バンコク滞在記2022その7(6)日本の観光業を憂う

11月7日(月)東京へ帰ると

ついに3か月に及ぶバンコク生活に別れを告げる日が来た。フライトは夜行便なので十分に時間はあるはずだったが、色々と溜まったものを整理するなどしていると、時はどんどん過ぎていく。朝はコムヤーン、昼は麺といつものラインナップを刻んだが、最後の夕飯は内臓麺を食べる気満々で出掛けた。だが悲しいかな、月曜日が定休日であることを知らず、意気消沈。結果部屋で残り物を食べて過ごす。

少し早めに宿をチェックアウトして、空港に向かう車を探す。昔は宿の人に頼んでいた車探しだが、今やそんな宿泊客は余程のご年配だけだろうか。皆スマホをいじってことを成している。私はGrabを頼りにしていたが、時間帯のせいか意外と高い。仕方なくもう一つのBoltを試してみると何と150バーツ以上安い。タイにも競争が起こり始めているのだろうか。

車はタクシーだったが、特に渋滞もなく、スムーズに空港に到着した。3か月前と比べて空港は人が多く、活気が戻っていた。東京行きのフライト、チェックインには長い列が出来ている。免税店なども以前は手持無沙汰だった店員が客の対応に追われている。何とも好ましい光景だ。

当初はそれほど混んでいないだろうと言われていたが、蓋を開けてみると、何と搭乗率は90%に近く、ほぼ満席。更にそのほとんどがタイ人観光客で驚いた。夜行便なので寝るだけだったが、意外や眠れない。仕方なく映画を見てみると、これが予想外に良い映画だった。ただ気付くのが遅く、最後まで見られなかったのは残念。三浦透子という女優が素晴らしい。

朝飯を機内で食べると、ほぼ定刻の7時に羽田に着いた。私の長い旅は終わったかに思われた。飛行機から出ると、突然前の方が大勢のスタッフが駆け寄ってきて、口々に『スマホ、アプリ』を叫んでいる。その一人に捕まり、慌ててスマホのVisit Japanアプリを開けて見せる。羽田ってこんなにネット環境よかったっけ、と思うほど簡単に開き、すぐに青いカードを渡された。それを持って入国審査近くに行くともう一度チェックがあり、そこをスルっと通ると、後は自動入国するだけだった。これは何のためにやっているのだろうか。そもそも1年以上前に打ったワクチンの証明が本当に役に立つのだろうか。単なる抑止力?なのか。

次に荷物を取り、税関申告ゲートに向かうと、係員が『Visit Japanアプリで税関申告したのか』と聞くので頷くと、『もう一度そちらの機械を通してから、自動ゲートへいけ』と言われ、唖然とする。それならゲートに並んだ方が速くない??実際この時は申告書を手書きして、ゲートに並んでパスポート出している人の方が多かった。

更に新宿までのバス切符を買おうとしたら、まだ7時20分ぐらいなのに、8時半過ぎまでバスはないという。てっきり日本もインバウンドが戻り、バスが満員で乗れないのだと思い、慌てて京急で帰る。この時間帯は通勤時間なので大きな荷物を持って乗るのは嫌だったが、思ったほどのラッシュもない。東京も変化しているのだろうか。家に帰ってから調べてみると、バスは何と始発が8時35分だった。理由は不明だが運転手不足ではないかとも言われている。

日本の観光業、ポストコロナに対応できるのだろうか。観光客が戻っても人手不足で対応できない日本、それが現実かもしれない。それに比べていち早く舵を切り、勢いを見せつけられたタイ。今や日本の対抗馬は中国ではなく、東南アジアではないかと思えてしまう、そんな今回の旅だった。

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