黒茶を訪ねて梧州へ2013(1)ご縁が繋がり梧州に着く

《梧州お茶散歩》2013年4月11-15日

2012年、バンコックでお茶会を始めた。その時、バンコック市内でプーアール茶の店を開いている中国人、ポーラと知り合った。彼女は英語もタイ語も出来たが、普通話でお茶の話をするとすぐに意気投合した。これもお茶の力だろう。ポーラの出身地は雲南省ではなく、広西壮族自治区玉林。この近くに梧州という街があり、六堡茶と産地なので行って見ると良い、と言われ、行くことにした。アレンジはポーラが梧州のお茶屋さんに連絡してくれ、受け入れてくれることになった。だが香港から梧州までどうやって行くのか?何となく佐敦を歩いていると、偶然にも梧州行き直通バスを発見。これで行くしかない。

4月11日(木) 梧州まで  直通バス

実は前日は体調がすぐれなかった。梧州行きを一日延期して、今日にした。バスで7-8時間掛かると聞けば、体調が悪いととても耐えらないと判断した。それは正解で体調は回復傾向になったが、今度は雨が降っていた。DBからバスに乗る。いつもはサニーベイでMTRに乗るのだが、何故かその日は東涌行きに乗る。それ程時間は違わないと思っていたが、それは大きな間違い。東涌まで5分程度余計にかかり、東涌からサニーベイまで7分かかる。そんなことが積み重なって気が付いてみると、バスの集合時間が迫っていた。雨の中何とか走って集合場所へ。

バスは12時半に乗り場にやって来た。流石香港は正確だ。その後九龍駅のターミナルを通過、ほぼ満員の乗客。だがこの人々、香港人なのか、広西人なのかよく分からない。運転手も含めて、皆が広東語を話している。因みに運転手は2人いて、交代で運転していた。これも珍しい。安全対策だろうか。1時間弱で境界線のあるシンセン湾に到着。ここは以前も通ったが、通行者が比較的少なく、スムーズに越えられる。今回は特に人が少なく、あっと言う間に中国側へ出てしまった。ここでゆっくりとトイレに入り、これからの長旅に備えた。約1時間待って、全員が集合し、出発。

広東省内をバスは走る。相変わらず雨が降っており、景色は良く見えないが、家が並んでいる所あり、水田地帯あり、でなかなか面白い。1時間半ほど経つと、乗客の女性たちが騒ぎ出す。どうやらトイレ休憩を要求しているようだが、運転手は何とイヤホンをして運転。最初は聞こえていないようだった。運転中にイヤホン、有り得ない。結局それから40分ほどして休憩。ところがそこで何故かバスの修理が始まる。これはハプニングかと思ったが、20分ほどで終了。その間、乗客はマントウや団子などをゆったりと食べて待つ。

あたりが暗くなりかけた午後7時、無事梧州に到着。私は今回の受け入れ人、李さんの言うとおり、最後までバスに乗り、麗港酒店で降りて、そのホテルにチェックインした。

2.梧州  ホテルの周囲は茶屋だらけ

麗港酒店は思っていたより、ロビーが立派なホテルだった。料金表も500元以上したので、どうしようかと思ったが、体調も考え、泊まることにした。ただ料金を聞いてみると338元、そして部屋へ行って見ると、何と、相当広い部屋で、かつ横を流れる西江が良く見える良い部屋だった。浴槽も付いていた。朝食付きでこれなら安い。

逆に広すぎて、寒く感じるほど。兎に角4月だと言うのに、気温は20度以下。今日は雨も降っていて、一層肌寒い。ネットはケーブルで繋がったが、スピードは遅い。まあ、繋がるだけマシか。体調を考慮して、李さんの夕食の誘いを断ってしまった。申し訳ない。夕食を抜くことも考えたが、朝も昼も食べていないので、粥でも食べようと外へ出た。驚いたことにこのホテルの回り、お茶屋ばかりなのだ。何故だろうか。そしてレストランはあるが、海鮮ばかりでとても食べられない。この辺は観光客が多い所なのだろう。

少し歩いて見たが、この街は川沿いにかなり細長い。粥屋は見付からない。帰ろうかと思った時、牛排粉という字が見えた。何となくウマそうでその半屋台の店へ入る。牛排粉とは、きしめんのような麺に、文字通り骨付き牛肉がドカンと入っているスープ麺だった。腹が減っていることもあったが、このスープが腹に浸みた。美味い。麺も結構量があったが、あっと言う間に平らげる。これで8元。安い。帰りは気分よく戻る。寒さも感じなかった。

4月12日(金)  李さん登場

朝、船の動く音で目覚める。ここは河沿い、カーテンを開けると曇り空ながら、河と向こうの山が見える。何とも長閑な景色、今回私はこの景色を見るためにここへ来たかのようだった。梧州は歴史的には古い街、広東省へ流れる珠江の源流である西江を要し、以前は交通の要所として、商業で栄えた。お茶の集積地がここにあるのも頷ける。

何だか体調も良くなり、朝飯を食べる。お粥を探そうとしたが、ここは最初からセットメニュー。お粥と焼きそば、野菜炒めとフルーツ、それに豆乳が付く。これは多過ぎた。お粥と豆乳で満足。ここの従業員は非常に若く、接客業には全く不慣れな若者ばかり。セットメニューを持ってくる以外、何も考えられないようで、何となく微笑ましいが、やはり困る。ここにも労働力不足の一端が見えた。

9時過ぎにバンコックのポーラから紹介された李さんがやって来た。想像していたより若い。35歳。角刈りでちょっと怖そうな印象があるが、日本の俳優にもいそうななかなかいい男だ。最近結婚したと言う。オジサンと一緒に店をやっており、既に10年選手だ。部屋で六堡茶について色々と聞き始めたが、六堡鎮という産地へ行くのはかなり大変であるという。道が悪いらしい。特に今は雨季、車で進めるかどうか。茶の歴史については先ずは何はともあれ、茶工場へ行くことに。そこで分かると言う。




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