フフホト茶葉の道散歩2014(6)広大な回民区

古い街並み

大きなお寺もあったが、もういいか、ということで素通りした。実はそれが最初に行こうとした大召、無量寺だったのだが。帰ろうかと思っていると、向こうに古い街並みが見えた。と思ったのは錯覚で、こちらも最近きれいに改装された骨董街だった。というか、土産物屋というべきだろうか。しかしフフホトに観光客など来るのだろうか。夏の間はある程度、草原ツアーなどが見込めるのだろうか。どうも、箱モノ行政が目に付く街だ。財政は豊かなのだろう。

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折角なので、回民区を目指してみる。アチト君も行ったことがないというので歩き始めたが、これが意外と遠い。アチト君は彼女のお父さんの重いナイフを背中に背負って、大変だっただろう。結構歩いて、回民区に入った。だがどこが回民区なのかさっぱり分からない。回族に繋がる建物、人々などまるで見つからない。

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古ぼけた建物があり、その一帯は再開発されようとしていた。この辺りが昔の回民区かな、など思いながら、歩いて行くと、立派な建物が見えた。回民区の役所だった。この一帯、かなり広範囲の場所が回民区だったのである。昔はここに沢山の回族商人がいて、ここから新疆やチベットへ向けて荷を運んだ、茶葉を運んだのではないだろうか。想像がどんどん逞しくなるが、その面影は微塵もない。

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さすがに疲れた。結構寒くもなってきた。ちょうど来たバスが大学行きであり、走って乗り込む。前に回族の帽子を被った老人がいた。横には回族の衣装を着た老婆もいた。やはりここは回民区だったのだ。更にはバスが動いてかなり行った所にもモスクがあり、回民の文字も見えた。本当に広い区域に回族が住んでいたのだろう。

 

バスにはどんどん乗客が乗ってきて、立錐の余地もなくなった。確かに夕方ではあったがラッシュ時とは思えないタイミングでなぜこんなに人が乗っているんだ。お蔭で、窓から外を眺める余裕もなく、呼和浩特の街をバスは駆け抜けてしまった。バスでも30分以上は掛かったので、もし歩いていたら大変だっただろう。

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バスを降りて、学内のホテルへ戻る。律儀なアチト君はホテル前まで送ってくれた。これから急いで彼女の家に行き、お父さんにナイフを渡すのだろう。夕日がきれいに落ちていく。Nさんから電話があり、やっと北京から戻ったというが、疲れているので明日の朝会うことに。今夜も一人、どうしても食べてみたいご飯に挑戦する。

 

烩菜

辺りが暗くなってから、学外へ出た。どこかで烩菜と書かれた看板を見た気がしたのだが、暗いせいか、なかなか見つからなかった。ようやく1軒の店を見つけたが、看板には書いてあったのに、品切れだと言われてしまう。こうなると意地だ。探しまくるがこういう時は空回り。なかなか見つからない。

 

何とかもう1軒、見つけて入り、席に着いて注文するとおばさんが『本当に食べるの?』と聞いてきた。メニューを見ると55元もするのだ。それでもどうしても食べたいというと、『分かった』と言って下がる。それから20分ぐらい、私の前には料理は出て来なかった。何か間違いがあったのか?そしてついに料理が出てきた。驚いた。とても一人で食べきれる量ではなかった。え、だからおばさん聞いたのか。まあ、いいや。白いご飯と共に食べる。

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烩菜は昔中国南部で出会ったことがある。烩飯と言って、いわゆる中華丼の元と思われた。豚肉と野菜を炒め、更にじっくり煮込む。ちょっとあんかけ風でとろみがあり、物凄く美味い。これこそ中華丼だろう。ここの烩菜には肉団子も入っていて、野菜が美味かった。更には下の方に麺まで隠れていた。もう驚き。

 

しかし物凄いボリューム、まるで学生時代のように一気に食べる。ちょっと残ってしまったが、3人前は食べた気になり、腹を押さえる。会計してみて驚いた。僅か20元だった。おばさんは恐らく1人前を特別に拵えてくれたのだ、この我儘な外国人の為に。こういうサービス、涙が出るほどうれしい。でもこれ1人前ではないだろう。

 

10月17日(金)

空港へ

翌朝はNさんとまた学内のレストランで待ち合わせ、今回の茶旅の成果を報告した。何と言っても鄧さんと会えたことは大きかった。そして呼和浩特の街も何となく見ることが出来、次の旅への意欲が湧いてきたのは事実である。全てはNさんのお陰、感謝である。

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そのままホテルへ戻り、チェックアウトした。Nさんがタクシーを呼んでくれ、大きな荷物をトランクへ詰め込んだ。呼和浩特の街を走り抜け、30分で空港へ着いた。空港でネットに挑戦したが、やはりVPNは使えなかった。これから先が思いやれる。天気もここに降り立った時より、だいぶ空気が澱んでいた。

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