さて、駅前から寺までは相当距離がある。ソンテウのおじさんが近寄ってきたが、400バーツというので、一旦退けて、Grabなどで検索してみる。だが片道180バーツと出ていたので、ソンテウで行くことにした。車は郊外に向かう幹線道路を走った。交渉でもう一か所、寄ってもらうことにしていたので、まずはそちらへ向かう。
ナレースワン大王記念碑、という場所に着く。非常に新しい作りで歴史感はないが、英雄像が立っており、その周囲は鶏と象で囲まれているのが、如何にもという感じだ。検索してナレースワン大王の歴史を見ると、アユタヤ朝『救国の英雄』として、ラームカムヘーン、ラーマ5世と並び、「タイ三大王」に数えられている。説明書きは全てタイ語でよく分からず、ちょっと周りを散歩する。池の向こうは地質学院と書かれているが、この辺りで地質調査が行われているのだろうか。
そこから20分ほどで、目的地ワット・ルアタート・ランパーンルアンに到着した。思ったよりはるかに立派なお寺だった。駐車場のところに銀行のATMが3台もあったのは、お布施の用意のためだろうか。脇の方から入っていくと、敷地はかなり広く、本殿までは結構遠い。結局横から入ることになり、まずは裏へ回ると、展示館があった。タイ語だけなのでよく分からない。ただ展示品はかなり貴重な雰囲気がある。
本堂付近に進むと、かなり古めかしい仏塔があり、一周する。本堂にはいい感じの仏像が並んでおり、壁には前日博物館で見た壁画がそのまま残っていた。この寺の歴史、古さが分かってくる。やはり由緒が違うのか、このお寺には参拝者が多い。どの辺がランナー文化なのかは、不勉強でよく分からず。再度勉強して出直すべし。最後に門から荘厳な階段を下りる。そこにはランパーン名物の馬車がお客を待っていた。
運転手を起こして車が走り出すと急に雨が降ってきた。それでも運転手は『この寺も見ていけ』と車を停めるので、途中ちょっと見学する。ランパーン駅まで戻ると雨は完全に上がっていた。ソンテウと別れて、一人歩き出す。駅前の道を行くと、漢字が目に付く。古廟などもあり、この付近は完全に華人の街だった。
その辺で普通のクイッティアオを食べて腹を満たすと、街歩きを始めた。ランパーンにはランナー文化が色濃く残っていると聞いたが、どこにあるのかよく分からず適当に歩く。途中の学校は完全に中国の支援を受けている。公園も中国系で整備されてきれいだ。100年前のお寺に行ってみると、何となくビルマ系の雰囲気だった。確かに街中に木造の古い建物はいくつか見られた。
フラフラ歩いていると、家から出てきたおじさんと目があった。何と向こうから英語で話し掛けてきた。恐らく華人だろうが、中国語を使うべきか迷い、そのままちょっと英語で話して別れた。町を一人で歩いている外国人は珍しかったのだろうか。もうちょっと話を突っ込んで聞けばよかったと後悔。
それからお寺にちょっと寄り、鉄道が近くを通る市場へ行ってみたが、もう終わっていた。その先に黒橋、と書かれた鉄橋?があり、鉄道公園になっていた。どうやらこの橋は第2次大戦中、日本軍が架けたらしい。突然現代史が出てきてビックリする。戦時中ここでは一体何が行われていたのだろうか。折角なので駅の方へ向かって線路沿いを歩くと、貨物列車がやってきて、気分が出る。