シベリア鉄道で茶旅する2016(18)快適なステーションホテルに泊まる

6. クラスノヤルスク
ステーションホテル

いつものルーティーンはなかった。駅に着いたら、切符売場へ直行して次の切符を買う、ということは今回なかった。実はイルクーツクですでに2日後のモスクワ行の切符を手に入れていた。この担保があって初めて、クラスノヤルスクで2泊するという、この旅始まって以来の長期滞在が可能となった。まずは駅のカフェで腹ごしらえ、と思ったが、イルクーツクのような立派なカフェはなく、小さなカフェがいくつか地下にあった。食べ物も殆どなく、お茶だけ飲んで休んだ。朝からビールを飲んでいる人もいる、というのがちょっと異様だった。その内、店内が混み始め、我々は邪魔な存在となり、出ていく羽目に。

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そして次にホテルを探すわけだが、繋がっていたスマホのネットが切れているので、何とかお金をチャージして復活させていたいと考えた。すると地下のATMのような機械の前で、何人かがさっとお金を入れている。見ると、携帯のチャージも可能のようだったのでチャレンジした。ロシア語が読めない中、何とかチャージに成功した。ネットが復活し、それでホテルを探したのだが、地図を見てもロシア語しか書いておらず、どこへ行けばよいか、駅から近いホテルはどこか、結局よく分らなかった。

 

そんな中、駅にレストルームという表示があったことを思い出し、そこを探すと、駅の一番端にホテルのレセプションのようなところがあった。立派なロビーがある。そこへ行って聞いてみたが、何と英語が一言も通じなかった。その横からホテルを覗こうとすると、係のおばさんが厳しい顔で『ニエット』というではないか。とにかくチェックインしろ、というのだ。しかしこのレストルームの使い方が全く分からない。Nさんが悪戦苦闘の末に得た答えは12時間単位で部屋が借りられること、3人部屋が存在することだった。まずはチェックインしてみる。

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3階のその部屋は、結構広い空間で清潔感があった。駅の簡易宿と思い込んでいたので、ちょっと意外な喜びがあった。まあ、まずはシャワーだろう。熱いシャワーを広いバスルームでゆっくり浴びられる幸せ。これは経験者しか分らない感覚かもしれない。至極の時間だ。窓の外には駅舎や駅前がよく見える。ここは本当に便利で、かつ居心地も悪くない。他の駅にもあったら、是非泊まりたいと思う。皆思い思いに、時間を過ごす。Wi-Fiもあり、ネットも繋がるので、何となくPCを見ている。やはり何十時間もPCを見ない生活は殆どないので、どうしてもPCから離れられない。依存症か。

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エニセイ川を渡る

昼前に出掛けることにする。まずは腹ごしらえ。皆まったりしてしまい、朝ご飯を食べていなかったが、部屋が暖かく、満ち足りていて、外に出たくなかった。いくら列車で寝られるとは言っても、やはり揺れないベッドで寝たいのだ。S氏やNさんはシャワーのついでに洗濯もしていた。この2人は、本当に驚くほど荷物が少なく、まめに洗濯している。因みに私は洗濯が嫌いで、着替えを沢山持っており、3人の中では一番荷物が多い。どこまでも旅人になり切れない。

 

駅前はすっきりしていた。バスが沢山走っているが、どこへ行くのかは皆目わからない。その駅前のカフェに入る。結構きれい。お二人は早速ビールを頼む。私も腹が減っていたので、焼いた鶏肉にピラフ(何となくミャンマーのダンバオを思い出す)、更にはサリャンカという肉のスープを注文した。この3つとも実に美味しい。これだけ食べても日本円で500円ぐらいだから、安いと言わざるを得ない。

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食後、雪も止んでいたので、街歩きをする。3月のこの季節にしては暖かいのだろうか、道路の雪が解けかけており、歩くのが大変だった。暖かいとは言っても氷点下ではあるはずだが、地元女性はハイヒールにスカート、ちょっと信じられない格好で歩いていく。慣れているのか、我々はハイヒールに抜かれてしまうのだ。信号機を指してS氏が『この信号機、薄いね』という。恐らくは雪が積もらないように設計されているのだろう。その前にある教会は実に立派だったが、やはりかなり尖った感じの建物であるのは、雪への対策であろうか。

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この街も古びた家がいくつも残されていたが、プレートを見る限り、1900年前後のものだった。シベリア鉄道が開通した頃のものだろうか。そしてついに川辺に出た。エニセイ川、世界で5番目に長い河である。この付近、雪が積もり、川は凍結しているように見えたが、近づいてみると、一部川が流れていた。一年中凍結しないのか、既に解け始めたのか。簡単に歩いて川を渡れると思ったが、大いに甘かった。万里茶路においては、なぜ茶葉を馬ぞりなどで冬に運ぶのか、川は使えるのか、などが重要な問題なのだが、どうだろうか。

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