ある日の台北日記2023その4(4)久しぶりに青田街へ

5月16日(火)青田街へ

今日は昼過ぎに青田街へ向かった。ここは以前時々来ていた、日本時代の建物が残る場所。今もその雰囲気は各所に残っており、更には古民家を活用したカフェなども増えており、ちょっとお茶するにはいい所かもしれない。ただ平日の午後ということもあり、歩いている人は殆どいない。

Hさんが待ち合わせで指定したカフェへ行く。ここは最近流行りの書店カフェ。聞けばオーナーは出版社をやっており、その打ち合わせなどにも使われているらしい。Hさんが来るまで本棚を眺めてみたが、何だか読みたくなってしまうような本が並んでおり、ちょっと驚く。

Hさんとはもう10年位のお付き合いになる。最近はどんどんビックになり、多方面で活躍しているので、なかなか話を聞く機会がなかったが、わざわざ時間を空けてくれたのは有難い。しかしここでも私はお茶の歴史話に余念がない。それに付き合ってもらって、しかも色々と示唆に富んだ話をしてくれて、本当に有り難かった。時間はあっと言う間に過ぎてしまったが、今後も時々はこのような時間があるといいな、と思ってしまう。

帰りはバスに乗って行く。ふと窓ガラスを見ると、セクハラ&盗難防止ベル?なるものが設置されている。私は初めて見たが、いつからこんなものがあるのだろうか。そして正直この、非常ベルと同じように囲われたベルは有効に使われているのだろうか。私は満員バスに乗ることもほぼないので、その実用性についてはつい疑ってしまう。

宿泊先に荷物を置いて、すぐにまた外出した。今晩は大稲埕で約束がある。MRTに乗り、大稲埕公園を目指した。この公園自体はどうということはないが、一応記念碑が建っており、大稲埕の沿革が紹介されているので、外せない。そこからちょろちょろと周囲を見ながら歩いて行く。

既に暗くなった6時半に、同安楽に着いた。ここは4年ほど前紹介されて一度来たことがある。実はここの先祖は茶商だったこともあり、大変興味を持っていて、現在のオーナーに連絡を取ったのだが、残念ながら不在だった。一応予約はしていたが、行ってみると他に客はなく、本当に静かな場所だった。

お茶を飲みながらゆっくり福建料理の食事をした。料理はセットなので、まとまって出てきた。食後にデザートとお茶を楽しむ。ご一緒したIさんとは北京時代の知り合いで、ちょうど彼女が台北に赴任したと聞き、声を掛けた次第だ。北京駐在時代は実に様々な人々と出会ったのだな、と話しながら思う。

5月17日(水)陳さんが来た

今日は台中の陳さんがわざわざ台北に来てくれた。彼は台湾紅茶の歴史を真剣に調べている人で、日本語も出来、私の書いた文章も読んでくれている。こういう人が現れることが茶旅活動では何より嬉しい。しかも来月は魚池の茶業者と共に来日し、一緒に東京と高知を回る予定になっていた。

私の宿泊先で話をした。まず前半は訪日スケジュールの調整だ。これが簡単なようで意外と大変。それでも台湾の人たちは日本に慣れているので、宿から交通手段まで、自分たちで何でもできて助かる。何だか来月が待ち遠しいが、果たして陳さんにとってどんな成果があるのだろうか。

途中から台湾紅茶の歴史を少しした。といってもテーマは膨大であり、とても1₋2時間で話せるような内容ではない。腹も減り、昼は近所の行きつけの食堂でランチを食べたので、余計時間は少ない。結局今日のところは陳さんの関心がある写真や資料を提供して、それに解説を加える程度で終了となる。それでもわざわざ台北まで来てくれた陳さんの熱意には感服する。歴史調査が如何に地道であるかも再度感じる1日となった。その夜、羽田‐高知便を予約するなど来月の旅が動き出した。

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