ある日のバンコック日記2020(22)バンコックに戻る

3月14日(土)空港で

ビエンチャンからのフライトはいつものように呆気なく着陸した。そして前回同様、タラップを降り、バスに乗り込む。1台に全員を詰め込むので、かなりの密度になっている。走り出すと隣の若い女性、突然気分が悪くなり、座り込む。過呼吸ではないだろうか。友達が世話していたので、周囲は心配しながら見守り、降りる時は若者が手を貸していた。

今回も先月同様、空港内には殆ど人がいなかった。ただ入国審査のところには、意外と人がいたのでその後ろに並んだ。前の方の白人たちを見ると、皆係員に何か聞いており、戸惑っている。中にはアルゼンチンから来たといっただけで、空港内の保健室に案内されている人もいた。一体何が起きているのか、全く分からない混沌とした状況が出現し、にわかに不安になる。

ただよく見てみると、列の横にQRコードが見え、何か説明書きがある。どうやらこれをスキャンして、情報を打ち込む必要があると分かり、トライしてみると、空港アプリが出てきた。名前や搭乗便など入れていく。最後にパスポートを写メしてアップロードすると、OKがでたので、係員にそれを告げると、好きなところへ並べという。

ようは皆入力に慣れていないことから進まないだけで、審査ブースは暇にしているのだった。ここでも何か聞かれるかと身構えたが、スマホを見せると、帰国チケットや保険の提示も求められず、すぐに入国スタンプが押され、全くの拍子抜けだった。やはりラオスからの入国にはこの時点では、何の制限もなかったのだ。ただ入国者の追跡のためにスマホ入力を求められたまでだ。これで私も監視対象だ。

ターンテーブルにも、出口を出ても、相変わらず殆ど人はおらず、思っていたほどの緊張感はなかった。取り敢えずバンコックに戻れたので、ホッとしてゆっくり歩く。ただこのままでは終わりそうもない。これから何かが始まるので、それに備えなければいけない。そんなことを考えながら、エアポートリンクに乗り込む。さすがに皆マスクをつけている。乗客は先月より少ない。MRTも同様だ。白人は母国では基本的にマスクをしないと聞いていたが、さすがにこの事態では対応せざるを得ない。

部屋に戻ると、また相撲を見て過ごす。既に多くのスポーツが中止となる中、相撲が見られるのは本当にありがたいことだ。しかも昨日はビエンチャン、今日はバンコックで見られるのだから、嬉しい限りだ。ただ白鵬が強すぎるのはどうだろうか。先場所のように両横綱不在の方が面白い相撲が多いように思う。

そのままボーっとテレビを見ていると、ブラタモリが始まる。今度は長崎が舞台で、行ってみたい場所が次々紹介される。林田アナがまたピアノ?を弾いている。見終わると、パンを買いに外へ出る。これからは食料の備蓄も必要になってくるだろう。いつも行くパン屋だが、時間が遅いせいか、普段必ず買うぶどうが一杯入ったブドウパンはなかった。ただ念のため聞いてみると、ちょうど奥で作っており、作り立てのパンを買うことができた。今はこういう小さな幸せを積み上げるしかない。

3月16日(月)ご紹介で

既に2か月以上泊っている定宿だが、ついにロビー入り口で検温が始まった。もし体温が37.5度以上であれば、中に入ることはできず、そのまま病院送りとなるらしい。迂闊に発熱は出来ず、外出にも注意を払う必要がある。毎日緊張状態が続くことになる。予定されていたバンコックでのコラボイベントもすでに中止となっており、ここに留まる理由は正直無くなっていた。

更には『バンコックロックダウン』という言葉が聞かれ始め、もしそうなれば買い物などにも不便をきたすことになり、さすがにここにいる理由は完全に無くなる。折角ラオスでビザを更新したのだが、帰国の決断が迫られてきた。宿のオーナー夫人は特製の洗えるマスクを発注しており、私も家族分譲ってもらって、東京へ3つ郵送した。いよいよ臨戦態勢に入ってきた。

そんな中、先日偶然にも再会したシアヌークビルのSさんから、Iさんをご紹介頂いた。タイ北部などで少数民族の茶業支援をしており、ちょうど先月訪ねたパクセーでも行っているということなので、このような時期ではあるが、会えるときに会いましょう、ということで、早々面会する。

アソークのホテルで待ち合わせたが、繁華街は火が消えたようになっており、店もかなりが閉まっていた。ホテルでもマスク、消毒が徹底されており、人と人との距離にも注意が払われ、かなりの緊張感があった。そこでIさんから話を聞く。今日からチェンマイに行くとのことで、タイ北部のミエン造りを見てみたいという。Iさんはタイに20年以上おられ、共通の知人も多くいる。ホテルのビュッフェでランチを食べたが、さすがに客は少なかった。

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