ある日の台北日記2019その2(1)白酒会に飛び入り参加して

《ある日の台北日記2019その2》  2019年3月27日-4月2日

今年2回目の台北臨時拠点。今回はちょっと眺めにフライトを取り、ここから色々と出掛けることにした。既に1週間後には香港、福建の旅が控えていた。果たして、お茶の歴史調査はどこまで進むのか、新展開はあるのか。

 

3月27日(水)
台北へ

今回は日系航空会社のマイレージを使って飛ぶことにした。サーチャージが非常に安いのが有り難い。原油価格って、そんなに変動しているのだろうか。最近そんなことにもまるで関心がなくなっている。羽田の昼便なので、家を出る時間に何となく余裕もあってよい。桜の散る道を通りながら駅へ向かう。

 

日系空港会社、正直食事などの機内サービスは少しずつ落ちてきているように思えてならない。これは他の人も偶に言っていること。私も台湾線では出来ればエバに乗りたい派だ。日系に乗って充実しているのは映画ぐらいだとの声も出ている。取り敢えず映画を見て過ごす。

 

松山空港は狭いので到着すると、実にスピーディに事が運び、すぐに外に出られるのは良い。そしてシムカードを買い、国内線へ移動した。前回はここで荷物をロッカーに預けて出掛けたが、今回はPCを使って、終わらせるべき作業をすることにしていたのだ。セブンで飲物を買って、電源がある席に着けば完璧。これで2-3時間は存分に作業可能だ。

 

ところが大家の葉さんから連絡があり、あと1時間ぐらいで一度家に帰るから、そこで鍵を渡すという。それはそれで有り難いので、30分ほど作業してからゆっくりと地下鉄に向かう。最寄り駅まですぐに到着し、荷物を引いて行き、無事に部屋に入れた。約2か月ぶりだが、既に何が置いてあるのかも思い出せないほど記憶力は低下しており、一度荷物を出して整理を開始する。忘れ物が沢山あることに気づき、愕然とする。

 

夜、腹が減るといつもの店へ向かう。そしていつもの定食と、大根スープで腹を満たす。これはお金の問題ではなく、台湾でなければできないことだ。いつも無愛想な店員たちは、今日も無愛想だったが、それはそれでよい。その変化の無さがよいと思えるのも、またよいのだ。

 

3月28日(木)
白酒会に飛び入りして

実は相当に疲れが溜まっていた。何しろ、島根の旅、そしてハバロフスクから四川の茶旅を経て、ほぼ休みなく移動してきた。アユルベーダ的にはやってはいけない移動であり、最近のダメージ回復力の無さは、相当に実感している。いわゆる疲れが取れない状態で、何もする気が起きないのだ。だがそろそろ提出しなければならないものもある。頑張ることを放棄した数年だったが、どうしたものだろうか。

 

とにかく疲れを取るためには寝るのが一番だと分かっていた。幸い涼しい台北では、何も考えずに熟睡できる環境があった。ただ一つの懸念は原稿の締め切りだったが、それも集中できないのであれば、まずは体調を整えることを優先する。熟睡の条件とはお茶をたくさん飲まないこと、利尿作用とカフェインを抑えることが必須だろう。夕方まで睡眠を繰り返して、目もすっきりしてきた。

 

いつものTさんに連絡したところ、ちょうど食事会があるから飛び入り参加したら、といわれ、気分転換も兼ねて出掛けることにした。場所が客家料理屋というのも、何となく気分が乗るお誘いだった。MRT古亭駅で降り、ちょっと横道に入ると、そこには古びた建物が建っていた。晉江茶堂というお店、以前一度来たことがあるような気がする。

 

店内もレトロな雰囲気でお客は超満員。私は台湾に長く住む日本人の皆さんと共に客家料理のコースを味わう。どれも安定の味で美味しい。ただこの会が白酒を飲む会だと知り、かなりの場違い感は拭えない。何しろ私は酒を飲まないのだから。皆さんは自ら持ち寄った酒を次々に開け、論評している。

 

ただお茶についても色々と参考になるお話が聞けて良かった。食事の最後に擂茶が出てきたのにはびっくりしたが、これも台湾客家の伝統文化との位置づけだから面白い。そして皆さんが『意外と美味しい』というので、なるほどとも感じる。大阪で擂茶の販売をしているMさんの顔が浮かぶ。

 

実は翌日になり、昨晩のメンバーの一人の名刺をしげしげと眺め、ちょっと思い当たることがあった。夕方まで考えて、その方にメールした。『30年前、XXとご関係がおありでしたか?』、すると答えはYesだった。ああ、Sさんは30年前、ある台湾の著名人に紹介してもらい、ご自宅でご飯をご馳走になったことがあったのだ。やはり台湾は狭い、そして私の記憶力はどんどん衰えている。因みに私より先輩のSさんも『全く覚えていない』というので、少し安心する。

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