ある日の埔里日記2017その5(9)鹿谷で勉強

10月31日(火)
鹿谷へ

翌朝は鹿谷へ向かった。これもいつものように高鐵台中駅までバスで行き、そこで台湾好行に乗り換える。今日は平日であり、天気もそれほど良くないので、空いていると思って行ったが、それでも渓頭へ行く観光客はいた。大体は年配者で、トレッキング目的のようだ。私のように途中下車する者は2-3の地元民以外いない。

 

9時半頃には鹿谷農会前に到着した。そこでUさんに電話を掛けたが、また寝ていた。昨晩は夜中の3時まで製茶していたらしい。ちょっと待っていると彼ら3人は2台のバイクでやって来た。ここではバイクは必須アイテムだ。農会にショップがあり、お茶などを販売している。まずはお土産として、Uさんお勧め筍クッキーを購入した。そこへ観光バスから大勢が降りて来たので、退散する。

 

今日は農会の林さんを訪ねることになっていた。林さんには先般、凍頂烏龍茶の歴史をご教授頂き、それらをまとめて雑誌に投稿した経緯があり、そのお礼及び献本のための訪問だった。と言いながら、私には次の目的がある。高山茶の歴史についても、また聞いてしまった。よいヒントが得られたので、これからそれらを検証していこう。

 

それから一軒の茶農家を訪れると、ちょうどお茶を作っていた。そこでも又、高山茶について聞いてみる。私は歴史を追っていくので、いつ始まったが重要なのだが、基本的に茶農家にとっては、いつ商業生産が始まったか、いつ儲かったかが重要のようだ。ただ何処が先に始めたのかは、やはり各地で論争があるのかもしれない。

 

昼ご飯を食べに行く。4人いるとそれなりのものが食べられる。久しぶりに竹筒飯を食べ、炒め物やスープなど、数種類を注文し満足する。これまで鹿谷に来ても、このような観光客が来る店に寄ることはあまりなかった。この店も裏には宿泊施設を持っているが、週末などは泊り客もいるのだろうか。

 

午後はUさんの用事で、茶業改良場の鹿谷工作站に赴く。これまで何度も話には聞いていたが、実際に行くのは初めてで興味津々だった。到着してみると、思っていたよりもはるかに立派な建物で驚いた。てっきり2-3人でやっているのかと勘違いしていたのだ。さすが政府の施設だ。目の前には茶畑が広がっている。

 

ここに先日魚池分場の場長になった黄さんがたまたま来ていたので、Uさんが会いに来たのだ。私も6年前からご縁のある人で、何とも懐かしい。ここでまた、高山茶のこと、緑茶のことなど、様々な歴史について、教えてもらった。これは何とも有り難いことだった。もっと聞きたいことがあったのだが、残念ながら私にはバスの時間が迫っていた。鹿谷は便利な場所だが、夜山を降りるバスは無くなるのが欠点だ。泣く泣くバス停まで送ってもらう。

 

台中駅に戻ると、埔里行バスまで時間があったので、とても気になっていた丸亀製麺に入ってみる。この丸亀製麺、中国でも香港でも見かけており、チェーン展開が非常に早いので注目している。入ってみると、日替わりのようなものもある。どれが一番人気かと聞くと『豚骨うどん』というから驚く。試しに豚骨うどんとお稲荷さん、唐揚げのセットを注文する。

 

豚骨うどんの味をちょっと心配したが、どっこいスープがいい味出していた。麺は心持ち柔らかめだが、ほぼ日本に近い。お稲荷さんだけでなく唐揚げも付くところがいかにも台湾的でよい。これで159元、大盛りでも200元はしないので、日本よりも安く感じられる。メニューも色々と工夫し、麺の硬さも地元に合わせる、この手法、今後どこまで伸びるだろうか。

 

11月2日(木)
東京へ

今日は東京へ戻る日。いつものようにバスで台中、高速鉄道で桃園、MRTで桃園空港に着く。桃園空港でもカウンターは開いておらず待つ。およそ2時間前にチェックインが始まり、早目に済んだ。何しろ成田のカウンターより処理速度がかなり速いのだ。これは有り難い、というか、日本は丁寧にやればよいと思っており、もう少し相手を見た対応を考えるべきだ。

 

今回は往復日系LCCに乗る。座席は予め予約しておいた通路側。確かに予約する時、『この座席はリクライニング出来ない』と書いてあった。私は普段リクライニングしないので問題ないと思っていたが、どうしてその席だけ空いていたのか、搭乗してみてよくわかった。

 

前の人が大きくリクライニングしたので、私のスペースは相当に狭くなってしまったのだ。これではたまらないとリクライニングのボタンを探したがない。それをCAに訴えると『その席はお客様が選んだ』と言われてしまう。確かにそうなのだが、広い座席を売っているこの会社からすれば、狭い座席は割引すべきだろうというと黙ってしまう。

 

まあ3時間のことなので、眠っていればよいと思ったが、ついでに行きの出来事も説明してみた。そのCAは状況をよく理解できたと見え、『家族を引き離してしまったのは申し訳ない』と言い出した。ではなぜそんなことが起こるのかと尋ねたが、彼女はそこをはっきりさせられないようだった。いずれにしてもLCCは安いから不便でも仕方ない、と言ってきたが、既に通常の航空会社がかなり料金を下げてきており、これからはかなり厳しくなるだろうな、と勝手に思ってしまった。

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