東京高知関西茶旅2023(5)五代友厚散歩、そして奈良へ

6月16日(金)大阪散歩

朝はゆっくりと目覚める。昨日までの団体旅行はやはり私には向いていない。気が向いた時に向いた方へ歩きたい。今朝の気分は五代友厚だったので、そのゆかりの場所を歩いてみる。まずは道頓堀を北に向かう。天気が良い中、途中に古い民家が建ち、花火や産などもあって楽しい。

大阪商工会議所まで来るとその横に五代友厚像が他2人の会議所会頭と並んであった。明治維新後、大阪経済の中心、商工会議所を立ち上げたのが五代であった。現在の会議所前には『大阪府立貿易館跡』などの記念碑も立っている。商業の街大阪を支えた男が薩摩出身の五代だったということか。

続いて五代友厚邸跡を探しに行く。途中勝海舟寓居などの表記が見える。海舟はこの地で私塾を開設し、坂本龍馬らが通ったらしい。その近くに大阪科学技術館という立派な建物があり、その先は緑地になっている。この一帯が友厚邸だったらしいが、今や表記も見いだせないのは残念だ。

土佐堀川に出る。旧住友銀行の実に立派な本店がある。北浜まで歩くと大阪証券取引所があり、その前にも五代の像が立派に建っている。証券取引所開設にも関わった五代。その向かいには、江戸時代の俵物会所跡の表記があり、天下の台所大阪の中心地が良く分かる。ここから地下鉄に乗る。

南森駅まで乗る。地上へ上がると、駅のすぐ近くに墓地がある。その中ほどに、ひときわ大きな墓石が見える。五代友厚の墓だ。五代家の人々もここに収められている。大阪で、日本の実業界で大活躍した五代だが、やはり薩摩に帰ることは難しかったのだろうか、などと思ってしまう。

宿の近くまで地下鉄で戻ると、そこに黒門市場があったので、ちょっと寄ってみる。ここは外国人観光客の人気スポットと聞いていたのだが、午前中で入り口付近を除いては、それほど人は多くない。英語や中国語、韓国語が飛び交っている。海鮮などが売られていたが、その値段は決して安くはない。何か食べてみようという気にはならず立ち去る。

奈良へ

宿へ帰って荷物を取りだし、近鉄難波駅へ向かう。しかし歩いて辿り着いた地下の駅には近鉄日本橋駅とある。まあどちらでも近鉄奈良へ行けるので良いのだが、私のボケも相当に進んでいる。昼間なので近鉄特急は空いており、ゆっくりと座って周囲を眺めながら移動できた。

近鉄奈良駅にはOさんが待っていてくれた。何とウルムチ以来10年ぶりの再会だ。Oさんはその後ウルムチからパキスタンに移り、最近帰国して奈良に住んでいるというので、会うことになった。駅から荷物を引いて、観光客の多い地域を歩くと、結構人がいる。それでも古い町並みの奥の方まで行くと誰もいない静けさ。

その一軒に吸い込まれる。ここは古民家を改造した宿屋で、ランチも食べられるという。間口から想像できないほど奥行きがあるのだろうか。庭がきれいに見える。卵焼きメインの定食を美味しく頂きながら、パキスタンやウイグルの話を聞くとは、何とも愉快だ。更には若狭のお茶の話まで出て来る。

それから徒歩数分の所にある心樹庵さんを訪ねる。以前はエコ茶会でしか会わなかったのだが、最近はお店を訪ねたり、一緒に山添村へ行ってもらったりと親交を深めている。Oさんの家も近所ということで、既にお店に何度か行っていた。ここでまた最近分かったお茶の歴史の話などを勝手気ままにしゃべってしまい、申し訳なかった。いいお茶を出して頂くのに、その感想すら述べないのは改めなければならない。

夕方お店を後にして近鉄奈良駅へ戻る。私は全く理解していなかったのだが、近鉄奈良から神戸の三宮までは、何と近鉄特急に乗れば乗り換えなしで行けるのだ。今晩の宿はまさに三宮なので、何とも有難い。始発だから座れるし、約1時間で到着してしまったのは、体力的に有り難かった。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です