ある日の台北日記2025その1(3)頭份から大稲埕

バスターミナルまで歩いて戻る。2時過ぎのバスに乗客はあまりいない。うつらうつらしている間に、高速道路を走り、気が付くと高速を降りていき、予定より10分遅れで頭份のバスターミナルに入った。そこには7年ぶりに会うジャッキーが待っていてくれ、彼の車で店に向かった。その店は3代前からやっている製茶機械の製造販売がメインだった。だが今回聞いてみるとジャッキーはお父さんの機械製造には関わらず、独自の道を歩んでいた。

そして台湾ではなく、イギリス・フランス・日本などのコンテストで入賞し、今では台湾でも有名茶業者となっていた。時々彼のFBは覗いていたが、まさかこんなすごいことになっていると、夢にも思わなかった。まだ自前のお店は持っておらず、実家でお茶を淹れてくれたが、淹れ方にもかなりの工夫が見られ、お客を楽しませている。これから東方美人の生産が始まるということで、ちょうど空いていたタイミングでやってきたが、大正解だった。

あっと言う間に3時間近くが過ぎ、帰りのバスの時間を確認すると、かなり間が開いていた。どこかでご飯でも、と考えているとジャッキーが弁当を手配してくれた。これがまた豪華で美味しい。量が多過ぎて全部食べ切れなかったのは残念だったが、家庭的なご飯がサッと出てくる台湾、やはりすごい。

バスターミナルまで車で送ってもらったが、何と時刻表の時間になってもバスは来ない。おまけにチケットは空席待ちになっており、金曜日の夜だからか、人はどんどん並んでいく。ここ苗栗は客家が多く住んでいるが「客家語を話しましょう」というスローガンが現状を物語っている。30分後、ようやく次のバスと2台一緒にバスが来た。我々は1台目に乗り込み、ホッと一息。1時間ちょっとで台北まで戻った。意外と夜遅くなり、疲れたが、いい旅だった。

6月14日(土)大稲埕で

翌朝は大稲埕でお茶屋に行ってみる。埠頭近くにある王錦珍、コロナ前に息子に高山茶コーヒーを淹れて貰って以来、来ていなかった。入っていくと奥さんが出てきたが、後ろに老板がいるのが見えたので声を掛けると、何となく思い出したようで、色々と話が始まる。老板とは、コロナ前何度かお茶関係の宴席で出会っていたが、ちゃんと話をしたことはあまりなかった。杉林渓茶が香っている。因みに息子は今年からカナダで働いているらしい。

王錦珍のすぐ裏は、錦記ビルになっていて、その横の陳天来故居は改修されている。来年には公開されるらしいが、どんな風になるのか興味津々。それから王瑞珍へ行ってみる。ここは一昨年訪ねている。バンコクの王瑞珍と親せき関係かどうか聞きに来たのだが、何とその後昨年、バンコクの王一家が台北にやってきて、初めて会ったという。私がきっかけで親戚同士が連絡を取り合うようになったのであれば、こんな嬉しいことはない。

ここでは玉山の高山茶が美味しかった。更には焙煎によってかなり味が変わること、お茶を飲みながら学んだ。こういう店が必要なのだが、後継者はおらず(娘たちに継がせるには大変過ぎる)、もう何年かで閉店するかもしれないと言われるとかなり寂しい。老板夫妻は二人ともかなり日本語が出来るので、日本とのビジネスも多かったろうが、日本側の購買力の陰りも影響しているだろうか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です