突然ベトナム中部散歩2011(6)ダナン 違うパスポートを渡すホテル

5. ダナン2   (1)   再開発の街

ホイアンからダナンまでは先日空港から来た道を逆走するだけ。マーブルマウンテンを通り、リゾートホテル群を抜ける。このダナン郊外のリゾートホテルを拠点にホイアン・フエを観光する人々もいる。ホテルは現在建設中の物もいくつかあり、リゾート開発、投資が盛んな様子が分かる。ダナンと言う街には観光資源はないが、ビーチがあり、近くに観光都市が存在することに価値があるのかもしれない。

一際立派なホテルが見える。クラウンプラザ、インターコンチGの高級ホテルだ。部屋数も500はある。後で聞けば、ここは中国資本が投資しており、週2便、中国各地から観光客向けのチャーター便をダナンまで飛ばし、このホテルに格安で泊めていると言う。中国式観光がここでも始まっていた。

市内に入るが、それほど発達した都市には見えない。人口は90万人。ベトナム第3の都市、というにはハノイ、ホーチミンとは比べ物にはならない。ただ街のそこここで古い家屋を壊し、新しいビルを建てている。そして一部にきれいな、高層ビルが出現。これからの発展が見えるような光景だ。

(2)  最悪のホテル

ホテルは街中のビジネスホテルと言った雰囲気。部屋は広いが、設備は・・。翌朝の朝食を見ても、ホイアンのホテルとは大違い。突然贅沢になってしまっている自分がいた。3年前ホーチミンで泊まったホテルと同じにおいがした。

街へ出ようとして気が付いた。フロントでパスポートを提示したが返してもらっていない。いや、よもや落としたのでは、一瞬嫌な雰囲気となる。急いでフロントへ行くと、何と『パスポートはフロントで預かることにしている』と、特に問題もないように机から取り出す。取り敢えず、そんなものかと思いながら、返してもらう。

※ベトナムではどこのホテルでも身分証を預かることになっているようだ。ということは、中国などとは違い、街中で身分をチェックされることはない、ということだろうか。その昔の社会主義、「外国人の行動は全てわかっている」的な名残なのだろうか。

翌日チェックアウトの時、驚くことがあった。何とフロントが日本人のパスポートを私に渡そうとする。慌てて手を振ると初めて、中を確認して、『あー、違った』と言う顔をする。これはトンデモナイことだ。日本人だからと言って適当に渡す。もし私がそのまま受け取っていたらどうなるのか、また私のパスポートを他人に渡していたらどうなるのか?恐らく日本人は他人にパスポートを必要とする人はいないが、それでも汽車や飛行機の時間に遅れるなどの被害があるはず。こんなホテルには2度と泊まりたくない。

ついでに言うと、ホテルから駅までタクシーで行くようフロントで教えてくれたが、誰もタクシーを拾うのを助けようとしなかった。これが後でトラブルのもとになる。

(3)    カフェ

夜は近所でまた好物のチキンライスを食べる。チキンがどんとのっかている。スープも美味い。生野菜も付いている。いいねえ、本当に。この店は地元民で相当繁盛している。ここも家族経営のようだ。ベトナムはまだまだ家族が力を合わせて生活していく様子が見える。

街をぶらぶら。道は薄暗いが所々におしゃれなカフェがあり、若者が入って行く。クーラーが効いていて内装がきれい。しかしコーヒー1杯、40000ドン、お金のある年配者が昼間に行くガーデンカフェで20000ドンだし、道端カフェなら6000ドンだから相当に高い。

バーやビリヤード場もおしゃれになっている。若者の資金源はどこにあるのだろうか?街の発展はこのようにしてなって行くのだろう。

カフェに入る気はせず、ホテルに戻る。途中にバンミーを売っていたので、買う。これもまた美味し。ベトナムは何を食べても美味い。幸せだ。

11月2日(水)   (4)   チャム彫刻博物館

翌朝はホテルの部屋の窓からいい感じの朝焼けが見えた。このホテルは市内では高い方。周囲が良く見える。ホテルの朝食はホイアンとは異なり、ガッカリ。そそくさと引き上げる。

今日は昼にはフエに行くので、A師より見るように言われているチャム彫刻博物館を朝一に訪れる。この博物館はホテルから歩いて、10分チョイ。河沿いにある。9時前にやっているかと見てみると既に開いていた。やはり中部の朝は早い。

雰囲気の良い中庭、吹き抜けの平屋の建物にヒンズー教の神々、シバやガネーシャなどの石像がいくつも置かれている。チャンパの遺跡から出土したものだという。ベトナムと言えば仏教を思い出すが、以前はチャンパ王国が栄え、ヒンズー教が信奉されていたことがよく分かる。中部ベトナムはやはり仏教とヒンズー教の文明の衝突点である。

裏庭には相当古い樹木がある。その下のベンチに腰を下ろすと、気持ちの良い川風が吹いてくる。チャンパの昔も、こんな風が吹いたのだろうか。



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