モンゴル草原を行く2013(2)中国野菜を拒否する

8月11日(日)

ザッハで モンゴル産野菜

翌朝朝ごはんを食べに1階のレストランへ行くと、欧米人と韓国人のお客がいた。このホテルには誰も泊まっていないのかと思うほど静かだったので、意外な感じがした。やはりモンゴル、野菜は少ない。なぜか海苔とキムチはある。韓国人が多いのだろうか。昨晩長野から到着したOさんも加わって食べた。

 

今日は外出。これからの旅の準備をする。先ずは両替所へ。空港と比べて多少レートが良い程度。ただ人民元のレートが非常に良く見えたので、両替した。今や人民元はメジャー通貨扱いだ。

 

それからザッハと呼ばれる市場へ向かう。ここは庶民が買い物をする巨大市場。私はここで厚手の上着を購入した。それはこれからロシア国境まで北へ向かうとかなり寒いだろうという予想があったからだ。ここの服は殆どが中国から持ち込まれたもの。勿論輸送代の分だけ中国より高い。

 

服だけではなく、雑貨もあれば、化粧品もある。食べ物は専用の建物に入っていた。野菜を売っている場所に異変が起こっていた。我々はモンゴル文字が読めないが、多くのモンゴル産野菜が並んでいたのだ。4年前は基本的に中国産が並んでいたが、その後『中国食品の安全性』にスポットが当たり、拒否する人が増えたという。

 

芋でもキャベツでも、モンゴル産が好まれる。これは食の安全性もあるが、モンゴル人の中国に対する嫌悪感を表している。歴史的に複雑な隣国とはそのようなものだが、かなり中国からの投資圧力があるのだろう。

 

そして昼食へ。以前も行ったきれいなレストラン、外国人が多かったが、今では地元の人で込み合っていた。出てきた羊肉は美味かった。内臓系のスープも抜群。やっとモンゴルに来た、と言う実感が湧いてきた。

 

このレストランで頼んだのが『Sencha』。キレイなパッケージであり、中は使いやすいティパックになっていた。裏を見るとドイツ製となっている。何故ドイツ製のティパックがモンゴルに?この謎は後々解けていく。味はまあまあ。でもこれ煎茶なの?

 

午後はスフバートル広場へ行く。観光は夏がかき入れ時、と言われてが、この街の真ん中の名物広場に人はあまりいない。天安門広場なら人で埋まっているだろうに。モンゴルは本当に不思議な国だ。

スーパーで

夕方、高級スーパーへ。ここも以前来たことがあるが、かなりきれいになっていた。この4年間の変化、特に消費の伸びは十分に感じられるほど、モノの値段も上がっているし、地元モンゴル人の買い物客が増えている。我々は今晩、ホテルの部屋で宴会?を開くための食べ物を買い出した。


 

海苔巻、キムチなど韓国製が食べやすそうだ。ビールなどは世界各国の物が揃っていたが、中には地ビールもあり、牛乳のボトルに入っていた。面白かったことは割り箸がなかなか見つからなかったこと。モンゴルでは基本的にフォークやスプーンで食べるヨーロッパ風。ようやく見つけた箸もやはり韓国製。

 

カップヌードルも買ってみた。よく考えてみれば箸もなく、どうやって食べるのだろうか。この間インドでも同じ問題があった。解決方法は麺を短く切り、スプーンで掬って食べること。カップ麺も日本製は少なく、韓国製が圧倒していた。

 

外国産が圧倒しているこのスーパーで、日本が目立っていたのは何と日本茶コーナーがあったこと。それも棚3段。そしてティパックや『日本煎茶』『静岡茶』といった一般的なお茶だけではなく、知覧茶、屋久島茶なども並んでいたことには正直驚いた。一体誰が輸入し、誰が買うのだろう。日本人でないことだけは確かだ。モンゴルの日本びいき、日本のゆかりのある人が増えている証拠だろう。また日本側の事情としても、海外輸出を進めたいということの表れだろう。その夜はホテルの部屋でパーティー。東京からA先生及び内モンゴルからNさんも到着し、今回のメンバーが揃った。

 

8月12日(月)

ウランバートルはお金持ちが多い

翌朝はUさんが所属するモンゴル商工会議所を訪問した。我々の調査団はこちらの会員企業などをアレンジしてもらい、企業訪問、インタビューを実施、調査を遂行する予定である。その為の表敬訪問。会頭Dさんはかなりのやり手。先日国会議員にも当選したという。商工会も彼の牽引で地位が向上しているらしい。関係部署を回り午前中が終了。

お昼はスフバートル広場横のモダンなビルへ。このビルはルイビトンなどもテナントとして入り、モンゴルでは最も先端的なオフィスビルと言える。その中にあるレストランはカフェ風。香港にいるのと同じ気分になる。クラブサンドイッチも美味しい。お客はお洒落な30代が多い。

因みにこのカフェと同じフロアーには鉄板焼き屋とラーメン屋が入っていた。モンゴルも日本食ブームなのだろうか。残念ながら入って食べる機会はなかったが、料金はモンゴルとしては結構高い。

昨晩からホテルの部屋が同室になった、内モンゴル人のNさん。彼の帰りのフライトチケットを買いに航空会社オフィスへ。そこはかなり昔の中国のオフィスも思わせるスピード感。チケット1枚買うのに30分以上かかる。

そして今度はNさんと一緒に携帯ショップへ。モンゴルのSIMカードを買うためだった。ランチをしたビルにあるというので行ってみたが、そこはVIP専用。さすがビルが良ければ客も選ぶ。何とか一般向けのオフィスを探し当て、無事カードを購入。僅か数百円で通話とショートメッセージが出来る。よしよし。このショップ、結構スマホなども売っている。

話しによるとウランバートルの車の修理工はベトナム人が多いという。何故だか知りたかったが、行く機会を逸してしまった。メイドはフィリピン人から来るとか。モンゴル人もメイドを雇える層は英語ができるということだろう。人口の少ないモンゴルだが、意外とお金持ちが多いことが分かる。



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