関釜フェリーで行く韓国2023(5)統一展望台から北朝鮮を眺める

朝ご飯を抜いていたら、迎えに来てくれたK社長がキンバを用意してくれ、車の中で頬張る。何とも旨い。本日は私の希望で、統一展望台に車で連れて行ってもらうことになった。元々一人で板門店へ行こうと思っていたが、手続きなども面倒そうなので、展望台に代わった。

ソウル郊外からだから40分ほど走ると、烏頭山(オドゥサン)統一展望台に着いた。ここは他の地域と違い、事前の許可なく、外国人でも入ることが出来、写真撮影も許されている。何と日本から修学旅行生も来ていた。そして漢江(ハンガン)と臨津江(イムジン川)の合流点にある展望台から北朝鮮側を眺める。私が北朝鮮を肉眼で見るのは、2009年の延辺朝鮮族自治区(中国)以来、実に14年ぶりだったが、対岸に人の気配はない。

外に出ると風が強く、帽子を飛ばされそうになる。70年前この付近でも様々なことがあったはずだが、今やそれを窺い知るものはない。ただ説明では厳冬期に歩いて川を渡って韓国側に来る脱北者は常にいるらしい。朝鮮戦争について説明するビデオが流れる中、何とも言えない気持ちになる。何となくイムジン川という昔のフォークソングを思い出す。

そこからすぐ近くに、K社長の会社があるというので、行ってみる。そこは出版社が集まる一つの巨大な街だった。政府の政策で集められ、もうかなりの年月が経つらしい。当初ソウル市内からは不便であり、評判は良くなかったが、今や郊外の環境の良い住宅地にもなっているようだ。しかし出版業界が38度線近くに集結しているのはどうなのだろうか。面白い形の建物がいくつもある。

市内に戻る途中、林さんの希望で、ランチにカンジャンケジャンを食べに行く。私は正直カニを積極的に食べることはないが、ここのカニは実に見事な見栄えで、分量も多く、しかも抜群の味で驚く。更に釜炊きのご飯、とんかつ、キムチ、うまい汁などがずらっと並ぶ。これで値段も手ごろというから、皆食べに来るはずだ。満腹でかなり苦しい。

そこから車で最寄りの地下鉄駅まで送ってもらい、K社長と別れた。K社長には今回大変お世話を掛けてしまったが、そのお陰でとても有意義なソウル旅が出来た。感謝し、次回の再会を願いたい。林さんと二人地下鉄に乗って景福宮を目指す。かなりの時間乗っていたので、その距離が分かる。

すごく天気の良い景福宮。何と今日は無料開放日だとか。そして各国の観光客、在住外国人が韓国伝統衣装を身にまとい、桜が咲き誇る庭を歩き回っている。この衣装も無料だというから、韓国のインスタ映えを考えたコマーシャルの上手さ、には感心するしかない。話し掛けた外国人の中には日本人もいてお互いビックリ。

そこから歩いて仁寺洞に行ってみる。以前何度か通ったお茶屋を探したが、見つからなかった。ここも外国人観光客が多く歩いており、既に韓国もインバウンド復活を感じる。疲れたのでお茶を飲む。最近仁寺洞にはお茶を売る店、飲ませる店がとみに増えている。これも観光客用だ。我々が入った店も英語が通じる。花茶を飲んでお菓子を頂く。

そこから更に歩いて行く。今晩はタッカンマリが食べたいと思い、以前行った店を目指していく。途中広蔵市場が目に入る。その中を歩いて行くと、既に路上に沢山の店が出て、多くの人が酒を飲みながら、巨大チジミなど美味しそうなものを食べている。思わずここで沈没しそうになりながら、何とか堪える。林さんも、フルーツだけ買う。次回はこの市場を目指すことになるだろう。漬物が豊富で、楽しそうだ。

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