茶の源流を訪ねるベトナム茶旅2015(16)アジアの厨房から

11月1日(日)

アジアの厨房から

翌朝も快晴だった。朝食を食べていると、Uさんがスーッと奥の厨房に消えていった。また面白いことが始まりそうだと思い、後からこっそり着いていく。見ると、葉を採り除いた茎?枝?を釜で炒っていた。茎茶を作っている。更には昨日から作って置いていた茶葉をポットに入れて試飲を始めた。だがやはりどうしてもかなり渋いようで、顔をしかめている。

DSCN9188m

 

するとそこにいた若い女性が、何かビンを持ってきた。既にUさんとかなり仲良くなっているようだ。見ていると彼女はその中のものを、お茶が入ったカップにタラリと垂らしていた。それはハチミツだった。この辺りでは、蜂を飼い、蜜を採っているらしい。自家製だ。

DSCN9189m

 

そして渋いお茶に入れて飲むのだという。それならよく分かる。ベトナムの人も必ずしも渋いお茶がこの実とは限らない。確かに甘い蜜は有効だろう。ベトナムではこんな工夫が行われていると分かった。因みに彼女はバナナも持ってきて、お茶と一緒に食べろ、という。彼らは渋いお茶をそのまま飲むのではなく、当然ながら色々と対策をとっていたのだ。これは発見!

 

Uさんは自分でも『人の家やホテルの厨房に入るのが大好き』だというから、それならいっそのこと、この趣味?を使い、『アジアの厨房から』という企画で、どこへ行っても厨房に潜り込み、お茶を作り、そこで何かを発見してレポートすれば、これは読者の大いなる注目を集めるのではないかと思う。地元の人との交流、などと口では言うものの、真の交流ができる人が決して多くはない。UさんやSさんは、どんな人ともすぐ親しくなるという武器を持っており、これを活用すればきっと面白いことが起こる。いや、現に起こっている。

 

またモン族の家へ

そしてホテルをチェックアウトして、また車に乗る。今日はハノイへ帰る日だ。だがフライトは午後なので、午前中は道中にあったモン族の家へ立ち寄る。この家には珍しく一家全員が揃っていた。今日は農作業、休みだろうか。道路脇から少し上ったところにある家へ招き入れられた。

DSCN9192m

 

中は薄暗い。Sさんは早々に家内を物色?いいナイフを見つけた。ご主人がそれを見て立派な鞘を持ってきた。きっと自家製だろう。実に格好いい!家の女の子にモン族の子供の衣装を着てもらった。とてもかわいい。これも全て手縫い。お母さんの作品だろう。本当の手作り、それは何にも増して暖かいように思う。

DSCN9203m

 

外には竹などの材料が放置されている。農作業だけではなく、何かを作って生計の足しにしているのかもしれない。蜂を飼う箱も置かれている。Uさんは野菜などを担ぐ、籠が気にいったようで、自分でしょって記念撮影。何だか人の家に来てやりたい放題なような気もするが、それがまた交流を生んでいる。

 

この家を辞してまた車で進む。既に平地となっており、農作業する人々が見えた。何か長い草を刈り採っている。燃料になるのだろうか。向こうには水田も見えている。実にのどかに見える農作業だが、暑い中、毎日これを続けるのは大変なことだろう。実は道路脇で喧嘩している人々を見た。何かの拍子に日頃の不満が爆発する、ということは十分あり得る。

DSCN9212m

 

7.ディエンビエンフー2

戦地跡観光

車は昼前にディエンビエンフーに入った。まずはランチということで、また同じレストランに入ろうとする。ツアーの場合、提携レストランに連れていくことに決まっており、旅人の自由は本当にない、ということがよく分かる。ガイドによれば『日本人が行けるような清潔なレストランはない』ということだが、果たしてそうだろうか。ところが、数日前に行ったレストランは、何と結婚披露宴が行われるとかで、その準備のため、使えなかった。

 

仕方なく、向かいのレストランに入る。ここも提携先なのだろうか。サイゴンビールを皆さんが頼んだので、一口飲んでみたが、なぜかとてもまずかった。食事もうーん、どうなんだろうか。急に外国人が来たからか、それともここがベトナム人のスタンダードなのか。横のテーブルで食べている炒飯は実に美味しそうに見えるのだが、それを食べさせて欲しい!

DSCN9217m

 

午後は二手に分かれた。M先生など、前回もここに来たメンバーは郊外の立派なホテル?を見学に行った。我々初めてディエンビエンフーに来たメンバーは、取り敢えず、戦いの爪痕を辿ることにした。まずは戦争博物館へ。ここは箱モノ行政的で、モダンな建物だった。1.5万ドンの入場料を払って中へ。

DSCN9221m

 

1954年、ベトナムは宗主国フランス相手に独立戦争を戦っていた。そしてこの地で勝利し、独立を決定づけたと言われている。まさに聖地だった。先ごろ亡くなったこの戦いの英雄、ボーエンザップ将軍やホーチミンの胸像が置かれており、戦いの経緯が克明に展示されている。

DSCN9224m

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です