ボルネオ探検記2019(8)ブルネイ 魔の金曜日

2月22日(金)
ブルネイ 魔の金曜日

翌朝はゆっくりと起き上がる。まずは8時から開いているという両替に向かう。両替所は開いていたが、何と人民元は両替できないと言われてしまう。この国には中国人は来ないのだろうか。慌てて米ドルを出すも、100ドル札しかなく、仕方なく日本円5000円札を渡すと、レートは非常に悪かった。日本人でブルネイに来る人は少ないのだろう。石油などの貿易ではあんなに緊密なのに。

 

朝ご飯を探すが、見付からず、バーガーキングを覗く。ところが開店しているはずなのに、お客はおろか、従業員も一人もいない。こんなファーストフード店初めてだ。仕方なくその裏へ行くと、華人経営の食堂がある。粥でも食べようと入っていくと、店員が『アメリカンブレックファーストね』というので、思わず頷き席に着く。茶を頼むと何も聞かずに、甘いミルクティが出てきた。

 

次にシムカード購入へ進む。午前9時からショップが開くというので行って見たが、ブルネイにはプロバイダーが2社しかない。安いと言われた方へ行くも、『もう安いシムはない』と言い放たれ、それならもう1社へと、向かいの店に入ると、店員はとても親切だ。だがシムカードは25BD(約2000円)と高額。それでもそれしかないのだから買う。競争が働かない国はこうなのだ。

 

それから王室資料館、ロイヤル・レガリアを見学。外観もモダンな作りで中も豪華。如何にもブルネイの王室関連らしい。無料で入れるが、靴を脱ぐことと写真は禁止。ブルネイの歴史、王室の歴史を知りたければ、ここに来るのが良い。観光客も多かったが、その苦難の歴史をどうみていたのか。入り口付近で写真を撮る人ばかりが目立つ。

 

ただ華人の歴史など、私の興味にある分野はないので、一周したら、すぐに隣の歴史資料センターへ移動した。ところが靴を脱ぎかけると係員が飛び出してきて『今日は休みだ、明日来い』という。金曜日も開放しているはずなのになぜだろうか。仕方なく、海の方へ歩いて行く。天気は良いので景色は良い。ボートから『乗らないか』と声が掛かる。対岸の水上生活者の村へ行くらしい。遠くに王宮も見えたが、その気分ではなかったので、乗らずに部屋に帰る。

 

12時前にホテルに着き、まずは横にあるショップで飲み物を買い込む。金曜日の12時から14時の間、この国の全て食堂、ショップは閉まってしまうと聞いた。勿論博物館も役所も交通機関も全て停まる。そんなことが出来るのはこの国しかないだろう。お祈りの時間は厳格だ。イスラム教+絶対王政、強烈だ。静かな時間が始まる。

 

そんな日にホテルを追い出される。どうせバスも動かないが、ホテルも実質停止だから2時まで部屋にいたいと言って見たが、なぜか1時にチェックアウトさせられ、後はロビーのソファーで寝ていた。1時45分位に外へ出ると、既に私有車は少し動き出し、職場に戻る人々が歩いていた。

 

この付近のホテルはどこも満員で予約できなかった。よく場所も確認せずに予約画面に出てきた中で手頃なホテルを予約したが、何とそこは中心部から7㎞も離れたところだった。どうやって行けばよいのか分からずにバスターミナルで聞くと、『55番に乗れ』という。そのバスは2時過ぎにやってきたが、そこにはなんと、昨日ムアラのフェリーターミナルから一緒にバスに乗ったアメリカ人がいた。聞けば昨日からそのホテルに泊まっているらしい。

 

バスはほぼ満員の乗客を乗せて郊外に走り出す。所々にショッピングモールなどが見え、ブルネイ人はちょっと郊外に住み、車で移動していることが分かる。バスに乗っているのは外国人、それも観光客と出稼ぎ者だった。30分ぐらい走るとアメリカ人が『ここで降りるぞ』という。降りて行くと店が何軒もあり、スーパーまであった。

 

その向こうに今日のホテルがある。場所が悪いだけに、値段の割に部屋は悪くなかった。明日の建国記念日の影響で中心部に泊まれなかった外国人観光客の多くがここに泊まっていて、ちょっと異様だった。お祈り時間のせいでランチを食べ損ねていたので、ホテル並びの食堂に入る。ウエートレスが恐る恐るやってきて英語で注文を取り終えると『やったー、出来た』と言う感じで、仲間と喜んでいた。

 

暑いのでスーパー見学。脇の入り口から入ろうとすると、そこはノンハラール部門。豚肉などハラール処理されていない商品が置かれていたが、売り場は凄く小さかった。正面から入り直すとすごく大きなスーパー。物価は日本より高いもの(野菜など)もあるが安いもの(肉など)もある。飲み物コーナーに大量の日本茶ティバッグがあったのは何故だろうか。緑茶ブーム?

 

特に行くところもないので、快適な部屋で過す。夜になり腹が減るとまた並びの別の店に入る。ディナーセットとして、パスタとドリンク、ケーキというのがあり、それを注文。ここのパスタ、うめ―!なぜこんなところの料理がこんなに美味いのだろうか。ブルネイ、侮れない。ケーキもまあまあで満足。これで11BDは高くはない。

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