ナムサン茶旅2016(5)停電のヤンゴンからネピドーへ

食事が終わっても、なぜかショッピングセンターに戻ってきた。何か買い忘れかと思っていると、先ほどのチーズタルトの店で働いている運転手の娘を一緒に乗せて帰るためだという。本当に面白い。TTMは運転手にとってあくまで客であるはずだが、すでにもう家族のような付き合いになっている。このあたりが、TTMの独特に感性というか、人情というか、このような行動が、人の縁を生み出し、色々なものに繋がっていくのだろう。見習いたい。

 

店は開店したばかりで、バイトといえども、忙しいらしく、彼女はなかなか仕事が終わらなかった。それでもみんな、アイちゃんをあやしながら、ちゃんと待っている。特に遠慮というものもなく、ようやくやってきた彼女も至極普通に車に乗り込んだ。日本なら、恐縮してしまい、大変だろうが、この軽やかさが嫌いではない。その夜、家に到着すると、遅くにもかかわらず、買ってきたチーズタルトを頬張ってから寝た。とても濃厚な味だった。

 

1月26日(火)

停電

その夜中、なんだか外がうるさいなと思っていると、激しい雨音だった。まあそのうち止むだろうと寝ていたが、むしろ音は大きくなり、屋根をたたきつけており、雷まで鳴り出した。今は雨期でもなく、雨もあまり降らない時期であるはずだが、どうなっているのだろうか。狂ったような夜来の雨に追い込まれ、ついにぐっすり寝ることなく、朝を迎えてしまう。

 

今日はシャン州へ出発する日。午前6時にTさんが車で迎えに来てくれる手はずになっていた。だが外は真っ暗、この付近一帯は完全に停電していた。起き上がって下の階に降りようとしたが、暗くてよく見えない。すると横の部屋からTTMがスーッと出てきて、蝋燭をかざしてくれた。ヤンゴンがいくら発展したといっても、いまだに時々停電はある。停電慣れしている国民はこういう時になんとも強いし、何よりも落ち着いている。トイレに行くにも蝋燭がいる。

 

蝋燭の火を見ながら、朝のお茶を飲んだ。非常事態なのだが、なぜかまったりしてしまう。それにしても、この分りにくい迷路のような住宅街で、Tさんはこの家を探し当てることはできるのだろうか。実は昨年一度昼間の明るい時に、私を送ってここまで来てくれたことはあるのだが、なんとも心配だ。というより、市内が大洪水にでもなっていれば、ここまで来ることすら難しい。

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昨日買ったシムカードで電話を掛けると、幸いすぐ近くまで来ているという。市内はそこまでの被害はなかったようだ。家の外を照らしてみると、水はある程度溜まってはいるが、洪水というほどではない。私が前回ここに泊まった時には、本当に洪水のような状態になったこともあり、それに比べれば、外に出られるレベルであった。そしてTさんもなんとか、家にたどり着き、荷物を積み込み、出発できた。しかしどうみても波乱の幕開け、これは未だ予兆に過ぎなかった。

 

朝早い時間、ほとんど車の走っていない道路を行き、マンダレーまで行く高速道路に入る。ここまで水が溜まっているところもあったが、概ね問題はなかった。雨も止んでいる。高速道路も相変わらず、車がほとんど見られず、快調そのもの。先ほどまでの洪水騒ぎがうそのようだった。

 

最初のサービスエリアに入って、朝食を食べる。麺を頼んだが、腹が減っていたのか、美味しく感じられた。道路には車が少ないのに、サービスエリアにはそこそこ人がいる。いつも不思議に思う光景だった。必需品であるトイレットペーパーを忘れたので、買いたいと思ったが、ショップには歯ブラシなど日用品は売っていたが、トイレットペーパーはなかった。なぜだろうか?

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2.ネピドー

中華系食堂でランチ

11時にはネピドー着。ここまで約5時間、順調だった。前回ネピドーに寄り道したときは、ちょうど1週間後にサミットを控えており、街に入る際の検問も厳しかったが、今回はノーチェック。そして相変わらず、人が道を歩いている姿など全く見られない。いつみても不思議な人工都市だった。

 

ここでランチを食べないと、食べるところがないというので、早めのランチに行く。だが前回も困ったのが食事。食べるところがなく、ショッピングセンターの中のチェーン店で食べたがイマイチだった思い出がある。Tさんはその後も、仕事で何度もここを訪れており、いいところを見つけたという。

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そこは街から少し外れた高台にあった。メニューを見るとなんと中国語が書かれている。内容も中華料理が多い。そしてネピドーのレストランの値段がヤンゴンなどに比べても相対的に高い中、かなりリーズナブルだ。Tさんが頼んだ揚げ魚はウマかった。ご飯が進む味だ。店内もきれいで気に入ってしまった。お客も中国系の人だけではなく、ミャンマー人も来ており、繁盛している。オーナーは中国系なのだろうか?

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