インド アユルベーダの旅(4)プネー 村の暮らしとガンジー

ミルク農家と年1回の仲直り

さすがにホテルから家までは疲れたのでリキシャで戻る。2匹の犬が我々の帰りをそれはそれは喜んで迎える。こんなに歓迎されるのはかつてない。この犬は人間以上に感情表現があるようだ。夫人は昼寝、ということで私も昼寝した。

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夕方になると夫人が『村を歩こう』と連れ出してくれた。行った所はミルク屋さん。毎日ここからミルクを調達し、チャイを作っているというので行ってみると、何と牛が何頭も飼われていた。やはりここは農村なのだ。今日のミルクで作られたチャイを頂く。夕暮れが妙に似合っていた。

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地主さんの家にも行ってみた。街造り農地を売り、セメント屋を始めたというが、生活に非常にゆとりがあり、裏ではまだ野菜なども植えている。『一番興味があるのはヨーガ』という言葉が印象的。中国の様な金儲け、経済発展とはちょっと違う。これがインド流?

 

帰りがけに声を掛けられて、何やらある家へ。そこには近所の女性数人が集まり、おしゃべりしていたが、この家の女性が全員に何かを配り出した。夫人によれば、『これは年1回の儀式』だそうで、村の中で何かもめても、年1回、手打ちの会を開き、水に流すらしい。この辺も日本の昔の農村にあった習慣ではないだろうか。

 

コラム ⇒ http://www.chatabi.net/colum/379.html

 

カンジーフィロソフィー

その夜、夫人との話の中に『カンジーフィロソフィー』という言葉が出てきた。ガンジーは勿論インド独立の父。彼の考え方を信奉する人々がいるということ。夫人とご主人である教授もこの考え方を取っている。この半農村での生活、文明的な生活を抑制するのもこのためだと思われる。

 

ただガンジーの考えと言っても色々とある。例えば非暴力であり、菜食主義(殺されるのを嫌がっているものは食べない)、禁欲主義などである。この考え方を原則として実践していく、これはかなり大変なことだと思うのだが、道理としては通っている。

 

60数年前に暗殺されたガンジーだが、その思想は今でも広く支持されている。ただ人間の欲望をうまくコントロールして、平和な社会を作ることが如何に難しいかは、現在の国際社会がそのまま証明している。

 

ゴレ家に滞在して、我々は色々なことを考えないといけない、と感じる。今や人間は『自然に生きる』とか『自然と共に生きる』ことが如何に難しいか、言葉で言ってみても始まらない。日本社会がかなり軽く見えた一瞬だったかと思う。

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