ある日の台北日記2023その(2)近所散策を開始

何と出てこなかった理由は『悠遊卡』を使ったからだった。3年半使っていなかったカードを恐る恐る使ったところ、ドアが閉まってしまった。パスワードなどが出て来るものと思っていたが、何とカードをかざせば開けられる仕組みだった。そんな勝手な大騒ぎの中、35年来のお知り合いTさんがやってきてくれた。昨晩台北に行くことを告げると『取り敢えず空港に行く』と連絡があった。もう4年近く会っていなかったが、全くこれまでと変わらないの普通の会話となる。何と自然なことか。

それから少しPCなどを触ってみる。空港のWifiはかなり強いので、何でもできるし、充電も可能。座って作業に励む。その内、家主の葉さんから連絡があり、家に向かう。結局タクシーには乗らず、いつものように文湖線で行く。家の前には果物を売るおばさんが全く変わらぬ姿でいたのが印象的。

3年半ぶりに家に入る。一番気になっていたのは荷物だったが、何とスーツケースには入っておらず(前回帰る際にケースは持ち帰っていた)、しかも親戚の子供が来て、私の荷物で遊んでいたというので、カビなどは生えていなかった。それでも3年半全く使っていなかった衣服なので、一部は捨て、残りは明日全面的に洗濯しよう。ここに残してきた資料もみな無事でよかった。涙が出る。

そうなると腹が減った。もう思い付くのは近所の麺屋だ。刀削麺の店で牛肉湯肉絲麺を頂く。この店、ちゃんと開いていてよかった。夢にまで見たモチモチ麺とコクのあるスープ。これが食べられる幸せ。値段も10元程度の上昇。といっても円換算ではかなりの上昇だろうか。まあ食べられる幸せが値段に勝る。他の店もあまり変わっていない。コロナの影響はどの程度だったのだろうか。

4月13日(木)懐かしの店から南機場夜市へ

爽やかな台北の朝。まずは近所をうろつき、いつもの店で総会三明治と氷紅でスタートする。ここも10元ほどの値上げ。特に卵入りは高くなっている。そのままフラフラ行くと、今度は大腸麺線の店がある。美味しそうだな、と思っている間に、足が勝手にそちらに行き、口は勝手に注文している。これはやはりうまい。何とも懐かしい味だ。

そのまま歩いていたら、以前あった古い市場が完全に解体されていた。スーパーもセブンに代わっている。やはり3年半の間には、それなりの変化があったのだろう。その先には新しいきれいな市場が出来ていた。2階には食堂街もあるので、今度機会があれば食べに来ようと思う。敦化南路の街路樹はそのままだった。

今やなんでもオンラインの時代だ。葉さんからもらったURLを開くと、そこではお茶販売の新しい試みなどについて、台湾人とシンガポール人で議論が交わされている。パティシエである葉さんの息子も堂々と英語で持論を述べている。こういう議論に日本人はなかなか加われない。台湾茶業も重大な変革期のようだ。

午後早々に約束を取り付け、双連までMRTで行く。駅から地上に上がると何となく懐かしい。思わず以前も食べた店で肉羹と魯肉飯を注文する。値段は10元ずつ上がっただろうか。ここの魯肉飯は肉がゴロゴロしており、何となく日本で食べるものを思い出させる。食後裏道を行くと、まだまだ古い店がいくつか残っており、何とも好ましい。

茶荘に湯さんを訪ねる。彼女とはもう20年近い付き合いになる。既に店は息子に任せて悠々自適かと思っていたが、知り合いと一緒に理想の高山茶を作るべく、現在も奮闘中らしい。昔はプーアル茶で一目置かれ、その後烏龍茶、紅茶などに取り組んだ茶商さんの追及はまだ続いている。その熱意には心打たれる。

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