バンコク滞在記2022その6(3)王陽春とナイラート公園

MRTに乗り、サムヨット駅で降りる。ふらふら歩いて行くと、立派な歴史的建造物、ロイヤルシアターがある。今はコロナで閉まっているが、現役の劇場だ。その先にはかなり長い校舎を持つ学校に100年以上の歴史がある。この付近は歴史的地区なのだと分かる。

ふと道の向こうを見ると、何となく見覚えのある寺があった。ワットリアップ、日本人納骨堂があるタイ寺であり、10年ほど前、ひょんなことから1泊させてもらったところであった。何とも懐かしく、中を見学した。日本人納骨堂ではちょうど法要が行われており、日本人僧侶の姿も見られた。何とも懐かしい。

その先、川の手前にかなりの敷地がある。ラーマ5世像?が建てられているだけの広場だが、その歴史的背景は良く分からない(タイ語は読めない)。そこから花市場の方へ歩いて行くと、王陽春がある。この店のロケーションは、往時は路面電車が走るなど、かなり良い場所だったはずだ。

店には80歳になる2代目店主、そしてその3人の娘(3代目)、更にはその娘(4代目候補)が、揃って待っていてくれた。それから1時間ほど、この店の歴史を聞き、またその姻戚関係を尋ねる。やはり福建安渓堯陽村の出で、これまで訪ねてきたバンコクの老舗茶行の多くと姻戚関係にあった。ただ違うのは、初代が早く亡くなり、その未亡人が店を継ぎ、それからはずっと女系経営だという点かもしれない。80年以上の歴史を誇るこの店、その道のりは決して平たんではなかった。

この付近には最盛期、10軒以上の茶行が存在していたというが、今はついにこの1軒だけになってしまった。果たして未来はどうなるのだろうか。パイナップル印のロゴ、可愛らしい店内、何らかの形で継承して欲しいと願うのだが、それは外野のエゴだろうか。とにかく今日の訪問はとても意義あるものに思えた。次回はいつだろうか。

10月22日(土)ナイラート公園で昼食を

テレビ大阪の番組に『名建築で昼食を』というのがある。コロナ禍、テレビでそれを見ていたら、自分も行ってみたくなったが、ちょうどバンコクに来てしまった。それならバンコクにも名建築はあるだろうと思い、探し始める。だが名建築はあっても、そこでランチが食べられるかとなると、かなり限られてしまうらしい。

そんな中、Mさんが有力な情報を送ってくれた。そこは100年以上前の実業家の家で、美味しいレストランもあるというのだ。お知り合いのお二人にも参加してもらい、4人でランチに行ってみる。当日は土曜日で、朝の交通渋滞もないと踏んで、バスに乗ったが、何故か全く進まず焦る。近くのコンベンションセンターでコスプレ?アニメイベントが行われるようで、何とバスにも乗ってくる。

そのナイラート公園はBTSのチットロム駅から少し北上したところにあり、アクセスは意外とよい。公園のところまで来ると大規模改修工事が行われていた。ここには元々スイスホテルがあったが、今後はアマンリゾートになるらしい。都会のど真ん中、どんなホテルになるのだろうか。大林組が施工しており、その脇を通り抜けて何とかレストランに辿り着く。

レストランの前で、立派な服を着た人に呼び止められる。ドアマン?だった。そして何ともモダンなレストラン、マ・メゾンに案内された。ここは正直名建築と言ってもレトロ感がないので、私が思っているところとちょっと違っていた。だが料理が出て来ると実に上品で美味しい。特にマッサマンカレーとミンチ入り卵麺は特筆したい。これからも偶には食べに来たい味。

帰りに公園に踏み込むと確かにレトロなお屋敷が建っていた。ちょっと入って見学していると『ここは有料予約制』と言われてしまう。仕方なく公園を散策すると、ナイラート像があり、愛車や船が飾られており、日本的な庭園や大きな池もある。池のほとりには、ひっそりとカフェがあり、まさにここに来ればよかったかと思う佇まいだった。今度は朝食に来て見よう。

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