東京高知関西茶旅2023(6)三宮で

三宮で

三宮駅は慣れない人間には複雑だったが、何とか予約した宿に辿り着いた。週末の三宮の宿代は驚くほど高かったが、サービスはイマイチで、ちょっとイライラしてしまう。ポストコロナでは、従来の格安感が無くなり、このような気分になりやすいかもしれない。まあ部屋はきれいでよいか。

今晩は大学の後輩Nさんと会うことになっていた。指定されたのは駅の反対側の繁華街にあるスペイン料理屋。だがなぜか突然スマホが動かなくなり、マップが見られない。電波障害か。約束時間になっていたので、以前見たマップを思い出しながら、何とか探し当てた。

Nさんは大学教授だが、その専門は少数民族の言語学だった。先月香港のKさんと会った時に紹介され、折角なのでここまで会いに来た。日本で畲(輋)族について研究している人がいるとは思わなかったので、嬉しくなってしまい、様々な疑問をぶつけお話を聞く。お茶の歴史を解明していくには、特に少数民族の場合は、文献などの資料がほぼないので、このような言語学的観点は極めて重要であると実感する。

スペインバルの料理は、予想以上に美味しく、酒も飲まないのでバクバクと食べていく。何だかとても知識が吸収出来た気になっているが、吸収したのは栄養だけだったかもしれない。それにしてもこのような稀有な人材と出会えたことは何とも嬉しい。それでも畲族については、まだまだ分からないことだらけだ。

6月17日(土)三宮から

翌日はゆっくりと起きて、散歩がてら、一駅歩いて神戸南京町へ行く。前回はコロナ禍で大変そうだったが、土曜日ということもあり、ある程度人が戻ってきているように見えた。豚まんの老祥記などはかなりの行列が出来ており、残念ながらパスした。情報では近所に似たような豚まんを売る店があるらしい。次回チャレンジしよう。

11時に待ち合わせがあったので、指定された場所へ向かった。阪急神戸三宮駅東口改札、と言われていたが、何故か西口で待ってしまった。隣はJR三ノ宮駅の改札だったので、混乱してしまったようだ。慌てて反対側まで走っていくと、何とか懐かしいSさんと再会できた。

Sさんとは北京で一緒の駐在、その後東京でも会っていたが、ここ10年ほどは機会が無かった。偶々連絡があったので、会うこととなった。ところが何ともうすぐ鹿児島に転勤だという。しかもその場所は私が茶の歴史で目を付けていたところに近い。何という偶然だろうか。

ランチはそば焼きを食べる。これが鉄板で焼かれていて、かなり旨い。お客が次々に入ってくるので、食べ終わるとすぐ外へ出て、Sさん行きつけの喫茶店でコーヒーを飲みながら、ゆっくりと話を続ける。お互い10年も会わないと様々なことがあるものだ。最近中国へ出張した話などは参考になる。

そこから神戸市立中央図書館へ向かった。ここには2度ほど来ているので、要領は分かっていた。明治期の大茶商、山本亀太郎に関する資料はかなり手に入った。だがもう一人の茶商、武田貞吉については、思うようにいかなかった。仕方なく、亀太郎の像があるという公園の方へ歩いてみる。

途中何故か関帝廟があった。南京町にありそうなものだが、ここにある理由は分からない。すぐ近くの学校の壁には孫文来校のプレートが挟まっている。この付近、今でも多くの華人が住んでいるようだ。諏訪山公園まで行くと金星台や孫文の碑は見付かったが、残念ながら亀太郎の像には出会わなかった。

バスもないので、宿まで歩いて戻ることにした。途中に相楽園という場所があったが、入場時間は過ぎていて入れなかった。何だか立派なお屋敷のようだった。神戸駅付近は細い路地のようなアーケードが並んでいて、暑さを避けて歩けるのが良い。地下鉄で一駅、新神戸駅まで行き、駅弁を買い、新幹線に乗り込んだ。弁当は姫路鶏のり弁。姫路城が立体化できる仕掛けがあった。何だか3時間ほどで品川まで戻ってきた。やっぱり速いな。

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