ある日の埔里日記2017(13)元日のお客さん

128日(土)
元日のお客さん

 

昨晩は寝るのが遅かったので、朝はかなりゆっくり起きた。元日の朝は快晴だ。素晴らしい1年の始まり。昨日あんなに食べたのに、それでも腹は減る。果たしてどこで飯にあり付けるのかと危惧しながら下に降りると、何と宿泊先の下の店が開いているではないか。『新年快楽!』と声を掛け、名物のおこわご飯と大根スープをもらう。これはいい始まりだった。

 

部屋に戻りゴロゴロしていると、メッセージが入る。上海在住のTさんが台湾入りし、昨晩は台中に泊まっていたのだが、もうこちらに向かっているという。正月は道路も混むので、いつ来るかわからないとたかを括っていたが、結構近くまで進んでいるようだ。慌ててバスターミナルへ行く。

 

そこにはTさんが予約した民宿のおじさんも迎えに出てきていた。Tさんが予約したところ、私は勿論知らない場所だったので、実は昨日念のため、場所を確認しに行っていただが、探すのにかなり苦労した。そこは私の宿泊先からでも歩いて15分以上はかかるので、バスターミナルからだと30分近くかかる新興住宅街。921地震の後に開発されたちょっと高級な場所だった。宿の奥さんに声を掛けて事情を説明すると、『日本人が泊まってくれるのは珍しい。迎えに行くよ』と言ってくれ、ご主人が来てくれたわけだ。

 

だがバスは予想通り渋滞に嵌り、なかなか到着しなかった。それでも通常より30分程度の遅れでバスがターミナルに入ってきたのでホッとした。車ですぐに宿泊先に向かう。歩くと大変だが、車なら5分で着く。この宿は昨年開かれたばかりで、明るくてきれいな民宿。一階のリビングには本がたくさん置かれ、くつろげるスペースになっている。2階の部屋も居心地のよさそうな、ちょっと可愛らしい若者向けの作りになっていた。

 

すぐに宿を出たが、行く当てはない。Tさんはただ街歩きをしたいというので、歩き出す。1月末の埔里はそれほど暑い訳ではないので、歩くにはちょうど良い。取り敢えず埔里の観光地、18Cに向かう。Tさんとしては今まで訪れたことのない場所に来てみる、という狙いだけなのでそれで十分らしい。正月の埔里は歩いている人もまばら、特に見る物もない。そんな中で18Cだけは観光客で賑やかだった。

 

それから適当なカフェを探して、お茶を飲んで話す。彼とはFB上でその動向をいつも見ていたが、会うのは2年ぶりぐらいだ。積もる話というより、最近の中国の状況などが話題になる。いつも鋭い分析で人々をうならせているTさんの解説は聞きごたえがあった。ついつい時間が過ぎてしまう。

 

夕飯を探してまた歩き出す。閉まっている店が多い中、普段私が立ち止まることもない、こぎれいな石鍋の店に入ることになる。そこはジンギスカン鍋を謳っているが、なんで埔里でジンギスカンなんだろうか。見ると比較的若い人を中心に結構な賑わいを見せているので驚いた。地元の人は地元に料理に飽きているということだ。

 

先に肉と野菜を炒めている。それを取り出し今度はスープを入れて、残りの野菜や豆腐を煮ている。何とも独特な作りだった。食べてみるとこれがあっさりしていて意外とうまい。更にはTさんがご飯とたまごをもらってきて、自ら〆のおじやを作ってくれた。これは実に美味しかった。日本の味は不要だと言いながら、こういう飯は時々必要だと感じた。

 

食後、また散歩しようかと思ったが、もう疲れたのというので、日本人Wさんが開いているゲストハウスに遊びに行く。彼は奥さんが台北に住んでおり、大晦日をご両親などと過ごすため、台北に行っていたが、ちょうど帰ってきていた。正月はお客さんが多いのだろうか。そこで1時間くらい雑談してから、ゆっくりと宿に送っていき、正月元日は終了した。たまにお客さんが来てくれるといつもと違う埔里が見えられて面白い。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です