チェンマイ滞在記2023 その3(2)プラーオ リス族の祭りへ

そこから堀沿いを歩いて行くと角に日本スーパーがあったので入ってみる。確かに日本の食品などが売られているが、特に欲しい物もなく何も買わずに出て来る。隣のパン屋でバゲットを購入して少し食べる。

夕方腹が減ったので三度目の外出。何だか急にクラブサンドイッチが食べたくなり、先日通り掛かった時に見た看板を頼りに、店を探す。何とか見つかったが、そこへ入り『クラブサンドイッチはあるか』と聞くと『ない』とつれない回答。そして看板からもその文字は消えていたが、メニューを探すとちゃんとあるではないか。それを示すと不機嫌そうにそこに座れという。サンドイッチは安くて旨かったが、その横柄な対応には驚く。華人にも色々な人がいる。帰りに看板の裏を見たら、ちゃんと表示まであって呆れた。

2月3日(金)リス族の村へ

本日はプラーオへ向かう。先日買ったロットゥ乗り場で、一緒に行くKさんと会う。それからSさん、Aさんと二人の若い女性も加わり、車はバスターミナルを離れた。何だか遠足気分だが、どういう人たちなのか何も知らない同行者たち。面白い。車は順調に進み、途中で山道を登るが、道は極めて良い。中間付近に観光スポットの滝があり、そこで降りた外国人がいた。

100㎞ちょっとを約2時間かけて、プラーオの街に到着する。小さなバスターミナルにはプラーオ在住のK氏が待っていてくれた。彼はリス族の奥さんと結婚して、数年ここに居住しているらしい。実は先週もここに来ていた人がいたようで、既に打ち解けている。早々に今晩の買い出しだと言って市場へ出向く。市場の規模は大きくはないが、魚介類、落花生から昆虫まで、色々と売っている。肉や野菜を買い込む。

それから車で30分ほど山道を登り、サムリ村へ行く。ここで本日リス族の年に一度のお祭りが開かれているというのだ。会場までのきつい登りを歩くと、そこには数十のテーブルが出て、民族衣装を着こんだリスの人々が皆で昼食を食べている。その光景は壮大で、ちょっと驚く。早々我々のテーブルも作られ、豚肉とタケノコのスープ、白菜の野菜炒めなど、シンプルなご馳走が並ぶ。米は何と陸稲だというが、予想以上の美味しさでビックリ。今日はお祭りだからいい物を食べているのだろうか。

気になったのが、村長の座るファーストテーブル。村長の横には白人が座っている。聞けば教会の神父だと。この村のリス族は基本的にキリスト教に改宗済みだといい、今日の伝統的な祭りにも、従来の精霊信仰的な儀式は一切行われないらしい。ここ100年ほどの宣教師の活動と山岳民族の改宗、極めて興味深いテーマだと分かる。

そんなことを教えてくれるのは、リス族研究者で最近近所の村に住み始めたUさん。何と日本でリス族を専門に研究しているのは彼と師匠しかいないらしい。幸運にも専門的解説を聞きながら、メインイベントの踊りを眺める。この踊り、皆が輪になって踊るのだが、その輪はどんどん広がり、いつしか日本人もそこに加わる。まるで映画の一シーンのように鮮やかで驚く。中心で楽器を奏でる男性の動きがコミカル。

私は踊りに加わらず、リス族の奥さんにお茶の話を聞く。何と彼女は英語の他、中国語も話せるのだ。この周辺に国民党の村があり、幼い頃からその村の友達と遊ぶのに中国語を覚えたというからすごい。彼女だけでなく、この村の人はかなり中国語が出来ることも分かるが、肝心の茶はないらしい。

チェンライから来た日本人の方も参加していた。彼は世界中の森林や農業に携わってきたと言い、今はチェンライ郊外に居を構え、支援に当たっているらしい。この地域であれば当然茶についても調査しており、貴重な見解を聞くことが出来た。単にリス族の祭りに来ただけなのに、次から次へと専門的な情報が入ってくるのは驚き以外の何物でもない。

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