台湾茶縁の旅2014(2)台北 鼎泰豊に思う

2.台北

空港で

桃園空港に到着すると、イミグレの長い列が待っている。これは3年前と何ら変わっていない。出来るだけ端の方に並ぶ。たまに台湾人ルートを通ることが出来るからだ。とにかく中国人観光客が目に付く。そしてその無秩序な並び方に腹を立てて、がなり立てる台湾人職員たち。明らかに大陸中国人を下に見ている。まあこの混乱ぶりからすると、致し方ないか、毎日これを見ている訳だから。

 

イミグレを抜けると、携帯のシムカード購入へ。中国電信のブースへ行くと『シムカードはここでしか買えない』と言われ、300元で購入。買うのは至極簡単で便利。日本にもこんなサービスがあったらな、と思う。ただ係員は愛想もなく、あまり感心しない。日本人だと分かれば多少は良いのだろうか(私は日本人には見えないらしい)。

 

そして台北駅前までバス国光号に乗る。125元のチケットを購入して、乗り場に進むと台湾人のオジサンが『こっちだ』というので、そこへ並ぶ。ところがそこは別の場所へ行くバス乗り場。何でオジサンに騙されるんだ?訳が分からない。

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バスが動き出すと懐かしい風景が広がる。25年前、私はここに駐在し、毎月この道を通っていた。勿論風景はかなり変わり、高層ビルなども建っているが、それでも昔の面影はある。香港などと違い、台湾は全てを壊してしまうことはないように思う。そして小1時間で台北に着いた。

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GH

今日の宿は駅前のゲストハウス。知り合いのHさんが経営しており、3年前にも泊まっていた。何しろロケーションがいい。新光三越の隣のビル、台北駅が一望できる。入っていくと特に3年前と変化はなかった。

 

早々にHさんと最近の状況について意見交換する。この3年で台湾はどう変わったのか、大変興味深い。そしてこのGH、これからいろいろと展開していくらしい。それもまた興味深い。中国大陸へ行かなくなった日本人は台湾へ来ていた。そしてバックパッカーもLCCの参入で、台湾が非常に近くなっている。今やバンコックから台湾へ来るより、日本から来た方がはるかに安い状況が出てきていた。

 

GHと言っても部屋は個室。狭いがベッドもあり、問題はない。リビングではWIFIも繋がり、快適。洗濯機もあるが、トイレが少し近くなったオジサンとしてはトイレ共同がちょっと大変?そんなこともないか。

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鼎泰豊

今回声を掛けてくれた香港のSさんに連絡すると永康街の鼎泰豊集合、と言われる。鼎泰豊は私が台北に駐在した80年代終わり頃は、正直学生が行く、シャビーな小籠包屋だった。細いビルの1階はオープンキッチンなどという洒落た物ではなく、単なるオープンスペース。屋台に毛が生えたようなイメージだった。そして細い階段を上がり、少し欠けた茶碗で茶をすすり、卵炒飯と鶏スープを食べた物だった。確かに安くて、美味かった。

 

それが90年代、宣伝広告に成功し、一気に一流?レストランに駆け上がる。そのスピードは驚くほどのもので、2000年代には北京や上海でもよく食べた。決して味が不味くなった訳ではないが(日本の高島屋の店は美味しくないと聞いたが)、このギャップが昔を知る者を少し店から遠ざける。台北では基本的に行かない店だった。

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店の前に行くと大勢の人が待っている。25分待ち、などという電光掲示板が出ている。店員は待っている人の間を回り、先に注文を取っている。何という賑わいだろうか。日本人も何組もいる。日本語も飛び交う。

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そこにSさんと京都のお茶屋のIさん、そしてS女史が既に到着していた。S女史は元政府専用機のCAだったそうで、今はお茶もやりつつ、マナー講座の講師などをしているらしい。一見して如何にも、という感じの華やかさがある。彼女は一昨日もここで食事をしたようで、店員の女性も覚えているらしい。目立つ女性は何かと得だ。

 

店に入ると2階に案内され、非常にテキパキと食べ物が運ばれてくる。何と店員は日本語を話した。あちこちで日本語が聞こえる。日本人観光客は必ず一度は来るらしい。店の経営手腕か、完璧に日本仕様で対応している。味はいつもと同じだが、雰囲気はまるで違う。全く違うところで食べているような錯覚を覚えた。4人でお茶話に熱が入り、ほぼ閉店までいたが、明日はどうなるのだろうか。

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