場所はチェンダオではなく、チェンマイ市内のラミンのオフィス。何と40年以上前に建てられた茶工場が併設されていた。またそこは大きなバイパス道路に面しており、現在茶業と並んで家業となっている自動車ディラーの店舗もあった。

3代目は非常に親切な人で、わざわざパワーポイントを準備してくれ、ラミンの歴史を説明してくれた。ただ初代については少し不明な点があり、今後機会があれば2代目夫人に聞いてみたいと思った。いずれにしてもここ北タイにおいて、最初に茶を植え、茶園を造り出したのは1940年前後のラミンであることは間違いなさそうだ(元々生えていた茶樹の葉を加工したケースはもっと古いと思う)。

現在同社では様々な種類の茶を作っているが、その根本は創業当時から紅茶で変わっておらず、今もアメリカ向け紅茶輸出が主業だと聞くと、確かに北タイは烏龍茶、というイメージは後世の物だと感じられる。そして初代の謎を解くことで、北タイプーアル茶の歴史も紐解けていくかもしれない。茶工場も見学して、紅茶をお土産にもらって帰る。

10月28日(月)茶旅が始まる

いよいよ北タイ茶旅が始まる。昨晩メンバーの一人HHさんがチェンマイにやってきて、気分が高揚する。昨晩はMAYAにサンダルを買いに行き、そのままフードコートで麺を食べ、ニーマン地区をフラフラ散策した。ハローウインが近いこともあり、仮想して写真を撮っている人達がいる。何だかちょっとキラキラしたチェンマイを見た。

今朝は朝8時集合でHHさんとカオソイメーサイに行く。この時間だと行列もなく、この有名店で悠々とカオソイを食べることが出来る。久しぶりのチェンマイだと聞いたので、こういう店も良いかと思う。食べ終わって出てくるころには既に外に観光客が立っていたから、相変わらずの人気だが。

そこから周辺を散策。市場に行ってみようと歩いて行く。そろそろ10月も終わりに近づき、心地よい朝が来ていた。市場でも魚や野菜などを見ていくが、私には名前も分からず、聞くためのタイ語力もない。実はもう一人のメンバーMさんが空港に到着するはずだったので、その連絡を待っていたのだが、何故かスマホの不具合か?うまく連絡がつかず。何とか無事到着を確認したが、Mさんは夜行便の疲れもあり、マッサージ屋へ行っていた。

我々は昼ご飯を食べるため、モンスーンカフェまで車で行った。後からMさんも合流して、3人でお茶を飲みながらミアンが入った料理を頂く。色々なお茶を飲んでまったりしてしまい、時間がどんどん過ぎていく。車を呼んで帰る際、HHさんは途中の市場で降りる行動派だ。夜は明日からのメンバーで夕飯(昨年と同じ場所)を食べる。夜の便でチェンマイ入りしたHSさんも無事合流して、明日からの気分が大いに高まる。

チェンマイ滞在記2024その6(2)急遽ワーウイへ

10月22日(火)急遽ワーウイへ

今月末に北タイ茶旅を計画して、参加者を募っていた。なぜ茶旅に参加者を呼ぶのか、それは車代をシェアしてもらえれば助かる、というのが一番大きい。皆で行きたいところへ行き、インタビューも出来れば、色々な意味で茶旅に広がりも出るし、これまでの盲点、弱点も見いだされるだろう。

ところが今回是非訪ねて話を聞きたいと思っていた人々は当日不在であることが分かり、取り敢えずどうしても話を聞きたいワーウイの李さんを訪ねに、運転手ドームの都合もあり、急遽ワーウイ日帰り旅を決行することになった。これでは何のためにシェア茶旅をやるのか分からなくなったが、まあ仕方がない。

今朝も天気はとても良い。8月末にも一度行っているので、ルートは分かっていた。それでも何故かワーウイまで4時間近くかかってしまう。それはドームが温泉たまごを作って時間を使ったからではあるまい。前回のことを既に忘れてしまっていた私に責任がある。まあとにかく老李リゾートに11時過ぎに到着した。

李氏から、色々な話を聞いた。特に驚いたのが、前回発見した香港・マカオとの繋がりだろう。1960₋70年代北タイでは大量の荒茶を作り、香港へ輸出していた。中にはプーアル茶を作って輸出したケースもあった。具体的な茶業者の名前、茶工場の場所なども出てきて理解がとても深まる。

プーアル茶を飲みながら、あっと言う間に2時間ぐらい話し込んでしまった。日帰りなのでもう帰らねば、と思っていると、お昼ご飯として雲南麺が登場した。この麺がとても美味しく、何とお替りまでしてしまう。10日後の茶旅では、ここに1泊するので、その時食べる夕飯を今から予約してお別れした。食事は結構期待できそうだ。最後にちょっと茶工場を見学した。

帰り道、ワーウイの近くにあるラフ族村に寄ってみた。ここにはドームの同級生が暮らしているという。だが村へ入る道をタイ語で尋ねても冷たい対応だったらしい。ところがラフ語で尋ね直すと対応が一変したというから、よそ者への警戒感は相当なものだ。質素な家が並ぶ村の中で2人は再会した。40数年ぶりだというから驚きだ。何を話しているかは分からないが、初めはぎこちなく、途中から懐かしげな様子が伝わってきた。

陽が傾き始めたので、急いで山を下った。夕方5時頃、チェンマイ郊外までやってくると、ドームが突然親戚の家へ行こうという。そこはドイサケットという街、先ほど李さんからその昔茶工場が沢山あった場所として紹介されたが、今や茶工場など一軒もない、と言われていた。

ところが実際に行ってみると、とても小さくはあるが、家の裏に製茶機械があり、現在も細々と花茶を作っている女性がいたので、本当に驚いた。そしてこの花茶はチェンマイの中華レストランなどで飲まれているらしい。このドイサケットの茶工場の歴史、本当に誰も知らないだろうか。今回は時間的には短かったが、収穫の多い旅だった。

10月23日(水)エレベーターが止まっている

昨晩宿に戻ると、何とエレベーターが止まっていた。疲れている中で、階段で4階まで上がるのはかなり大変だった。そして修理完了は25日となっており、愕然とする。今朝起きて考えたのは、如何に効率的に部屋から出ないで過ごすかだった。だが私は自炊をしない(そもそも設備はない)ので、ご飯を食べるには外へ出る必要がある。勿論パンやカップ麺を買っておいてやり過ごす方法を検討した。

まずは朝、パン屋へ行って多めにパンを買う。帰りに久しぶりにジョークを食べに行く。その後近所の花をめでながら散歩する。昼間は暑いこともあり外出せずパンで過ごす。夕方もう一度外出して、麺を食べる。夜は卓球を見て過ごす。まあ、こんな感じであと2日耐えようと思っていると、翌日エレベーターは何の前触れもなく復活しており、全てが日常に戻っていた。

チェンマイ滞在記2024その6(1)雨で体調不良に

《チェンマイ滞在記2024(6)》  2024年10月17日‐10月28日 11月2日‐11日

10月17日(木)体調を気遣う

ベトナム、ホーチミンからバンコク経由でチェンマイに帰ってきた。今やホームタウンのチェンマイであり、なんとなくホッとする。ただ既に10月半ばなのに、まだ雨が降っていて驚く。やはり今年は異常気象なのだろうか。ベトナム疲れもあったので、昼まで部屋でゆっくりと写真の整理などをして過ごす。

腹が減ったので、外へ出る。雨はない。いつものパンを買い、すぐ近くの麵屋で牛肉麺を食べる。ベトナムでフォーボーを食べなかったなと思い出す。こういう食べ物を食べると、何となく体に優しい。腹が温まる。夕方もう一度外へ出て食べたのも、ジョーク。やはり体調が優れないので、優しいものを欲していると分かる。

翌日も疲れは取れず、天気も回復しない。そんな時はやはり麺。鶏麺が美味しい店に行き、適当に指差しで注文したら、何だか手羽先が何本も入ってきた。コラーゲンたっぷりで、これはこれでイケル。夜も焼き麺を食べている。こういう時に米は重たい。これで体調回復を図る。

10月19日(土)久しぶりの台湾料理

朝から箱根駅伝予選会を見る。何と1秒差で予選を通過した順天堂。このような周回コースの予選会は良いのだろうか。まあそんなことを言っても仕方がない。日本では秋が始まり、季節が移っているが、チェンマイはまだ雨季のようだ。何とも寂しい朝が過ぎていく。因みに翌朝もプリンセス駅伝を見る。もう駅伝、マラソンシーズンなのにチェンマイは、という思いに駆られる。

いつものパン屋でいつものパンを買う。先日ネットで見ていると、チェンマイで一番美味しいカオマンガイ屋として挙げられていた店は目の前だ。久しぶりに食べてみたが、普通の美味しさという感じ。50バーツでこれが食べられるという点では素晴らしい、ということだろうか。

夕方なぜか急にソンテウに乗り、ターペー門を目指した。ところがソンテウは最短コースではなく、他の乗客の目的地に向かって走り出し、一時はどうなることかと思ったが、その後は順調に進み、最後はむしろ目的地近くで降りられた。夕飯を1年ぶりに台湾料理屋?で食べた。台湾で働いていたタイ華人が出した店、というのが正しいだろう。味は悪くないので、また寄ってみたが、店のおばさんは私のことなど完全に忘れていてちょっとショック。帰りは何となく夕暮れの中をトボトボと歩いて宿まで帰る。寂しい。

10月21日(月)飲茶が食べたくて

週末を過ぎても、体調が思わしくない。というより、所謂テンションが上がらない状態がずっと続いている。そんな時は和食でも食べるかと、いつもの店にランチを食べに行く。ハンバーグにコロッケ、味噌汁にひじきご飯でかなり元気が出て、そのまま長距離散歩をする。何となくもう雨はないかな、という感じだ。

夕方AISショップに行く。今回のシムカード、いつもと違うので、何となくよく分からない。もしバンコクなら、スクンビットまで行かないと英語は通じないが、チェンマイでは近所のショップでも簡単に英語は通じるのが何とも有難い。何とか理解して、支払いを済ませるとすっきりする。

その足で堀沿いを歩いてみる。ちょっと行くと少し大きめのレストランがあった。ここは団体観光客が来るのかなと覗いてみると、そうでもなく、普通に麺などを提供しているので入ってみた。するとメニューに点心がいくつか載っていたので、これも注文する。ちょうど点心が食べたいな、と思っていたのだ。

席はオープンスペースと思っていたが、店員に誘導されてエアコンの効いた涼しい場所へ。ここにまだ午後4時過ぎだというのに、中国人観光客が数組いた。そしてかなり食べ散らかした状態で、外に出たくないのか、話し込んでいる。それをしり目に私は出てきた麺と点心を簡単に片付け、足早にその場を去る。

チェンマイ滞在記2024その5(3)断水やキャンセルや

久しぶりに指差しでおかずを選ぶ食堂へ行った。イカ炒めをいつものように頼んでみたが、今日は滅茶苦茶スパイシーでお腹がグルグルとなる。もう一つのゴーヤたまご炒めで何とか中和できないかと思ったが、それは無理な相談だったようで、逃げるように宿へ引き上げた。そもそも体調がよくなかったこともあるのだろう。

10月3日(木)キャンセル

いよいよ明日から活動が再開される。取り敢えず少しでも元気を取り戻さないといけないと、麺などを張り切って食べてみる。動かないと食も細っていくということが分かってきた。やはり歳を取ったのだとしみじみ思う。ご飯ものをちゃんと食べる元気はない。

夕方になってもドームからは何も言ってこないので、一応明日朝8時ね、とメッセージしたところ、突然『キャンセル』という返事が返ってきた。理由は大雨により道路は崩れてしまったから行けない、とのことだったが、そんなことは今日じゃなくても分かるだろにと『なぜ連絡をくれなかった』と打ち返したら、子供じみた言い訳を並べてきて驚いてしまった。

これがプロのガイドだろうかと思ったが、これがタイなのだ、と思うしかない。いや彼はガイドではなかった。単なる運転手に大きな期待をしてしまったこちらが悪いのだろう、きっと。それにしても明日は私にとって極めて大事なミーティングだったので、キャンセルは誠に痛い。

10月5日(土)朝食と晴れ間

今朝は朝から快晴だった。晴れというだけでこれだけ気分が晴れるというのは、久々な経験だ。勿論洗濯をして干した。それから近所のパブ?へ向かう。ここは朝からやっており、白人たちが集う食堂のようになっている。午前中はノマド系がPCに向かい、初老はボーッとコーヒーを飲んでいる。

私はここでブレックファーストを食べてみたかっただけだった。面白いのは朝食メニューが一日中注文可能であり、しかも4種類もあることだった。取り敢えず王道のアメリカンブレックファーストを注文すると、ジュースとコーヒーが付いてきてかなり豪華だった。何だか朝からとても良い気分になれた。

この店、中国人も来るのだろうか。後ろの席に座っていたおじさん、流ちょうな英語をスタッフとは話し、奥さんとは中国語を話している。なぜか中国語の方が声がデカくなるので、出来れば英語で話して欲しいと思ってしまう。これまでの客が置いていった書籍があったが、その中に新華字典があるのが不思議だった。バイクレンタルの客も多い。

10月6日(日)断水

今朝も晴れていて嬉しい。日曜日ということもあり、ゆっくりと起動して遅めの朝飯を食べに行く。今日は先日見たモスクの近くで牛肉麺にした。相変わらず黙々と麺を茹でるヒジャブの女性。これで十分に生計は成り立っているのだろう。何となくゆったりした仕草であり、それを見てゆったりとした気持ちになれる。

午後はオンラインセミナーに参加した。自らが主宰でないセミナーへの参加は久しぶりだ。ハノイのNさんの企画、なぜかお題は中国の『チャーズ』だった。どんなお話になるのかと聞いてみたが、ご本を出された方は生後1歳半でこの悲劇に遭遇され、記憶にはないようだ。ただそのお兄様も参加されており、かなり具体的な満州での生活などが聞けた。

この方々のお父様は、恐らくは京都帝大を出て林業関係に進んだと思われる。だから満州であったのであり、もし茶業なら台湾だったのでは、と何となく思ってしまう。チャーズといえば、遠藤誉と山崎豊子が思い出され、中国関係者ならその多くが聞いたことぐらいはあるはずだが、それ以外の日本人はドラマ『大地の子』なども見ていないのだろう。

チェンマイ滞在記2024その5(2)ついに未曽有の洪水が

取り敢えず朝飯を食べることにして、いつもの華人食堂へ行き、ワンタンメンを食べる。安定の旨さだ。そしてもう一度付近の道に戻ると、10時を過ぎたのか何軒か開店していた。最初の一軒に聞くと、120バーツというので、面倒だからそこにしてみた。若いニーちゃんが髪を切ってくれるのだが、おしゃれな切り方で時間がかかる。

確かに日本の1000円床屋よりは余程丁寧かもしれない。因みに私は日本では690円しか払っていない。昼間のタイムサービスを利用しているのだが、それにしても安い。料金からすれば円安もあり、チェンマイも東京も変わらなくなってきている。物価が安いチェンマイが東京を抜いて行く、そんなことが現実になるのだろうか。

午後はゴルフの日本女子オープン初日を見ていた。NHKだと配信されるので有難い。思えば日本女子ゴルファーの活躍はすさまじい。ニュースでは渋野ばかりが取り上げられるが、古江や西郷、笹生に畑岡などアメリカで戦っている選手が増えた。そこに日本では、女王山下の前に竹田や岩井姉妹が加わり、常に面白い展開をみせている。

そういえば8月初旬に入居したのに、1か月後の家賃請求が無いことに気が付いた。こちらから言うのもなんだが、レセプションへ行ってみると、完全に忘れていたらしい。すぐに電気代などが計算され、支払いは終わったが、特に謝ることもなく、感謝することもない。やはりタイはそのような国なのだろう。

9月27日(金)新総裁

今朝は久しぶりに晴れ間があり、急いで洗濯して干した。何日ぶりに、太陽を見た思いだ。ようやくこれで雨季は終わると信じたかったが、事態は簡単ではなかった。まあ取り敢えず今日は良い日だ。ただ今度は太陽が出ると暑いと思ってしまうのが、人間のエゴというものだろう。

NHKを見ると、自民党総裁選を中継していた。石破と高市の決選投票となっていた。オールドメディアの予想は外れてしまったらしい。これで高市が勝てば、日本初の女性総理誕生となり、いい悪いは別として、日本に新しい風が吹くのでは、と期待されたが、最後のその期待は見事に打ち砕かれて終わった。まあ、これで全てが終わる、ということもなさそうではあるが、メディアも政治も、そして我々は変わることは出来ないのだろう。

夕方配信でU-20サッカーアジア選手権予選を見た。日本対ミャンマー、結果は最初から分かっているようなものだが、ミャンマーということもあり、ちょっと見てみた。今はどの年代でも日本チームが強いと思われており、この試合もそうではあったが、何となく日本に慢心があるのでは、と思えた。一方ミャンマーの選手は、どんな思いでサッカーをしているのだろうか、と考えてしまう。

10月1日(火)モスク

ここ数日また雨だった。そしていよいよチェンマイにも洪水が押し寄せてきた、らしい。私の周辺は相変わらず水が無いので、実感はない。ただ数日間ひたすら原稿と格闘して、締め切りに備えている間に、ピン川方面が崩壊してしまったという。川沿いの店舗、民家が床上浸水している。さすがのチェンマイ人たちも『生まれてから初めて見る光景だ』と肩を落としていた。

雨の間に食事を取り、買い物をしている。いつもの道を逆方向から歩いていると、突然モスクが見えた。これまで何度も通っていたのに気が付かなかった。ただ近所でヒジャブを被った女性が牛肉麺屋をやっている理由が突如わかったような気がする。そういう目で見てみると、この通りはイスラム系が多いのかもしれない。

チェンマイ滞在記2024その5(1)洪水発生

《チェンマイ滞在記2024(5)》  2024年9月25日‐10月8日

9月25日(水)洪水発生

FBを眺めていると、タイ北部で洪水が発生していると、数日前から投稿がなされている。ついにはミャンマー国境、メーサイの市場が流されたと聞き、驚いてしまう。その昔あの市場の宿に数日滞在した日々が思い出される。実は我が宿の周辺、雨は降っているのだが、道路の水が溜まることもなく、洪水の実感は全くなかった。地元民によれば、『チェンマイは毎年、こんなものさ』とこともなげに言うので、安心しきっていた。

それでもニュースが頻発してきたので、今日は取り敢えずピン川の様子を見に行ってみた。ソンテウを拾い、『ワーロット市場』というと、普通に乗せてくれる。堀端の水位はかなり上がっているが、まだ溢れるという感じはない。市場周辺の道路も水が溜まっている場所が所々にあるだけで、問題はない。

だがピン川の様子を見ると、水位はほぼ限界ではないかと思われるほどに上がっていた。周辺の店はどこも開いており、まさにこんな物さ、という感じだった。観光客はその様子を動画に収めている。ちょうどバンコクのYさんから電話があったので、実況中継のように周囲の様子を伝えた。

市場から南へ向かう。ナイトバザール付近では、店の前に土嚢が積まれているところがある。洪水になることは想定されているようだ。その向こうの橋に行くと、その南側の水位は限界を超え、一部川沿いのカフェなどに浸水している様子が見える。やはりチェンマイでも洪水は発生していたのだ。

さらに南へ行くと、五つ星ホテルの南の道路は既に冠水しており、ここから先を徒歩で進むのは難しい状況になっていた。横の道も同様で、戻るしか道はなかった。ただタイ人の中にはサンダル履きでその水の中を歩いて行く人々がいる。この辺が彼らの日常なのだろうが、今回も例年同様なのだろうか。私には分からない。

ターペー門付近まで歩いて戻る。ふと横道に入ると、懐かしいイタリアンがあった。食べようかなと思ったが、そのまま進んでいく。すると和食屋が出てきた。焼き魚定食の文字に引っ張られて、中に入ってしまった。確か昨年1度連れて来られた記憶がある。いや10年以上前にもここで食べた記憶はある。

焼サバ定食は160バーツと安かった。あまり料金も変えていないのだろう。オーナー夫人はタイ人だが、何故かマヨネーズを2つも持って来た。日本人にはマヨネーズ、という感覚が身に付いているらしい。特別に美味しいというわけではないのだが、何だかこの定食は懐かしい味がした。その先の雑貨屋は写真スポットで、数は少ないが観光客が写真を撮っていた。

9月26日(木)床屋へ

これまでチェンマイで床屋へ行く必要はなかったが、今回は4か月の滞在なので1度は行く必要があり、床屋を探した。タイ語は読めないのだが、近所には100、という文字が入った床屋が沢山あるので、どこでもいいかと簡単に考えていた。だが朝9時台に歩いてみても、開いている店は多くなかった。

ようやく1軒見付かったので、声を掛けたが、何と150バーという。表には100の文字があるというと、『あれは子供料金だ』というのだが、翻訳ソフトをかざすと、そうは翻訳されないのはなぜ。2₋3軒聞いてみたが、どこも似たような返事で驚く。ただ面白いのはどこも英語で返事が来ることだろうか。

チェンマイ滞在記2024その4(4)雨との戦い 新規開拓

夕方まで部屋で休息していたが、どうしても食べたくなり、また外へ出る。「お粥屋」といえば、昨年紹介されてかなり歩いて食べに行った場所。忘れていたのだが、検索すると今の宿泊先からは30分以内だったので、思い切って歩き出す。夕暮れ時の交差点は何とも美しい。そのすぐ近くにあった店は、既にほぼ満席。何とか1席確保してコーラでのどを潤す。

お粥屋といっても、ある意味で夕方から始まる居酒屋。ただ日本と違って、家族連れも多く、必ずしも酒飲みだけがいるわけでないのが良い。旨いつまみを目指して人が集まっているのだ。揚げた腸と野菜炒めをお粥で流し込むのが良い。煮物もあればよかったが、何だか腹が一杯で早々に帰宅する。

実は夜オンラインミーティングがあるのをすっかり忘れていた。最近夜は遅くまで人と話しており、テンションが上がったり下がったりしている。来年のオンライン報告会をどうするか、人と話していると物事の本質が少し見えてくる。自分が頭でっかちになっていることに気づかされる。ワクワクする企画も生まれてくる。ただそれを実行するだけの気力は果たしてあるのだろうか。

9月23日(月)朝食が安い

今朝も雨が降っており、外出を控えたが、10時頃には何とか止んだので、AISに向かった。今回のシムはちょっと特殊なので分かりにくく、その確認に出向く。多少の料金払いが発生し、それを払うとなぜか水をくれた。ご苦労さん、という意味だろうか。これなら毎月水を貰いに来るか、暇だから。

朝ご飯を食べていなかったので、その付近を歩いてみる。初めて入る路地には、何故か安い宿がいくつも並んでおり、欧米人バックパッカーなどがうろうろしている。ちょっと雨が降り出してきたので、その内の一軒で雨宿りする。そこも朝食を提供していたが、なんと70バーツだというので食べてみることに。

既に多くがチェックアウトし、連泊者が洗濯機に洗濯物を入れるかどうか迷っていた。目玉焼き2個、ハムとソーセージ、サラダ、トーストが付いて、アメリカンコーヒーを入れて105バーツはとても安い。というか、これで経営が成り立つのかと心配になるほどだった。AISに行くついでにまた寄ろう。

夕方、雨を避けて外へ出る。近所の新規開拓も一段落。どうしたものかとみていると安そうな店が見えた。思い出してみると昨年の茶旅ツアーの後、この店で食事をした。まさかガイドにこんな安い店に連れていかれるとは、と驚いた記憶がある。牛雑炒めとゲーンハンレーを食べてみると味は悪くない。早い時間でも若者が次々に入って来て食べている。タイも景気が悪いのか。

9月24日(火)新規開拓に燃えて

雨との戦いは続いている。気分が晴れないので何とか転換を図りたい。検索を掛けて、今日はニーマンの外れにあるおしゃれな麺屋に行ってみる。ネットではすごく繁盛しているように書かれていたが、お客はほぼいなかった。外観からして、インスタ映えを考えた店だと分かる。

麺の種類やスープの種類が細かく書かれていて選択肢は多い。何と日本の醤油スープがあったので試してみる。イカ醤油クイッティアオ、となるのだろうか。食してみると一応ありかな、というレベル。まあクイッティアオを食べるのにやはり100バーツは払わないだろう、とも思ってしまう。

夕方、Mayaに用事があって出掛けた。ここの食堂街はかなり色々なものがあるのだが、懐かしのやよい軒に入ってみた。かつ煮定食がどうしても食べたくなったのだ。やよい軒に入るのはバンコク以来10数年ぶりだろうか。店員に愛想はなく、料理自体もチンしたような感じですごく熱い。240バーツは微妙な線を狙った価格設定だろうか。他に選択肢が無ければ仕方がないが、敢えてここに来る必要はなさそうだ。

チェンマイ滞在記2024その4(3)雨の合間の食事

9月17日(火)餃子屋さん

タークから帰ってきた。夕方腹が減り、近所を徘徊する。先日見掛けた餃子屋が気になる。金餃という店名だろうか。何となく台湾を謳っており、滷肉飯などがメニューに載っている。何より驚くのが正確な日本語の表示がある。一体どんな人がやっているのか、興味津々で入ってみる。

早い時間だが店には客が二人いた。店員と客は完璧な中国語で話しているが、台湾系という感じはしない。聞いてみると雲南から来た人々らしい。日本人客も多いので、日本語を書いてもらったという。滷肉飯は大盛りで、味はやはり台湾とは違う。餃子は確かに美味しいが、大ぶりだ。気が付けば今日は中秋節、チェンマイでも月餅が売られているが、あまり食べる気にはならない。

9月19日(木)朝からサッカー

今朝は早く起きて、女子サッカーを見た。U-20、日本対オランダだった。日本の女子も年々技術が向上してきて、見ていても楽しくなってきた。この年代だと、ヨーロッパの一流国にも引けを取らない動きが見られる。結局日本が勝って決勝に進んだが、相手は宿敵北朝鮮。一体なんで北朝鮮はこんなに強いのだろうか。これからの女子サッカーはアジアが上位を占めていくのだろうか。

PCの前から離れて外へ出た。相変わらず近所のカオソイ屋には行列が出来ている。私はそれを無視して、いつものカオマンガイ屋のカオソイを頂く。味にそれほど差はないし、値段も変わらない。サービスはこちらの方がずっと良い。何であんなに並ぶんだろうと思うが、今のインスタ映えの世界では仕方がないのだろう。ただ通行の邪魔にならないようにしてほしいと願う。

9月20日(金)客のいない店

何だか雨季が長い。晴れ間が少なく、洗濯のタイミングにも困ってしまう。急に雨が降り出したり、気温が下がってきたりで、体調にも微妙な影を落としていく。雨が降っていない時を狙って、食事を食べに行くのだが、これでは運動も足りていない。一日中PCに向かっていると、頭も痛くなる。

昼は少し遅めに出掛ける。麺が食いたい、という衝動にかられ、近所の鶏麺屋へ向かう。ここは去年発見して1度だけ来たことがあったが、美味しかった印象がある。メニューを見て、適当に指差しで注文したら、何とコラーゲンたっぷりの鶏の脚が入ってきた。よく煮込まれていて柔らかい。これで55バーツは有難い。

夕方また近所をフラフラ。雨が怖くて遠くまで歩いていけないが、運動不足も解消したいと、少し遠出した。これまで入ったことが無い店を新規開拓しようと考えたのだが、その店はかなり大きいのに、お客は一人もいなかった。偶にテイクアウト客が来るだけ。恐らくコロナ前に中国人観光客を当て込んで店を広げたが、完全に外れたのだろう。料理もまずくないし、料金も手ごろなのに、ちょっともったいない。

9月21日(土)久しぶりの店

土曜日は昼前にパン屋に行く習慣がある。日曜日が休みだからだ。その帰りに美味しい麵屋に寄る。ここは華人の店だが、麺がモチモチで、スープの出汁が美味い。昼時は席がないことも多いので、食べたいときは早めにアクションを起こす必要がある。やはり同じ50バーツであれば、美味しい店に通うだろう。ご主人は英語も話すので、有り難い。

チェンマイ滞在記2024その4(2)チェンマイをフラフラ

9月11日(水)マック

今朝も雨が降っている。雨期なので仕方がないが、洗濯も出来ずに困ってしまう。いよいよ困ったら、洗濯屋さんに出せばよいのだが、折角10バーツコインを貯めているのだから、下の洗濯機を使いたいものだ。そして食事に行くのも困ってしまう。雨に濡れないように、止んだ時を狙って、急いでいく。今日の昼はカオマンガイになる。

何だか最近雨が多い。昨年もこの時期からチェンマイに住んでいたが、何かが違うようだ。夕方小腹がすく。そうなるとマックへ行く。これも一つのルーティーン。相変わらず99バーツセットは、チェンマイ大学医学部の横のマックにはある。フィレオフィッシュを偶に食べるとなぜか美味い。元気が出る。

9月12日(木)チケットを買いに

週末はミャンマー国境へ行く予定になっていた。バスチケットはネットでも買えるのだが、いつものことながら、何だか心配になり、バスターミナルへ買いに行くことになる。Boltで車を呼んでいくのだから、何ともバカバカしいのだが、安心感はある。通称アーケードと呼ばれるメインバスターミナルまでは、車に乗ってしまえば15分ぐらいで着いてしまう。

今回の目的地はメーソット。これもグリーンバスの売り場に並ぶ。当初聞いた時は1日1本、午後スタートしかなかったが、ここへ来て見ると午前9時発の便があった。週末だけかもしれないが、こういうのが現場に来る利点かもしれない。バス代は意外と高いが、シートは快適そうだ。

チケット購入が終わると特に用事はないので、フラフラと散歩を始めた。ターミナル周辺をよくよく見たことはなかったが、立派なお寺があり、そこに隠れるように宿もあった。ちょっと楽しくなり、歩き続けていると、途中にいい感じの食堂があった。如何にも華人系の店で、旨そうな豚足を見てしまい、思わずランチとなる。こういうのがいい。

暑いのにその後も歩いていると、川の東側には、高級ホテルやリゾートマンションなどが並んでいることを知る。そしてなんとピン川まで歩いてしまう。何となく水が多いなと思う川を渡り、旧市内へ入ると、今度は何となく華人系の店が目に付く。その辺を曲がると、日本語エリアもあった。『全盛期』という、どう見ても全盛期を過ぎた店がある。『Wazato』とローマ字で書かれると、『わざとらしい』を思い出してしまう。ソンテウを拾って散歩は終了した。

かなり疲れたので休んでから夕方食事に出た。腹が無性に減ったので、いつも行く食堂で、いつもより多めに注文して思いっ切り食べた。気持ちよく食べていたら、何だかすっきりした。最近食が少し細ったように感じていたので、サクサク食べているだけで、気持ちに反映するのだろうか。この食堂、オープンエアなので蚊に刺されるのは嫌いだが、味は悪くない。

9月13日(金)雲南朝市へ

昨日に続いて朝から遠出した。Boltを呼んで、雲南朝市に出掛ける。昨年1度だけ行ったチェンマイ中心のモスクの脇で開催される市場だ。出店数はあまり変わらないが、何となくお客が少ないような気がする。やはり中国人観光客の数が伸びていないのではと思ってしまう。

売っている物も特には変わらない。中秋節が近いので月餅などが並んでいるぐらいか。食べ物を売る店は結構混んでおり、席を見付けるのが大変だった。雲南麺はクイッティアオを食べて続けていると、ちょっとホッとする味だ。スパイシーでないのは、ここがタイだからだろうか。

食後、ちょっとモスクを見て散歩する。いつの間にかターペー門を越えて城壁内に入り、ワットチェンマーンに辿り着く。ここはチェンマイで最初に出来たお寺と言われており、なぜか私のお気に入り。今回はまだご挨拶にも来ておらず、ゆっくりと拝観することにした。帰りにAISショップで、先月買ったシムカードの支払いを確認したが、イマイチよく分からない。まあ、使えているからいいか。

チェンマイ滞在記2024その4(1)雨季のチェンマイでふらふら

《チェンマイ滞在記2024(4)》  2024年9月7日‐9月24日

9月7日(土)焼き魚

香港から何とか帰国したが、疲れが出ていた。まさかシグナル8に遭遇するとは想像もしていなかった。香港には雨季があるかもと考えたことはない。チェンマイは相変わらず雨季のようで、曇っていたり、雨が降ったり、あまり心が晴れない日々が続いている。

今朝も朝は晴れていたので、買い物に出て、パンとフルーツを買い、牛肉麺を食べて帰る。最近はいい意味で安定した生活、悪く言えば変化に乏しい生活が続いていると感じてしまう。そして週末はスポーツなどが見られれば、それで午後をつぶしてしまい、歴史の勉強は一向に進まない。

気分転換しようと思い、先日行った和食屋に出向いてみる。夕方早い時間なのでお客はまばら。ここで鮭塩焼き定食を注文してみる。ドリンクは無料なので、緑茶を飲みながら待つ。何だかとても言い感じの鮭がやってきてテンションが上がる。日本でもなかなか食べない種類(自宅で偶に食べるか)のものだ。モリモリ頂く。気分がすっきりした。夕暮れ前の空が実にきれいな雨季のチェンマイ。

9月9日(月)

ミャンマー料理とお茶屋

なんとなく散歩していると先日も入った店の前を通りかかり、華人と思しきおばちゃんがいたので、また入ってしまった。オーダーは料理を指さし。イカのカレー炒め、たまご炒め、煮卵等がとても美味しい。スープとご飯が付いて、これで75バーツなら御の字だ。幸せなブランチにありつく。

午後は暑いので部屋で物書き。全然進まない。夕方ニーマンの方を散策していると、思い出したようにミャンマー料理屋が出てきた。茄子の煮込みが旨いんだが、もうちょっとパンチが欲しいような気もする。豆のスープは相変わらず美味い。これでブランチより安いのなら、文句はない。もっと通わなければ。

食後ブラブラしていると、ちょっと和風の装飾が見えた。カフェのようだが、完全な和を基調としている。畳の小部屋もあり、茶道でもするのだろうか。抹茶などを売っているらしいが、顧客の対象は勿論日本人ではなく、欧米人らしい。そこへタイの若者なども興味を持って入ってくるという構図だ。まあスタバでコーヒーを飲んだと思えばよい料金なので、気軽に入ってくる客はいるだろう。

9月10日(火)パッタイ屋でパスタ

いつもニーマンの方に歩いて行く時、ちょっと気になる小さな食堂があった。先日訪ねてみたら、女性が出てきて『今日は夕方からお休み』というので、今日は昼に行ってみる。なぜか欧米人が多く入っていくのだが、看板にはパッタイの店となっている。中に入ると結構おしゃれな造りで、バーのような感じもある。

メニューを見るとパッタイもあるが、パスタが何種類かある。白人さんはこれを目指してきているようだ。私もパッタイを捨てて、パスタに走ることになる。いい感じのパスタが出来上がってきた。ちょっと塩気が強いのは、そういうものなのだろうか。コーラを飲みながら、パスタを頬張った。次回はパッタイに挑戦してみよう。

夕方Mayaに用事があり、小雨の中を歩いて行く。何となく腹が減ったが、フードコートの気分でもなく、はちばんらーめんに突入した。今回は五目ラーメンと唐揚げを注文してみる。ラーメンは相変わらず優しい味であり、唐揚げは相変わらず、ラーメンを食べ終われないと出て来ない。まあ、そんなもんさ、と何度言ったことだろうか。Asian Booksがあったので本を見てみたが、目が悪くなっていて、良く見えず、すぐに退散した。