台湾一周茶旅2016(7)埔里から鹿港へ

宿に戻ると、ドイツ人がやって来た。台中でレンタカーを借りて、明日から梨山付近をうろつくというのだが、何と全く中国語はできない。漢字も読めない。それで運転できるのだろうか、心配になったが埔里まで来られたのだろうか大丈夫だろう。腹が減ったというので、さっきの温州雲吞屋に連れて行き、麺を注文してあげた。本当に大丈夫なのだろうか。麵屋のおばさんが、『あんたも食べていけ』というがさすがに無理だ。

 

すぐに夜はやってくる。今晩はWさんに勧められたどんぶり屋に行ってみた。バスターミナルのすぐ近くだ。店はきれいで中はお客、殆どが若者で満席だった。僅かに1つ席が空いており、何となく居心地悪く座る。焼魚定食がうまいというので頼んでみたが、なるほどという味。いつの間にか値上げしており、近辺の食堂からすると150元では高いと言える。もうちょっと落ち着いた雰囲気ならまた来るけど。

 

1117日(木)
バイクで茶園へ

 

昨晩Wさんと話している中で、魚池の茶農家へ行くなら、バイクで送ってあげると言われ、今日はお言葉に甘えて、出動してもらった。まずはサンドイッチで朝食を済ませる。それからおもむろに、バイクの後ろにまたがり、ヘルメットをかぶる。魚池に向かう道には広い国道があるが、今回は裏道から行くという。軽い登りが続く。車は殆ど走っていないのがよい。爽やかに風を感じる。

 

既にグーグルマップで正確な位置を見ていたので、田舎の住所表示のない道でもすぐにたどり着くことができるのは凄い。そこはきれいな庭がある農家だった。Mさんに紹介された王さんが迎えてくれる。王さんは2年前まで軍に所属しており、馬祖にも長く勤務したらしい。小柄で細身だが、体は強そうだ。最近故郷に戻って農業を継ぐことになった経緯はよくわからない。

 

裏を案内してもらうと、そこには茶畑がある。『ここはお客さんが来た時に見せるために茶樹を植えている』というが、なかなか良い風景だ。そしてガチョウが歩き回り、首を長くして啼く。お店に戻り、紅茶を頂く。ここは参入が少し遅かったため、紅玉よりも台茶8号を使った紅茶製造に特徴を出しているという。さっきのガチョウが生んだ卵も出てくる。何とも自然な雰囲気。

 

WさんはGHの仕事があり、先に帰ってしまったが、私は何と王さん一家のお昼に混ぜてもらった。ほぼ自家製の野菜、そしてさっきのガチョウなど、新鮮な料理が卓に沢山並び、皆で囲んで食べる。これは何とも嬉しい、幸せな、贅沢な時間だった。ご両親も日本に対する興味が強く、盛んに質問してきた。

 

午後は王さんの茶畑に連れて行ってもらう。魚池から埔里の方に行ったあたりの山の中にある。一時は檳榔の木ばかりだった傾斜地に茶樹が植わっている。既に今年の茶作りは終わり、西日を浴びて落ち着いた雰囲気である。元軍人らしく、実に誠実に茶作りに取り組んでいる王さんだった。

 

帰りは魚池のバス停まで送ってもらう。バスはすぐ来るだろうと思っていたが、午後の早い時間、バスはそれほど多くはなく、かつ埔里を通らずに台中に行くものもあり、ちょっと待つことになる。日差しは強いのだが、日陰に入ると風が意外と爽やかでよい。茶作りには風も重要な要素だろうか。

 

埔里に帰ると、こんな時間なのに洗濯を始める。GHにある洗濯機を使い、終わったら、近くのコインランドリーに持って行って、乾燥機にかけた。これならあっと言う間に洗濯が完了する。よく見ると街の至る所にコインランドリーがある。私のように夕方洗濯したい人々が次々に訪れている。ランドリーを使っている間に、横の店で夕飯を食べる。ここの排骨スープが何とも濃厚で私好みの味だった。

 

1118日(
鹿港へ

 

翌朝は早く起きて、PCなどを触って過ごす。旅をあまり続けると疲れがたまると分かっていても、埔里にもう用はないので、今日も出掛ける算段をしている。これまで行ったことのない場所がよいと思い、思い切って鹿港を目指すことにした。鹿港はその昔貿易で栄えたと聞いていたが、実際に行ったことはなかったので、楽しみ。

 

午前中にバスで台中駅まで出た。そこの旅行案内所で、鹿港行きバス乗り場を聞いたところ、この駅の裏手にあるというので行ってみた。ところがバス停が無い。その辺で聞いてみると、その内、バスは来るよ、と言われてしまう。でもバスはなかなか来ないので不安が募る。20分以上は待っただろうか、ようやくコースターのようなバスがやって来た。現金で95元を支払う。

 

しかしこのバスはそれから台中駅の反対側へ回り、そこをぐるっと一周して、客を拾っている。これなら、あそこで待たなくてもよかったのでは、とつい思ってしまう。しかもこのバスはその後高速道路で彰化の方へ行き、相当大回りしているようにみえる。田舎道を1時間以上かかって鹿港へ入った。きっともっと早いバスがあるに違いないと思ったが、まあゆっくり行くか。

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