何だか昔の別荘を改築したようなところで家族経営でやっていた。聞けば江蘇省あたりから10年ほど前に移住して始めたらしい。以前は観光客も少なかったが、昨年鉄路が通ったことで、急に人が増えたという。部屋は広くて暖かみがあり、何故か天窓もあった。昨晩ここに居れば月が見られたのだろうか。だが今日は天気があまりよくない。



相変わらず腹も減らないので、車を呼んで名所であるチベット寺院松賛林寺に向かう。女性運転手はチベット族で話し好き。街が変貌していく様子から徳欽へ行って必ず梅里雪山を拝め(冬の太陽が出る時が良い)、など、様々な話が出て楽しかった。それにしても標高5000mを越える山の冬は寒いだろうな。確かこの山、京大関係者が多く遭難したような記憶がある。
お寺はかなり大きく、まずは受付の建物に入ってチケットを買う。今やどこもチケットは高いが60歳以上は半額なのは有難い。既に国慶節休みはほぼ終わっていたが、それでも行列は出来ていた。そこからバスに乗って寺院の近くまで行く。向こうに寺が見えたが、なるほど38年前の微かな記憶では、ミニポタラ宮だった。


寺の門を潜るとかなりの階段がある。ポタラ宮の最後の100mほどではないが、とても一気に上がることは難しく、呼吸を整えながら這うように行く。小雨が降ってきたが傘をさすのも難しく、とにかく下を向いて歩いて行く。登りきるとさすがにいい景色ではあるが、ポタラ宮ほどの感動はなかった。

この辺には若者の漢族観光客がかなりいたが、その殆どがチベット族の衣装を着こんでコスプレで写真を撮っている。小さなマニ車を持っている者もいた。実際のマニ車を回しながら写真に納まる者もいる。大きな仏殿があり中に入ると、まるでラダックで見た配置の作りだった。僧侶が信者の話を聞いているのが良い。


折角来たのだからもっとここに居ればよいのだが、何だか急速に疲れてしまい、早々に階段を下りてバスに乗り込み、寺を離れた。さすがにヤクバターの匂いはしなかったのだが、何がいけなかったのだろうか。雨が降ってきたのも追い風となり、車を拾って宿に戻った。少し涼しくなってきていた。気温13度。

かなり疲れて宿へ戻ると、ストーブを囲んで経営者がお茶を飲んでいた。私も一杯貰い、たわいもない話をしていると何だかほっこりする。お父さん、お母さんは如何にも人のいい中国人で、何とも温まる。「漢族だからバター茶は飲まないよ」と言われる。部屋に戻ってスイッチを入れると床暖房があり、かなり暖かい。

昼ご飯も食べていなかったので、夜は食べようと寒空の街へ向かう。チベット系の包子が食べたいなと思ったが、なかなか店がない。ようやく見つけて入ってみたら、「包子は売り切れだよ。午前中に来なきゃ」などと言われてへこむ。もう麺は食べたくないし、どうしたものかと考えていると、チェーン店だが包子の写真があったのでそこに決めた。

中で聞くと「小籠包が一籠だけある」というので注文した。店内はかなりきれい。店員は物珍しそうに「何で一人で来たの。包子より麺類の方が食べやすいのに」などと聞いてくる。そして包子と一緒に無料でスープを出してくれたのは、とても有り難かった。牛肉入り包子も美味しかった。せっかくここまで上がってきたものの、高度の関係か体調が優れず食欲が出なかったが、一応これで生き返る。夜は早く寝る。

10月8日(水)大理へ
朝はかなり冷えていた。8度ぐらいだったらしい。8時頃下に降りると、朝食の準備が出来ていた。ストーブの周りで宿泊客が食べている。出てきたのが、きゅうりの漬物(これはほぼ日本の味)、ゆで卵、トウモロコシの蒸しパン?など、手作り感満載で非常に美味しい。これまでの食欲不振が嘘のようにバクバク食べてしまう。
