突然行く台湾北部茶旅2015(4)デパ地下のお茶屋さん

そう思って午後は、街から少し離れた清境茶園に行ってみる。ここには2軒の店が連なっていると書かれていたが、1軒はシャッターが閉まっていた。中に入るとおばさんがおり、早々に包種茶を淹れてくれた。私が日本から来たと分かるとどこかに電話を入れている。ご主人がわざわざ工場から戻ってきてくれた。包種茶以外のお茶を、というと、紅烏龍茶を出してくれた。これは先日台東鹿野で飲んでいたが、ここでも作っているのか。しかし飲んでみると何かが違う。こちらはやっぱり烏龍茶でしかないようだ。何が違うのだろうか。

DSCN0605m

 

誘われて、彼の車で茶畑を見学した。かなりの斜面に茶樹が植えられていた。合わせて茶工場も見に行った。そこにはお父さんや弟さんもおり、既に坪林で彼が4代目だと聞く。弟さんは日本語も少しできるらしいが、黙々と製茶作業に取り組んでいた。日本からも製茶ツアーなどを受け入れており、日本人もたまに来るようだ。自分たちのお茶を広めるのに熱心だった。

DSCN0614m

DSCN0629m

 

ご主人がわざわざバス停まで送ってくれたが、タッチの差で、バスは出てしまっていた。1時間に一本しかないため、次のバスまでは時間があった。バス停の横には朝最初に訪ねた祥泰茶荘があった。まだ茶葉も買っていなかったので、再度店に入る。それから約1時間、またお茶を飲みながらダラダラ話す。

 

この店からは発車直後のバスが見えるので、ずっとここに座ってよいと言われた。バスが見えたら手を上げて乗り込むらしいが、やはり何だか不安なので、バス停に行く。既に多くの人が列を作っていた。因みにこのバスは大坪林行きではなく、新店行きだ。文平茶荘の女性に『大坪林行きは52元、贅沢だよ。新店行きは30元だからね』と言われたこと、そして朝は渋滞で意外と時間がかかったことから、帰りは新店行きに乗ってみた。安いせいか、偶々なのか、乗客は意外と多いが座ることはできた。

DSCN0633m

 

新店までは最初高速道路を使い、途中で降りていくつか寄って行く。結果だけ言えば、ほぼ朝と変わらない時間で新店に着いた。勿論地下鉄は新店駅の方が遠いのだから、大坪林に行く方が早いとは言えるのだが、地元の人は安いほうが良いと考えるのだろう。既にあたりは暗くなっていた。新店始発の地下鉄で台北駅前に戻る。

 

駅前まで来るとちょっと腹が減る。そうなると取りあえず大腸麺線を食べることになる。夕方はいつも学生などで混んでいるが、テイクアウトする人が多いので、座って食べる分には問題はない。僅か50元、日本ではなかなか味わえないな、このとろみの味としあわせ感。

DSCN0637m

 

宿に戻ると結構疲れてしまい、食欲もなく、そのままネットなどにうつつを抜かして、夜が更けると寝てしまう。普通の人は折角台北まで行ったのだから勿体無い、夜市に行くべし、などと思うのだろうが、私にとっては休息も大事な旅の一環。

 3.台北2

12月8日(火)

阪急デパートと国父記念館

翌朝もゆっくり起き上がる。朝ごはんを食べる気にもなれない。お湯がないのでお茶も淹れられないが、リビングへも行かず、ポカリスエットを飲んで我慢する。昨日包種茶の飲み過ぎたせいかもしれない。それで部屋でずっとダラダラしている。気力がみなぎらない。腹が減ったら、どこかに食べに行くだけだ。11時前についに腹が鳴り、いつもの食堂へ向かう。

 

魯肉飯セットを注文する。ここの肉圓湯は本当にいい味を出している。私の向こうのテーブルでは若い母親が一人でやはり魯肉飯を食べていた。そして驚いたことに、ベビーカーに乗っている赤ちゃんに、魯肉飯を食べたスプーンを渡していた。赤ちゃんはそれを美味しそうに舐めている。美味しいものは誰でもわかるんだ、と実感した瞬間だった。私も舐めるように食べた。

DSCN0642m

DSCN0639m

 

それから地下鉄に乗り、統一阪急デパートへ行く(その後名称から阪急が無くなったようだ)。市政府駅で降りると直結しているので分かりやすい。ここに来るのは実は初めてだが、目的はずばりデパ地下。地下にはとんかつ屋やラーメン屋など、日本食が並んでいたが、既にランチを食べ終えた私は、そこには目もくれずに、お茶屋さんへ進む。先日訪ねた小倉辻利のショップは、少し奥まったところにあった。ちょうど台湾人のOLさんが辻利ラテという飲み物を買っていた。

 

この店は抹茶アイスやラテなどの飲みもが中心で、基本的にテイクアウト。80‐100元ぐらいのメニューに手ごろ感がある。煎茶などの茶葉は隅の方に申し訳程度にあるだけだった。辻社長からは『海外』『スイーツ』がキーワードだと聞いていたが、まさにこの店はそうなっている。これで辻利の知名度が上がっていけば、台湾人にとって日本茶といえば辻利になる。実際小倉の店にも台湾人観光客が来て、抹茶アイスを食べながら、記念写真を撮っていた。

DSCN0644m

 

近くの台湾系の店を見ても、同じように飲料のテイクアウトを基本としているが、食べ物なども売っている。しかもその種類はとても多い。料金は辻利とほぼ同じ。辻利は台湾で地元企業と同じ土俵で戦っていた。他の日本食レストランが『日本』を前面に出し、料金も高め設定なのとは明らかに違っている。本当に美味しいと消費者に感じさせなければ売れないだろう。

DSCN0645m

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です