丸子清水茶旅2015(2)レトロな静岡

2.静岡

ぷらっとこだま

今日は小田原をゆっくり見て回るつもりだったので、静岡に来ても特にやることはない。駅の構内に『ぷらっとこだま』の文字が見えた。実は来月東京から京都へ行くのに、こだまを使おうと考えていた。この『ぷらっとこだま』という商品が安いと聞いたので、ちょうどいい機会であり、購入するため、JR東海ツアーズという旅行会社に入ってみた。何とこの商品専用窓口まであり、5人も人が待っている、人気商品のようだった。私も暇なので待ってみた。

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事前に用紙に必要事項を記入して、順番を待つ。20分ぐらいで番号を呼ばれたので、用紙を提出すると、係の女性が怪訝そうな顔で、『あのー、もしチケットのキャンセルなどがありましたら、静岡まで来て頂くことになりますが、宜しいでしょうか?』と聞くではないか。宜しい訳がない。用紙に東京の住所を書いたので、彼女が確認してくれたのは懸命だった。

 

まさか新幹線のチケットがこんなことになっているなんて、予想もしない言葉だった。どうやらこのチケットはこの旅行会社の旅行パッケージ商品、といった扱いであるらしい。それにしても、何と不便なチケットだ。更には予約した列車以外に乗ることができない、もし列車の方が遅れても、払い戻しは購入した支店で、ということらしい。そして紙のチケットのため、自動改札も通れないらしい。本当に便利?信じられない、この商品のために並ぶなんて!

 

レトロな街

ホテルは駅のすぐ近くを予約しておいた。雨が降っていることもあり、これは助かった。このビジネスホテルは繁華街にあり、周囲には飲み屋などが多い。夜暗くなってから歩いてみると、何とも昭和なレトロな飲み屋街の風景が見られた。静岡って、こんなにレトロなところなの?意識して、レトロな雰囲気で売り出そうとしているのなら、これはこれで面白い。

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また少し歩いていくと、青葉横丁という、本当に昔の飲み屋が軒を連ねているところがあった。かなり細い横町に10軒以上の一杯飲み屋が見える。店の提灯がゆらゆら揺れている。いくつかの店はカウンター席がほぼ埋まっており、常連さんと思われる人々が楽しそうに、仲間同士、また店主たちとお酒を酌み交わし、おでんを食べていた。何とも羨ましい光景だった。

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今静岡のB級グルメといえば『静岡おでん』らしい。私も食べてみたいと思ったが、何しろ酒を飲まないというハンディはとても大きい。暖簾を潜って一人で入るのにはかなりの勇気がいる、と言わざるを得ない。何故なら先日東京の十条にある昭和レトロな飲み屋に連れて行ってもらった時、『美味いアテを安く出すのは、お酒が進むようにして儲けるため』と言われたからだ。食べ物だけ食べて、何も飲まないのは、店にとっては迷惑な話だというのだ。

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仕方なく、また駅の方へ歩いていく。雨もあったので、駅の中へ入り、寿司を食べてみた。さすが静岡、駅構内の店といえども、ネタはそれなりに品質が保たれ、値段も手ごろであり、満足出来た。お客はやはり一杯で、こういうところを見ると、日本は不況かどうか、分からない。

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9月26日(土)

今日は朝9時に静岡駅の一つとなりの安倍川駅集合となっていた。このホテルには朝食が付いているということで1階に行ってみると、パンとコーヒーといった簡単なメニューであったが、温かいスープが気にいった。台湾人と韓国人の若者グループが楽しそうに食事をしながら、今日行く場所の作戦会議をしていた。最近はどこへ行っても外国人観光客を見掛ける。

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8時半過ぎにJRに乗り込む。僅か1駅なので、眠る訳にも行かない。見ると斜め前に座っている女性が一生懸命、紅茶の本を読んでいた。実は今日は一体誰の、どんな集まりなのかも分からずに来ているので、迂闊に声はかけられなかったが、どう見ても同じところへ行くのだろう。

 

駅を降りると、言われた通りの場所へ行く。そこには車が停まっており、村松夫人がわざわざ迎えに来てくれていた。そして例の彼女も当然ながら、一緒の車に乗り込む。そのY女史は、何と始発電車に乗り、北千住から各停でここまで来たという。私をも凌ぐ、猛者がいた。更にもう一人、植物学のY先生を待って、車は出発した。

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車は旧東海道を進んでいるようで、やがて道の両脇には昔風の家が見えてきた。家の前に屋号が掲げられているところもあり、昔は宿屋か店屋だったことが分かる。東海道五十三次20番目の宿場、鞠子宿。安倍川を渡るとすぐにある宿場町だった。立派な建物に見えたのは、創業慶長元年(1596年)の「丁子屋」という、とろろ汁で有名な店。今も復元され、営業しているらしい。広重の浮世絵にも描かれているという。是非この辺をフラフラ歩いてみたいという衝動に駆られたが、今は大人しく、連れられて行く。

 

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