ある日の台北日記2019その3(3)台湾世界遺産登録応援会と南投茶博

10月15日(火)
台湾世界遺産登録応援会

ご縁というのは繋がるものだ。13日に辛さんのお店に行った際、『明後日ロータリークラブの会合に、台湾世界遺産登録応援会のメンバーが10名程度参加されるので来ませんか?』とのお誘いを受けた。台湾世界遺産登録応援会は以前、『日本から台湾の世界遺産候補地を応援する会』という名前で聞いたことがあった。現在会の代表は、あの平野久美子さんだという。平野さんとは前から一度お会いしたと思っていたので、辛さんのお誘いに乗ってみることにしたのだ。

 

旭ロータリークラブでは、今年1月末に一度『台湾茶と日本』について、お話をしたことがあったので、馴染みがあったことも幸いした。会場はかなりの人々が集っており、盛況だった。台湾には世界遺産に成り得る観光地がいくつもあるが、それが登録されることはなく、現在に至っている。我々もそのような目線で観光地を見てみると、ちょっと面白いかも、と今回の話を聞いて思う。そこに茶関連は入ってくるのだろうか。

 

応援会のメンバーとして台湾南部を回って来られた平野さんとも初めて顔を合わせた。既にFBでお友達ではあったので、私の活動も多少見て頂いていたようで、初対面とは思われないお話なども出て嬉しかった。平野さんは20年近く前から台湾茶に関する著書もあり、現在は更に広がって台湾全体の歴史を丹念に調べて書いている。今回は1874年に起きた牡丹社事件について執筆され、ゆかりの地を巡ったという。

 

会のメンバーには、烏山頭ダムを造った八田与一氏(台湾では教科書にも載っている有名人)のお孫さんもおり、お話しする機会を得た。また数日前に茶業者から名前が出ていた徳光さん(前台湾加賀屋支配人)とも面識を得た。一度にこれだけのメンバーと会えたのはラッキーだったと言えよう。更にはロータリーメンバーの台湾人からも貴重な情報を得るなど、時にはこのような場に出る必要もあるな、と感じた。

 

10月17日(木)
南投茶博へ

今日は朝早起きして、高鐵に乗る。目的地は台中だ。午前9時前に高鐵台中駅で降りると、いつもの場所にトミーの車があった。彼も親族にけが人が出て、色々と大変であるらしいが、平日の日中だけなら時間があるというので、今回は中興新村で開催されている南投茶博を見学することにした。

 

40分ほど走ると中興新村に着く。ここはその昔台湾省議会が開かれていた街であり、20年前の議会停止以降は、どんどん寂れていく。今では古めかしい住宅が多く残っているが、住んでいる人は少ない。この古い家を改造してカフェでも始めれば人気が出るかもしれない、との話もあったが、役人の住宅だけにその権利関係と使用制限が邪魔をしているらしい。

 

駐車場所を探すのに苦労した。この南投茶博は何と11日間連続開催で、今日は後半に入った平日。まさかこんなにお客さんが来ているとは正直信じられなかった。だがそれは現実であり、車は相当遠くに停め、会場までかなりの距離を歩いていく。台北の茶博でも4日間なのに、なぜ11日間もあるのだろうか。そしてなぜこんなにお客が来るのだろうか。

 

会場に入ると驚いてしまった。茶荘のブースだけで200以上あるという。主催団体の鹿谷農会の林さんと出会ったが、忙しそうに動き回っていた。茶荘もテーマ別に分かれていくつもの会場に分散していた。そこを一つ一つ覗いて行くと、魚池や鹿谷の旧知の人々に出会い、旧交を温める。

 

国際茶席館などもあり、ペルシャやインド、そして日本の茶席もあった。日本茶席にはIさんがいたようだったが、挨拶せずに通り過ぎてしまった。日月潭紅茶専門の会場もあり、南投茶の特徴がよく出ていた。芝生の広場では千人茶会なども行われたようで、様々な茶イベントが続くのもすごい。

 

聞くところによると、連日お客が多く、茶葉の売れ行きも好調という店が多かった。特に入場料を取らない、というのが、来客数の増加、茶葉の購入に繋がっているという。また南投県の茶農家の出店が多く、宿泊など余計なコストがかからず、収支がよいとの話もあった。このあたりが、11日間も連続で茶博が開かれている主因だろうか。やはり儲けがなければ続かないはずだ。日本でこの規模の茶博が開ける可能性は殆どないだろう。さすが台湾の茶業界にはまだまだ力がある。

 

トミーの車で高鐵台中駅まで送ってもらう。まだちょっと早いので、台中駅まで行き、自強号で台北に帰ることにした。これだと2時間以上かかるが、料金は高鐵の半額で行けるのがよい。更には台鉄が好き、というのもある。台北駅に着くと、すぐに誠品書店に行き、『南投茶業誌』を探すが、中山店にあるというので、そこまで歩いて行き、確保した。これから少しずつ南投の歴史を学んでいこう。

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