ある日のバンコック日記2020(1)バンコックへ

《ある日のバンコック日記2020》  2020年1月8日-16日

2015年6月、私は2年程半拠点としていたバンコックを引き払った。その日は大嵐で、道路は冠水し、木々はなぎ倒れていた。やはり私にはバンコックは合わなかったのだ、と妙な確信を得ての帰国だった。その後は年に1度程度、タイ国内旅行をし、バンコックにも数日滞在するだけだった。

 

昨年あたりから風向きが変わっていた。東南アジアの華人茶商の歴史に踏み込むなど、タイとの接点も何となく増え始めていた。そして2020年、実は今年は茶旅を始めてから20年の区切りの年となる。ここ数年で台湾及び中国の茶の歴史調査も一段落かもしれない。色々と考える中、取り敢えず2か月ほど、バンコックを拠点に動いてみようかと思い始め、正月早々荷物を抱えてやってきた。

 

1月8日(水)
バンコックへ

正月はいつものように駅伝などスポーツを見て過ごす。生活のリズムもちょっと変わっており、それを戻すのは一苦労だった。更には本日、早朝に羽田空港へ行かなければならず、寝付けない中、遂に午前4時には起き、5時過ぎの電車に乗ってしまった。6時過ぎには羽田に着き、全てが順調に進んだ。ただ体がだるい。

 

今日のフライトは北京経由のエアチャイナ。このフライトも昔はよく乗っていたが、かなり久しぶりだ。機内では朝から鮭ご飯が出た。何となくウトウトしていると、北京に着いてしまう。昨年12月、ここから東京に戻った。僅か半月でまた北京に舞い戻るとは。当然ながら東京よりはかなり寒いが、トランジットなので外へ出ないから問題はない。

 

乗り継ぎは、専用カウンターを通らなければならないはずだった。そこへ行ってみると、何と機械が導入されており、搭乗券とパスポートをかざすだけで、通り抜けられた。これでパスポートにハンコを押されることも無くなってよかった。だがその下の荷物検査は旧泰然としており、長い列が出来ていて、一向に進まない。

 

更には、バンコック行のフライトは50分ぐらい遅れるとの情報も流れる。特に急いでいるわけでもないが、疲れているので早く乗りたい気持ちはある。ところが変更時間にゲートに行ってみると搭乗はとっくに始まっていた。何だ、と急いで乗り込んだが、結局遅れた人を待ち、更に遅れる羽目になる。

 

それから5時間、じっと座っていた。やはり直行便でないと長い。疲れる。ようやく1時間遅れでバンコックに到着したが、ここでも入国審査の長い列が待っている。ドムアン空港は確か中国人の入国を別窓口にしていたが、ここスワナンプームでは多くの中国人と同じ列に並んだ。非常に多国籍の訪問者たち。入国審査も厳格に行うのか、スピードはかなり遅い。

 

荷物を取り出して、出口に向かうまで40分ぐらい経っていた。まずはシムカードを購入。今回は8日間で一度出国するので8日用のシムを買う。ただ間違えて15GBの物を買ってしまい、電話番号も必要なので、その分まで含めると意外と高くなる。後で専用アプリを入れて計ったところ、多少動画などを見ても、1日の使用量が1GBを越えることはなかったので、やはり無駄な買い物だったと分かる。

 

タクシーに乗ると運転手がメーターを倒さず『500バーツ』と言ってくるので、メーターを倒すように強く言うとすぐに引っ込んだ。取り敢えず言ってみる、ということだろうか。既に夜8時を過ぎており、渋滞はあまりなかったが、何とこの運転手、吹っ掛けておきながら、道を知らなかったので、時間がかかる。それでも結局目的地までは高速代を入れても380バーツだったから、ぼられずに済んだ。

 

今日から2か月、馴染みの宿に宿泊する。なぜか家賃は現金の前払い。デポジットまで入れたら結構な額になる。この現金を持ち込むのもちょっと緊張する。フロントは顔なじみだから良いのだが、これだけ支払って領収書は明日、と言われると、中国ならひと悶着ありそうだが、そこはタイのおおらかさだろうか。

 

部屋に荷物を置くと腹が減る。もう午後9時を回っており、遠くには行きたくないが、以前あった屋台は既に無くなっていた。それでも少し離れた所にちゃんと新しい屋台があるのがタイだろう。暗い道路わきの排ガスの中、いつものように麺をすすると、タイに来た気分になれるは面白い。既に日本時間は夜中の12時、今朝は4時前に起きているから、相当に疲れてしまい、さすがに部屋に帰ってすぐに寝込む。

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