《宇治お茶散歩2013》(2) 宇治 茶の香りに包まれて

茶の香りに包まれて

Tさんの事務所兼自宅にお邪魔する。ここには3月にも一度お邪魔したが、実に居心地の良い空間だった。Tさんは日本ばかりでなく、ヨーロッパなどに出かけていき、煎茶の良さを伝えるいわば伝道師。独自に作成したお茶箱に道具を詰めていく。何となく寅さんのようで格好良い。

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先ずは茶香炉で茎茶を炒る。蝋燭の淡い火でゆっくりと焙る。茶の木の枝で時々かき混ぜる。このパフォーマンスはヨーロッパで受けるらしい。そういえば昔、日本でもお茶屋さんの前を通ると香ばしいにおいがした。今この空間にそんな香りがしてくる。

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今回Tさんは1か月半ほど、ヨーロッパに滞在して帰国したばかり。チェコのプラハやベルリンのティハウスに煎茶を卸しており、そのお店でパフォーマンスをしているそうだ。プラハのような文化都市では、ティハウスに大量の茶のメニューがある。インドやスリランカの紅茶にはじまり、中国茶、日本茶も並んでいる。この中から日本茶を選んでもらうにはそれなりの動機づけがいる。更にミラノの展示会にも出掛けたそうだ。

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Tさんの茶室にいい香りが満ちてきた。その中で良質の煎茶を頂く。今回はちょうどヨーロッパ向けのサンプルが作られており、玉露、嬉野の釜炒り、浜松の山茶などを飲んだ。浜松の山茶は、なぜこんなに美味しいのか?同じ静岡と言っても浜松のお茶を知る日本人は少ない。

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何と夕飯までご馳走になってしまった。日本茶は初心者の私のとっては、とても良い勉強の場が与えられた。いくらでも疑問は沸いてきたが、とても質問しきれない。Tさんには申し訳ないが、今後もお付き合いを頂き、質問を重ねることとしたい。宿まで私を送ってくれたTさんはこれから会合があるという。色々と忙しいのだな、地方都市も。

 

宿のドアは開いており、勝手に自分の部屋に入る。本当に静かで物音がしない。勿論ネット環境はないので、自分のポケットWIFIを使うが、疲れて早々に寝入る。

 

11月1日(金)

平等院は

翌朝は早く起き、散歩に出た。朝の宇治川は輝いて見えた。宿の前の川には船が何艘も停まっていた。宇治といえば宇治川の合戦、そして先陣を競った佐々木高綱と梶原景季、その碑も建てられていた。この川を馬で渡るのか、うーん。福寿園の茶房もあったがまだ開いていない。宇治上神社、とても背景の良い神社だった。紅葉にはまだ早いが、そこここに神社があり、落ち着いて歩ける。

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そして再度橋を渡り、平等院へ。平等院は恐らく中学の修学旅行できて以来だろう。参道を歩いて行くとお茶屋さんが沢山ある。観光名所ということだ。そして中へ入ろうと拝観料を払うと『今は改修工事中ですが、宜しいですか』と聞かれる。そう聞かれてもここまで来たら入るしかない。本当に全面的に覆いが掛けられ、平等院は全く見えなかった。池の向こうに単に建物があるように見えるだけ。藤原頼通が造ってから何回改修したのだろうか。観光客も殆どいない。

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鳳翔館という博物館があるのでそちらをさらっと見学。帰ろうと思って出口を探すと、源頼政の墓があった。1180年に平家追討の旗を上げ、ここで自刃した武将。見ると76歳だとか。あの時代の76歳は今の90-100歳では。それでも立ち上がった彼は凄いと思う。勿論立たなければならない理由はあったにせよ。

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荷物を引き摺り、宇治駅へ。相変わらず平日の午前中、観光客の姿もないが、お茶屋さんが開き始めた。京都の老舗、という雰囲気を醸し出しているところが多い。私にとってはどこが老舗で、どこが有名なのかも分からない。宇治駅から京都へ向かう。

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