ボルネオ探検記2019(7)KKからラブアン経由ブルネイへ

2月21日(木)
ラブアン経由ブルネイへ

朝6時前に目が覚めた。ホテルを早々にチェックアウトして、ジュッセルトンのフェリーターミナルに向かう。朝早いので車はそれほど走っておらず、荷物を引いて10分もかからず到着。午前7時前に窓口へ行き、フェリーチケットを購入。目的地はブルネイであるが、マレーシアのラブアンという島を経由していくので、2度乗ることになる。その通しチケットが買えた。60MR+税、国際フェリーとしては高くない。

 

本日も快晴で海はきれいだ。ターミナルには観光客が集まってきているが、彼らはラブアン行きに乗るのではなく、近隣のリゾート島などへ向かうらしい。乗船時間になっても、乗り込む乗客は僅か。フェリーは、香港から珠海などへ向かうサイズより小さい。席は指定されているが、実質自由席。1等と2等があるが、それも5MR程度の違いで、2階か1階らしい。

 

フェリーは揺れも少なく順調に航行しているが、海しか見えない、それも窓が汚れているのできれいには見えず、かなり退屈。そして何よりも寒い。船内のエアコンが効きすぎており、皆それを予想してか、かなりの厚着をしているではないか。何故エアコンを調節しないのだろうか。結局この寒さで眠ることも出来ず、3時間半の間、凍えて過ごすことになった。

 

ラブアン島には11時半前に着いた。ブルネイ行きのフェリーは午後1時半発だから、約2時間島に滞在する。ラブアン島と言えば、アジア金融の世界に身を置いた者としては何とも懐かしい。ここはマレーシアのタックスヘブンで、マレーシア内の外国企業が海外で資金調達する場合、ここラブアンに法人を設立して窓口としていた。しかしまさかこの島を実際に訪れることになろうとは、思いもよらなかった。しかもブルネイ行きの為とは、本当に驚きだ。

 

フェリーから見えた島は、一部に近代的な建物が建っていたが、全体としてはのどかな場所だった。街を歩いてみても、マレーシアの田舎町の雰囲気が出ている。荷物を持っているので遠くに行けず、近場を散策。コンベンションセンターなどもあるが、昔ながらのショップハウスが並んでいる。ターミナル前では免税と書かれた酒などが売られているが、これはKKやブルネイの人が買うのだろうか。

 

腹も減ったので、海南チキンライス(焼)を食べる。ここも華人経営、店は繁盛していた。店のおばさんが笑顔で接客しているのが良い。ターミナルに戻り、念のためにチケットを見せると、チケット売り場を指さされる。行って見ると、ここでも利用税?5MRを別途徴収された。知らないで乗ろうとするとちょっと面倒だったかもしれない。

 

乗船時間にコールされ、簡単な審査で出国する。乗客は先ほどよりもさらに少ない。この人たちはどういう目的で乗船するのだろうか。フェリーのサイズは国際船なのに先ほどよりもさらに小さい。何となく不安が過るが、今回は寒くないので寝てしまった。起き上がると既にブルネイに着いているではないか。

 

1時間半の船旅、ムアラというそのターミナルは本当に何もない所だった。入国審査は簡単だったが、荷物検査では機械を通したうえで開けるように言われる。密輸でも疑われているのだろうか。それが済むと何もない出口へ。僅かに小さな両替所が1つだけある。既にブルネイドルはKKで両替しておいたので問題ないが、ここのレートは良くない。

 

シムカードも売っていない。いや食堂や売店すらない。今日のフェリーはもう終わっておりチケット売り場は閉まっている。まさに裏口からこっそり入った感じだ。係員に聞くと、その内バスが来るという。タクシーは一台いたが、誰かが乗って行ってしまった。半数以上は迎えの車に乗り込み、バスを待つのは外国人だけ。

 

30分経ってバスが来た。やれやれと思っていたら、すぐに乗り換えを命じられる。ブルネイのバスはどこまで乗っても1ドル。因みにブルネイドル、理由は分からないが、シンガポールドルと等価であり、ブルネイでもシンガポールドルが使えると聞いた。

 

運転手にホテルの場所を告げたところ、うーんという顔をしたが、兎に角このバスに乗るしかない。ブルネイは資源があり、豊かな国だと思っていたが、郊外を走っていると本当に緑が多く、自然環境が良い場所だった。30分ぐらいで街中に入る。いつもならスマホ地図でホテルを探し当てるのだが、シムカードがなくそれも出来ない。不安に思っていると、運転手が急に停まり、『あのビルに裏だから歩いて行け』という。

 

行って見ると屋外マーケットがあったが、そこは行き止まりで大回りしていくと、ちゃんとホテルがあった。ちょっと古いが快適そうな部屋だったので、明日もう1泊をお願いすると『明日は建国記念日前日で満室だ』とあっさり断られる。仕方なく、街でシムカードを買い、両替所状況も調べようと出掛けたが、結局シムカードを買うことも出来ず、両替所も既に閉まっていた。

 

途方に暮れつつ、夕飯を探したが、マレーシアのような安食堂も見当たらず。夕日がとっぷりと暮れていく。ついにケンタッキーに入ってしまう。ここはマレーシアに比べて物価が1.5倍以上だと知る。食後は、街一番のモスクまで行って見る。ライトアップは素晴らしいがイスラム教徒でなければ堂内に入ることは出来なかった。何も調べずに来た私は久しぶりの厳しい洗礼に打ちのめされた。

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