トルコの茶畑を訪ねて2012(3)イスタンブール ボスポラス海峡を渡り、サバサンドを食べる

ハレムカラジュ

アヤソフィアから海へ向かって歩いて行く。昨日使ったトラムに沿って歩くと迷わない。途中で携帯のシムカードに料金を追加。携帯屋に入ったが、ネットカフェに連れて行かれ、無事入金。面白いし、皆親切だ。

ヨーロッパ側の港へ到着。ここからアジア側へ渡る。ハレムカラジュが目的地だ。何故ハレムカラジュか、それは「深夜特急」で沢木耕太郎がこのフェリーに乗ったから。そして美味そうにサバサンドを食べていたからだ。フェリー代は3リラ。

結構大きな船。車も運ぶようだ。2階へ上がり、キョロキョロすると、売店があったが、残念ながらサバサンドは売っていない。仕方なくパンとチャイを注文。潮風に吹かれながら気分を出そうとしたが、ちょっと違ったかな。

対岸まで15分程度だが、ボスポラス海峡の雄大な景色、きれいな風景が見られて満足。これでようやくアジアが少しは味わえるかと思ったが、うーん。対岸、アジア側もアジアとは名ばかりで、やはりヨーロッパの雰囲気。ターミナルから高台へ上がってみたが、石畳の街並みはヨーロッパ。そして何故か、アコーディオン弾きが登場し、誰もいない住宅街で悲しい音色を響かせる。

ターミナルへ戻り、バスのチケット売り場を覗く。当然ここからバスに乗ってみたくなる。沢木はアンカラからここへバスで辿り着いたのだ。バス会社は沢山あったが、「カッパドキ」行きを見付けるのに苦労した。チケットは65リラ。明日夜9時にここに来い、ここから別のバスターミナルへ行き10時過ぎに出発、翌朝8時カッパドキア着だ、と乱暴にわれるが、言葉があまり通じないので取り敢えず押されて買う。後にホテルで聞くと、ホテルで買えばホテルまで迎えに来てくれたのに、と残念そうに言うが仕方がない。

そして特にすることも無くなり、ハレムカラジュを離れる。元来たフェリーで戻る。何となく寂しいアジア散歩となる。

サバサンド

ヨーロッパ側に戻ったが、どうしてもサバサンドが食べたくなる。またガラタ橋まで歩いて行く。橋の向こう側にはサバサンド専用の小舟が三艘停まっており、大勢のお客で賑わっていた。

1つ5リラでサバサンドを買う。周囲にも香ばしいサバの焼けるにおいがする。焼サバをパンに挟むだけ、後は玉ねぎとレタスが入るぐらいの簡単な食べ物がどうしてここまで美味しいのか。近くの丸テーブルに腰掛けると、若者がやって来て、あっちへ行け、という。どうやら3軒の店に縄張りがあるらしい。どこが美味いのか比べてみたい。

ようやく買った店の丸テーブルに座り、食べ始めると、向かいで食べていたオジサンが黙ってピクルスを差し出す。有難く頂く。何て親切なんだ。これがトルコ人か。このピクルスの酸っぱさがまたサバに合う。良く出来ている。更にはテーブルの上に2つのボトルが。1つはドレッシングだが、もう1つは塩。トルコ人は塩好きだと聞いたが、確かに盛んに塩を振る人々がいた。我々には十分塩気のあるサバサンドに更に塩を振る、健康に悪そうだ。

それから歩いて、イスラムのマーケットへ行く。ここにお茶屋があると聞いたので行ってみたが、言葉が通じない。リゼのお茶、チャイクルのお茶が置かれていたが、それ以上は分からなかった、残念。


   

トルコ名物延びるアイスクリームにも挑戦したが、味はそれほど良いとは言えない。何だか5リラも取られて、損した感じだ。それならサバサンドをもう一つ食べた方が良かった。

9月22日(土)   気持ちの良い屋上で朝飯

翌朝はいい天気だった。こんないい天気に1階の暗いロビーで朝食というのも何だなと思っていると、このホテルには屋上があることが分かり、パンとサラダを持って狭い階段を上がる。

ビルが小さいので屋上も狭い。だが、ここからもマルマラ海が一望でき、素晴らしい景色が広がっていた。昨日の雨でテーブルとイスは少し濡れていたが、気にならない、それくらいいい気分になってしまった。

この環境で食べる朝飯、美味い。昨日と全く同じメニューなのに、何故か味が全然違う。人間は一体何を食べて味覚を感じるのだろうか。食物だけではなく、空気も一緒に口に運ばれ、更には視覚でも食べていることが良く分かる。

良い空気を吸って気分爽快になったが、旅はそうそう良いことばかりではない。当初はドミトリーを一人で占拠していたが、昨日部屋を替わると、物凄く狭い所となった。ドアを開けるとベッドとぶつかる、シャワーとトイレはほぼ一体。これがイスタンブールの格安ホテル事情だ。

それでも小さな窓の向こう、隣の屋根に泊まる鳥、何だか小さく救われる。早々に部屋をチェックアウトして、街へ出た。

オリエント急行の終着駅

昨日同様歩いて海峡付近へ。駅があった。気になっていたので今日は行って見る。シルケジ駅、1890年に駅舎が完成したあのオリエント急行のトルコの終着点であった。なかなか雰囲気のある建物。

オリエントエキスプレスという食堂がある。こんな所で食事をすると気分が出そうだ。飾り窓のある待合室もある。相当に暗い中、光が窓から差し込む。いい雰囲気がある。最近オープンしたという博物館には鉄道関連の展示物がある。

あのアガサクリスティが『オリエント急行の殺人』を発表したのは1934年。アガサは夫の仕事に同行して何度もオリエント急行に乗ったというが、やはりここに到着したのだろうか。ヨーロッパ人のオリエントへの思い、憧れが詰まっている街、それがコンスタンチノープなのだろう。

周囲には沢山の人が、低い椅子に座り、チャイを飲んでいた。この仲間に入りたかったが、何となく入りかねた。そこには常連だけが許される何かがあるような気がした。駅舎の外壁工事も進んでいる。

駅に新しい電車が入って来た。今はイスタンブール付近を走るだけのローカル列車。今でもブカレストやベオグラードへ行く国際列車も運行しているようだが、とてもそんな感じはしない。静かなローカル駅である。





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