ある日の台北日記2023その(3)南機場夜市と済南教会

夕方バスに乗り、南機場夜市を目指す。ここは全く初めて行く夜市。お目当ては台湾のおこわご飯、米糕。有名な店があるというので行ってみた。こんなところにも夜市があるのか、と思うほど、今や台湾は夜市だらけだ。夜基本的に出掛けないので、夜市にはあまり縁がない。名前からして元飛行場跡なのだろう。

入り口付近にある米糕屋には行列が出来ていたが、よく見るとテイクアウトの人々と分かり、席を探して適当に座る。何とか注文書を渡して待つ。徐々に日が暮れていく中、人が増えていく。久しぶりの米糕、やはり美味しい。昔拠点とした埔里の味が思い出される。排骨湯と煮卵もいい。その後夜市を散策。元々が行く人が来る場所ではないが、地元民で行列が出来ている店もあり、コロナからの復活が見て取れる。私はバスで早々に退散する。

4月14日(金)大稲埕から済南教会へ

朝はまた近所で蛋餅と大根餅を食べる。やはり台湾の朝食はバリエーションもあり、安価であり、そして旨い。もう言うことはない。そのまま近所を散策する。以前はよく行っていた市場方面を歩くと、お客も店も特に変わっていないように見える。帰りに宿泊先の横で、バナナを買う。これも台北生活のルーティンだ。

MRTに揺られて大橋頭駅へ向かう。ここから大稲埕を歩き出す。駅近くには十連棟という建物があり、この付近日本統治代は米などを扱う六大商家がいた場所であると書かれている。平日なので人は少なめであるが、お茶を売る店なども見られる。懐かしい警察署もあった。

本日は王瑞珍茶荘を訪ねてみた。実はこの名前、タイのバンコクにあり、3年半前に話を聞いていた。その際台北にも親戚がいる、ということだったので聞いてみる。突然の訪問にも拘らず3代目夫婦が招き入れてくれ、お茶を飲みながら色々と説明してくれた。やはりこの茶荘も元は安渓西坪から出てきており、王福記などとも親戚にあたるようだ。3代目になってから現在の店舗で小売りに転じたが、元は茶輸出を行っていたという。

そこから大稲埕の港を少し眺めてから、貴徳街をフラフラ歩く。相変わらず細い道だ。李春生記念教会、ここが目指す場所だったのだが、いつものように門は閉まっていた。あれ、と思い、案内をよく見ると、何とここではなく、済南教会と書かれている。実はここで李春生のひ孫さんと待ち合わせていると思い込んでいたので、大いに慌てる。

途中何とかタクシーを拾い、済南教会まで急行した。初めて見たが実に立派な教会が建っており、その後ろの建物の2階で、李春生生誕185周年の記念展示会が行われていた。ちょうど他のお客さん向けに説明が始まり、その流れについて行く。かなり詳しい展示内容、そして李家の大邸宅の模型などを材料に、その歴史が話されていく。これまで李春生については多少は調べていたので、その内容は非常に興味深い。

その後ジョンドッド関連のご本を頂き、更に李さんより日本語に関する質問を受ける。確かに李春生に関しては日本語の資料がたくさん残っているが、その漢字だけでは判別は難しい。李がなぜ台湾に渡ってきたのか、その辺の事情を解明してみる。いずれにしても李と茶葉貿易は重要な関係があるはずだが、何故かそれに関する資料は殆どない。

教会を後にすると、急に腹が減り、その辺の弁当屋に入ってご飯にありつく。排骨飯とは何とも懐かしい響きだ。台湾では食に困ることはない、というか、選択肢が多過ぎて悩むことは多い。安くてうまい、は台湾料理の代名詞。多少の値上がりはあるが、今だにそれは健在だと言えるだろう。

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