ある日の台北日記2023その3(1)モスク、眷村、そして萬華へ

《ある日の台北日記2023その3》  2023年4月29日-5月4日

4月29日(土)清真寺から図書館へ

日本はゴールデンウイークに入ったようで、台湾に旅行に来る人が増えていると聞くが、私の周囲では特に動きはない。今日は歩いて大安森林公園を通り過ぎ、その向こうに建つモスクを見学する。約100年前に建てられた、かなり立派なモスクであり、台湾にもイスラム教徒が多いことが見て取れる。ここに来る教徒は回族なのだろうか。その横にはこれまた立派な教会もある。この地区はどういうところなのだろうか。

そこからバスに乗った。図書館へ行こうと思ったが、そのバスはいつも行くMRT駅ではなく、反対側に行くものだった。如何にも下町といった風情だったので、少し歩いてみる。市場を抜けると、そこに羊肉炒麺があったので手を出してしまう。何だか食べてばっかりで怖くなるが仕方がない。

図書館の裏手は、大きな公園になっていた。週末で家族連れが遊んでいる。そして図書館に吸い込まれ、いつの間にか時は過ぎていく。今日も台湾茶の歴史、そして日本茶の歴史について、大いなる成果(疑問)が湧き出してきて怖い。歴史というのは掘れば掘るほど分からなくなる。先日S夫人に教えてもらった古いお茶屋のルーツなど、実に興味深い人物が浮かび上がってきた。

4月30日(日)

四四南村から萬華へ

日曜日のお散歩。途中で広東式三宝飯に引っかかり、食べる。偶に食べるととてもうまい。もうすぐ香港に行くのだから、ここで食べなくても、などとは決して思わない。そのまま101を見上げながら東の方へ歩いて行く。そこには公園があり、四四南村と書かれていた。所謂外省人が住んだ眷村を保存しているところだという。

敷地は意外と広く、中央にはイベントスペースがある。週末なので、出店者が思い思いに店を出しており、家族連れなどが足を運んでいた。だが建物内にある展示に目を向ける人は少ない。この地にあった眷村とそこに住んだ人々の歴史への関心は薄い。なぜ、どのような過程を経て、彼らはここへやってきたのか、そしてどんな生活を送ったのか、を知ることには意味があると思うのだが。まあとにかくこんな一等地を歴史保全に使うのはさすが台湾ではないか。

信義路をとぼとぼ歩いて行くと、かつやがあった。その向こうにはお馴染みのすき家、そして道路の反対側にははま寿司が出店している。以前から台北には日本の外食チェーンが多く出ていたが、コロナで拍車がかかったのだろうか。代金も日本より少し高い程度なので、台湾人も行きたいと思うのだろうか。

午後は龍山寺へ行く。MRTで降りるのは何年ぶりだろうか。公園にはたくさんに人が憩っている。噴水の水がきれいに上がる。龍山寺にはかなりの観光客が来ており、台湾のインバウンドも回復基調を鮮明にしている。私も数年ぶりに中に入り、お参りする。占いをやっている人々が真剣だ。

そこから指定されたカフェに向かい、久しぶりに呉さんと会った。このカフェ、かなりおしゃれでデート用かな。呉さんはまだ若いので、私の知らない台湾を見せてくれる。コーヒーは厳選されており、名物のプリンは何とひとテーブルに1つしか提供されない。私は呉さんと半分ずつ食べる。なんだかおかしい。

彼の祖先は100年以上前、茶業組合の関係者だった。その縁で知り合ったのだが、彼自身は歴史好きで、生まれた萬華の歴史に精通している。今日は彼に萬華を案内してもらい、その歴史を吸収しようとやってきたわけだ。出来れば萬華に古い茶荘があるかどうかも確認したかった。

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