フフホト茶葉の道散歩2014(5)大盛魁と元盛徳

10月16日(木)

大盛魁と元盛徳

翌朝、アチト君が早々にやって来た。今日も一日付き合ってくれるという。有難い。今日の目的地は大盛魁、清代に茶葉貿易で大儲けした山西商人の屋号だ。その店の跡が残っているというので出掛けてみた。今日は歩いて行く。その方が街歩きの感覚がつかめた。

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大学から西へ20分ぐらい歩くと、大きな建物が見えた。古玩城、ようは骨董屋ビルだ。だが近づいても人の気配がない。建てたはいいが、使われていないのだろうか?その向かい側に大盛魁と書かれた立派な、真新しい門があった。その奥には建物がいくつか見えたが、いずれも新しい。しかも人の気配は全くない。

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その辺を歩いてみたが、ここは最近作られた場所のようで、まるで映画のセットだった。投資に失敗したのか、既に作った会社はいなくなっているように見える。何と勿体無い、これも一種の箱モノ行政だろうか。そもそも本当にこの場所に大盛魁はあったのだろうか?説明書き一つないので何も分からない。勿論大盛魁がどんな活動をしていたのかも何一つわからない。

 

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もうここはいいかと思いながら、ふと裏へ回った。そこには古びた小さな邸宅が一軒見えた。行ってみると元盛徳と書かれていた。こちらも大商人の屋号。門が開いていたので中へ入ってみると、そこは北京でもよく見た四合院造りの邸宅。庭には古い木があり、風情がある。だがここには人が住んでいた。勝手に入って申し訳なかったが、話を聞いてみると気さくに応じて案内してくれた。

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歴史は200年以上あるというこの家、現在の住人斉さんは10年前から住んでいるとのこと。裏には井戸もあり、本格的な古民家だった。『大盛魁のところはあんなにきれいにしてしまったが、何の風情もない』という。それはそうだろう。斉さんは何も言わなかったが、この四合院を守るため、敢えてここに住んでいるのかもしれない。それぐらい、ここは大切な場所だと思うが、開発の波は中国全土で吹き荒れている。果たしてどうだろうか。

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席力

大召と言われる寺院へ行ってみる。ここは呼和浩特建都の父、アルタンハンが建造した寺院だという。アルタンハンはチベット仏教を導入した人物。しかしよく見ると名前は席力、となっている。1588年の創建。これは違い寺院へ来てしまったが、まあいいか。

 

アチト君は彼女に頼まれて、この近くのナイフ屋さんに出向いた。彼女のお父さんが注文した物を代わりに取りに行くという。少しして戻ってきたが、『約束の時間に取りに来なかったと怒られた』という。どこの世界でも、男はつらいよ、だ。しかし大きなナイフを注文するとは如何にもモンゴル族。

 

30元を支払ってチケット買ったが、誰もチェックしない。本堂まで真っ直ぐに道を進むのみ。でもこれ、マニ車を回す以外、普通の寺院をあまり変わらない。本堂と思われるところへ来ると、坊さんがいて、ようやくチケットをチェックした。チケットを持っている人間だけが中に入れるようだ。中は完全にチベットのお寺と同じだった。インドのラダックや西寧の寺が懐かしく思い出される。アチト君は仏像一体一体の前で祈りを捧げている。

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それから先ほどの斉さんに勧められた五塔寺に向かう。だが腹が減って来た。ちょうど『焼麦』と書かれた看板があり、気になっていたので、その店に入ってみる。焼麦は呼和浩特の名物らしい。麦を焼くのか?店の主人は回族ではないかと思われた。アチト君に、どれだけ食べるかと聞いているが、何を食べるかとは聞いていない。

 

周囲を見てみると、皆蒸籠が置かれて、食べている。どうやら小龍包の大きな奴のようだ。いや、よく見ると焼売の大きな物だった。そこでハタと気が付く。焼麦は焼売のことではないのか。食べてみるとまさに焼売の原型に思われた。面白い。醤油をつけて、ひたすらこれを食べた。この店は焼麦専門店だった。お客は次々に入ってきて繁盛していた。確かに美味い。

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五塔寺

それから五塔寺へ行った。1727年創建。確かに古くて、いい雰囲気だった。そして本堂の脇にあった建物、上に5つの塔が乗っていた。勿論最近作られたものだろうが、何となくおかしい。ただこの建物は様々な装飾が施されており、描かれている内容もちょっと興味深い。

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仏像もあるが、モンゴル文字、いやひょっとするとチベット文字かと思われるような文字も見える。かなり細かい彫り物もある。そして建物の中には、仏様があった。何とも言えないいい感じだった。この寺にも人影は全くなかった。不思議なぐらい静寂な時間が過ぎた。

 

それから九久街の茶葉市場へ行ってみる。ここに茶葉市場があると一昨日教わった。行ってみると確かに店は沢山あったが、客らしい人は殆ど歩いていなかった。福建系の店が多く、岩茶などを売っている。ここまで来て福建の茶を見ても仕方がないと思い、通り過ぎようとすると、1軒の店が目に止まる。

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ここは一昨日の宴会で私の隣に座っていたオジサンの店だった。確か四川省の緑茶を扱っているとか。どんなお茶か試飲してみた。ちょうどオジサンは外出したということで、やる気の無さそうな女性が応対してくれた。このお店は最近始めたらしい。そして四川のお茶、米倉山の緑茶も最近取り扱い始めたという。目新しいが・・。

 

1 thought on “フフホト茶葉の道散歩2014(5)大盛魁と元盛徳

  1. フフホトの目的が見られなくて残念ですが美味しい焼売の原型?に出会えたのは良かったです
    四合院作りが残されて
    開発のなかでは守って欲しいでさね

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