台湾一周茶旅2016(6)港口茶から埔里まで

鄧さんの準備が整い、彼女の車に同乗して何とか出発したのは10時頃だった。バスではすごく時間が掛かると言われた(何と懇丁ビーチを回って向かうので)が、距離にすれば僅か10キロちょっとらしい。東門を出てまっすぐ進む。20分ぐらいで、茶山路という名前が見えてきた。港口茶の幟も立っていた。だが聞いていた住所を訪ねても返事がない。誰もいなかった、もぬけの殻。突然のことに私は途方に暮れた。

 

鄧さんも懸命に探してくれたが、いない者は仕方がない。道の並びに港口茶の幟を出しているところで聞いてみたが、『仕事にでも行ったんだろう』と言われてしまう。仕方なく、背後の丘に登ってみる。そこには正宗港口茶と書かれた、古びた小さな製茶場があり、更にその向こうへ行くと茶畑が見えた。茶畑は海に向かって伸びているが、今は茶作りの時期ではないようだ。いい風景が広がっている。この風景、何となく長崎県の彼杵の畑を思い出す。

 

 

そこの人に聞いていても、尋ね人の行方は知れなかった。完全に諦めて、先ほど訪ねたお茶屋さんに戻り、そこのおばさんに事情を話したところ、『港口茶の元祖はうちですよ』というではないか。そして奥から5代目の朱さんが出てきて、一気に話が弾んだ。相変わらずの茶旅だ。その経緯は既にコラムに書いたので、参照して欲しい。

 

静岡県茶業会議所月刊「茶」(20173月号)『台湾最南端の緑茶』

http://www.chatabi.net/colum/11293.html

 

 

港口茶については何となく分かったので、朱さんのもとを失礼する。鄧さんの車で、懇丁ビーチを回って戻ることになった。何とも天気が良いく、日差しがまぶしい。懇丁へ行く道沿いには何もなく、ただ自然が広がり、そして海が見えるだけの絶好のロケーション。車で来なければ、この雰囲気は味わえない。感謝、感謝。自転車で通り過ぎていく人も多い。

 

私が懇丁に来たのは1989年だから、今から27年も前。あの時はクリスマスで風が冷たく、寒かった記憶しかない。当然ながら、懇丁は大発展を遂げ、今では一大リゾート地となっていた。私が当時泊った最高級ホテルもまだ残っていたが、日本の資本ではなくなっているらしい。

 

若者向けのブティックホテルから、民宿、高級ホテルまでビーチ沿いは宿で一杯。そしておしゃれなレストランや土産物屋も並んでいるが平日なので人影はまばら。鄧さんはちょっと寄り道しようと言って、恒春に戻る道路沿いに車を停めた。そこには建築中の建物がある。『ここは知り合いが高級ホテルを作る予定で建てている』という。僅か6部屋だが、確かに高級感が漂う。新婚旅行にでも使うのだろうか。

 

ランチを食べようと思ったが、いいところがないというので、恒春に戻って、広東系の料理をまたたらふく食べた。それからバスターミナルへ送ってもらう。『高雄まで相乗りタクシーが安くて速い』と言われたが、あいにくお客もなく、タクシーもいなかったので、台湾好行バスに乗り込み、恒春を離れた。鄧さんには本当に世話になった。

 

バスは混んではいなかったのでゆったりと快適に過ごす。途中自然を売り物にした国定公園で停車したが、乗り降りする人はいなかった。高雄の左営駅まで僅か2時間ちょっとで到着した。これなら高雄空港に降り立って、そのまま懇丁へ行く外国人にも便利だろう。私は台中に向かって、高鐵に乗り込む。

 

台中までも1時間はかからない。本当に今の台湾は早くなったなと実感する。車窓から落ちる夕日が見える。高鐵台中駅から台鉄に乗り、台中駅前の先日の宿にチェックインした。今日は日本代表のサッカーの試合があるので見ようと思ったが、このホテルではそれを見ることができなかった。既にどこのホテルでは何が見られるのかがごちゃごちゃで分からなくなっている。それならあそこまで急ぐ必要もなかったと急に後悔するものの既に時遅し。腹が減ったので、麺を食べて寝る。

 

1116日(水)
4.埔里

 

翌朝はホテルの朝食を食べて、ゆっくりと出発した。今日は埔里へ向かう。南投客運ではなく、全航客運の方が近いので初めて乗る。基本的にはどれに乗っても料金も時間も同じだが、駅前、それもホテルの向かいから乗れるのが嬉しい。埔里まで1時間のバス旅。ちょっとワクワク。

 

埔里に着くと、前回も泊まったWさんのGHへ向かう。午前中から押しかけて申し訳ない。取り敢えず部屋に荷物を置いて、外へ出るともう昼ご飯を食べている。温州雲吞麺、これなぜか好きなんだよね。そして前回Yさんが落としてしまったメロンパン(私は小豆入り)も買って食べる。なんでこんなに食べるんだと自分でも思う。

 

 

今回埔里に来た目的は前回幻の茶園に案内してくれた葉さんを訪ね、もう一つの茶園(これも幻になる可能性ありということで)を案内してもらうつもりだった。だが、事前の意思の疎通がうまく行っておらず、既に冬茶の茶摘みは終了していた。これからそこへ行くことはできないという。ちょっと残念だったが、前回の幻の茶園、最後の冬茶を味わって満足した。更には『埔里はいいところだからちょっと長くいたいな』というと、何と上の部屋が1つ空いているから使ってもよいというではないか。早々に部屋を見学して、来年の拠点が決まってしまった。転んでもただでは起きない!

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