チェンマイ滞在記2024その3(2)アカ族のタンブン

今回連れて行ってくれたのは、チェンマイ大学手前のレストラン。その昔はドイステープ帰りの外国人観光客で賑わったという老舗だった。だが土曜日でもお客は多くない。今や至る所におしゃれなカフェやレストランが出来ており、老舗は検索でも引っかからなくなっているのだろう。またチェンマイ大学へ向かう通りは土曜日の夕方大渋滞しており、これも一つの要因かもしれない。ただこの車もチェンマイ大学付近に出来た夜市に向かう渋滞のようだった。

メニューを見ると、サンドイッチなどの洋食系もあり、またタイ料理も多く載っている。タイ料理といっても華人系の料理が多く、結局日本人も欧米人も中国料理系が食べやすい、ということだろうと想像する。チャーハンや春巻きを頬張る。横にはパン屋が併設されており、ケーキやお菓子も売っている。懐かしいバタークリームが目を引き、思わず少し買って帰ることになる。

8月25日(日)アカ族のタンブン

朝ボーッとパンをかじっていた。今日は天気がいいな、と外を眺めていると突然Hさんから連絡が入る。『今からアカ族のタンブンがあるから来ませんか』と書かれており、ちょっと面食らう。私が知るアカ族はその多くがクリスチャンで、仏教徒の行うタンブンという言葉が相いれない。とにかく折角誘われたので、何事かと急いで出掛けることにする。

メージョー大学近くのアカ族村までBoltで行けるのかとても心配だったが、車はスイスイと進み、見覚えのある寺(週2回市場が開かれる)なども通り過ぎ、あっという間に寺の教会に到着した。前をちょうどHさんが歩いており、合流する。取り敢えず教会横の村のカフェでドリンクを飲む。何だか若い女子を中心に皆が集まっており、お客は多い。ドリンク代は安い。

そこからタンブンがあるという村人の家へ行く。そこでは何と、神父さんがミサを行っていた。これは日曜礼拝の続きをその家に移ってやっているらしい。外にも椅子が沢山置かれ、大勢の村人が話を聞きながら待っていた。今日のタンブンというのは、新車購入のお祓い、のようだった。これはタイのお寺でよく見かける風景だったが、この村はほぼクリスチャンなので、神父さんが代行しているという理解でよいのだろうか。この辺が地元の伝統信仰とキリスト教が混ざり合っている、ということなのか。

食事の時間がやってきた。テーブルに案内されると、数人が席に着く。向こうに座った若者が突然『アンニョンハセヨ』と言ってきた。彼は韓国に3年出稼ぎに行っていたらしい。振り向くと近くのゴルフ場でキャディの仕事を終えた女性が入ってきた。実は村人は色々な仕事を持っている。こういう場では村の様子が意外と見えて面白い。

食事は結構辛かったが、味は良くてご飯を一緒にバクバク食べてしまった。この日のために豚さんが天に召されたようだ。新鮮な茹でた野菜にタレをつけて食べると旨い。裏庭ではHさんの奥さんらが、豚の煮込みを作っている。これまでも山岳民族の食事を何度か頂いたが、なぜこんなに美味しいのだろうか。

食後Hさんが出掛けるというのでついて行く。車で向かった先は、何とメージョー大学近くのケーキ屋さん。奥さんの親戚の女性、今日が誕生日らしい。だがこのケーキ屋に売っているのは、ドラえもんなど描かれた子供用ばかり。それでもHさんはそれを買い、村に持ち帰ってさっきのカフェで彼女に渡している。大人の彼女だが、喜んで写真を撮っているのが良い。そこに奥さんが登場して『夜の誕生会のサプライズだったのに』と言って立ち去る。ここで私の滞在は終了となり、わざわざ車で送ってもらって、宿まで帰ってきた。

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