ある日の台北日記2018その1(1)カレーとたこ焼き

《ある日の台北日記2018その1》

5月上旬まで埔里を臨時拠点としてきたが、その拠点を失った。突然のことだったので、どうしてよいか分からず、しかも台湾に1週間後に戻ることにしていたので、大いに困った。そこを救ってくれたのが台北の葉さん。結局5月は台北を臨時拠点として、今後の身の振り方を考えることにした。

 

5月17日(水)
台北に落ち着く

1週間前は松山空港から羽田へ行ったが、今回は成田から桃園へ向かう。この差はかなり大きい。時間的な差もあるが、精神的にも距離がある。もう慣れたエバ航空で桃園に着くと、いつものルーティーンをこなし、バスで台北へ。これまではMRTで桃園、高鐵で台中だったが、埔里滞在が無くなり、台北になったことから、この辺は楽になる。とは言っても、当初は余り便利でない方が動きすぎなくて健康に良い、ということだったのだが、台北でも埔里と同じような生活が送れるのだろうか。

 

滞在先はMRT駅から近く、荷物を持っていてもあまり問題にはならない。鍵はそこの息子が開けてくれたので、今回はスムーズに入ることができた。午後7時前には荷物の整理を終えていたから、埔里よりはかなり早い。問題は夕飯かな。この付近、比較的良い住宅街のため、きれいなレストランはあるが、私が欲する昔ながらの食堂は少ない。

 

フラフラ歩いているとおしゃれなパン屋もやたらに多い。最近はご飯を食べずにパン食が多いのだろうか。その中で安い定食屋、いや弁当屋で中で食べられるところを見つけた。メインを1つ選び、野菜などおかずを3品選ぶ方式。ご飯も大盛りで、如何にも昔の弁当だ。これで70元は、この付近では突出して安い。

 

5月18日(木)
カレーとたこ焼き

翌日はゆっくり起きようと思ったが、早めに目覚める。やはり台北は大都市、埔里のように眠りは深くはならないようだ。ただ腹も減っておらず、ボーっと過ごす。午前中に外に出た。MRTで中山へ向かう。暇だから散歩しようと思ったが、思いのほか暑く、すぐに断念する。これもまた埔里とは大きく違い、都会には熱がある。

 

取り敢えず両替を試みる。埔里では馴染みに銀行、馴染みの銀行の人がいたのだが、ここでは同じ銀行でも支店がいくつもあり、そういうことにはならない。もう完全に埔里ロス状態になっている。銀行は広く、両替は2階に行かねばならない。更に申請用紙は自分で書く。たったこれだけのことで嫌になってしまう自分が怖い。日本円は相変わらず弱く、心に追い打ちをかけられる。

 

そういえばこの銀行の横には日本のファミリーレストラン、サイゼリアがあった。日本のロードサイド店舗とは違い、かなりいい場所に店舗を構えているが、ランチは99元で提供しているらしい。若者がどんどん地下の店舗に降りて行く。私も入ってみた衝動にかられたが、場違いな気もして止めた。

 

昼は旧知のBさんとコンビニで待ち合わせ。早く着いたので飲料コーナーを見ていると、いつの間にか緑茶ブーム?が来ている。『台式緑茶』『日式緑茶』『日本緑茶』など、細かく分類されており、驚く。一体何が起こっているのか。この辺はもう少しじっくり眺めて勉強したい。

 

Bさんとランチに向かったのは、いつも行く路上カフェの横にある店。そこで『カレーとたこ焼きのセット』を注文する。この組み合わせ、どういうことだろうか。興味津々で食べてみると、意外や美味しい。いや、両方とも個別に食べて普通に美味しい。勿論カレーにたこ焼きを突っ込むわけではないので。

 

店の台湾人に聞いてみると『いや、自分がカレーとたこ焼きが好きだから、両方食べたい人のためにセット料金を設定しただけ』とのシンプルな説明。確かに大勢の台湾人が日本を訪れ、その食べ物を好きになって帰ってきている。皆が高級料理を食べている訳ではなく、むしろB級グルメに嵌るのは必然のなり行きではないだろうか。そしてそれを屋台風の店で出すのも、いかにも台湾的でよい。因みに私は3月にたこ焼きが食べたくなって大阪まで行ったが食べ損ねたので、リベンジ?できた気分だ。

 

Bさんとは長い付き合い??だが、彼のルーツに台湾が関わっていることをこの時初めて聞いた。しかもそれがお茶とも関連があるというのでビックリしてしまう。台湾に関係する多くの日本人にはそれぞれのファミリーヒストリーがある。そして簡単には分からないその歴史に挑むことにはそれなりの意義があると、強く感じた。

 

MRTに乗り、永和の図書館へ向かった。ここの6階には既に何回も行っているが、日本統治時代の新聞が電子化され、簡単にみられるのがよい。なかなか見つからない茶業者の記事なども出てくるので、じっとパソコンに向かい、気が付くと何時間も経過していることが多い。USBを差し込めば、記事が無料でダウンロードできるのは凄い。こんな地道な努力が何になるのか分らないが、台北に来たからには、やはりここで資料を探そう。

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