京都茶旅2015(1)ぷらっと宇治へ

《京都茶旅2015》  2015年10月4-8日

 

何となく京都に行きたい、と思うことが偶にある。ちょうど半年前、高野山から茶筅の街を経由して、なぜか辿り着いた京都。その行程の中で、和歌山で明恵上人と出会った。明恵上人のお寺、高山寺に興味を持つ。そこには日本最古の茶園があるという。栄西から明恵に渡った茶の種、お茶の世界ではよく知られた話となっている。

 

そして金閣寺近くのISO茶房を訪ねた時、『店の畳の部屋に寝ることができる』と聞き、いつかここに泊めてもらおうと思っていた。金閣寺から高山寺は意外と近いらしい。今回は思い立って、京都だけにじっくり滞在することにした。さて、そこで何かが見えてくるだろうか。

 

1.宇治

10月4日(日)

ぷらっとこだまで京都へ

静岡で買えなかった『ぷらっとこだま』という商品を予約した。そして受け取り場所として、わざわざ東京駅構内にあるJR東海ツアーズに向かった。勿論郵送を依頼することも出来るのだが、送料もかかるし、何事も経験。ちょっと待っている間に店内を見ると、『京都格安ツアー』などのパンフが見える。何とこだまではなく、のぞみに乗り、京都の宿泊まで付いても、2万円台からあるという。

 

担当の女性も私がこだまの往復を予約していることにちょっと怪訝な顔をした。『もしお仕事でしたら、次回はこちらの方がお安いですよ』というではないか。なんだそれ?ぷらっとこだま、を購入する人は、『一般的に関西に実家がある』など宿泊場所があり、『片道だけ使う』などの制約型が多いのだそうだ。もし京都往復なら、わざわざこれを使う必要はないのである。何故なら『このチケットは不便なことが多いですから』と笑う。何ということか。

 

当日9:04品川発のこだまに乗るのに30分以上も前に品川へ行く。もし山手線が遅れて予約した電車に乗れなくても、全て自己責任。払い戻しは受けられない可能性があるというのだ。そしてこの商品についている『ドリンク引き換え券』の受け取り場所も探さねばならない。何とこだまには車内販売がない。ドリンク一本無料なのだが、それは駅の指定された場所でのみ、受け取れる。何と面倒な。いつもの崎陽軒しゅうまいも買い込み、改札へ。ところがチケットが自動改札を通れない。紙のチケットだった。駅員に提示して通してもらう。何という不便さ。

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ホームへ行くとのぞみやひかりが次々にやってくるが乗ることができない。外国人観光客の姿が多く見られる。するとホームの駅員のアナウンスが日本語だけではなく英語でも行っていることに気づく。これまでテープによる英語放送は何度も聞いているが、肉声でのアナウンスは初めて聞いたかもしれない。これは外国人にとって、かなり有難いことだろう。

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ようやくこだま入線し、乗り込む。意外と混んでいる。だが、京都までずっと乗っている好き者は少ない。浜松あたりまでには皆降りているようだ。新幹線の各駅停車は、いくつもの駅で沢山ののぞみやひかりに抜かれていく。その度に駅に停車してそれをじっと待つ。十数年前、東北新幹線が電気故障で、全ての電車が各駅停車となり、しかも1駅で30分も停まっていたことがあった。あれを思い出した。それにしても新幹線にはこんなに駅があったのか。合計約4時間、何とか京都にたどり着く。

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いきなり宇治へ

相変わらず予定のない旅ではあるが、一昨日連絡していた宇治のお茶屋Tさんから『暇が出来たから、来てもいいよ』という返事があり、まずは京都駅からそのまま乗り換えて宇治へ行くことにした。もう慣れた宇治行き。快速電車に乗り、13時20分ごろには宇治駅に着いた。

 

だが、Tさんは駅前にいなかった。『事前に電話して』と言われていたのに、メールしかしなかったからだ。慌てて電話すると『今町内会の運動会に来ている』というではないか。そしてバスで来るように指示を受ける。何とちょうど言われたバスが来た。何ともラッキー。初めてバスで宇治田原へ向かう。

 

バスは市内を抜けて、上りとなる。途中に博物館が見え、老人ホームも見えた。結構な山道を越えていく。いつもはTさんの車でスーッと過ぎていた道。終点まで乗れという指示だったので、そのまま乗って行く。維中前、というバス停が終点であり、そこでは確かに運動会が行われていた。Tさんが来ているところだとすぐに分かる。正式名称を宇治田原町立維孝館中学校というらしい。

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実はTさんの家はこのバス亭の更に1つ先。近くに工業団地があるようだが、休日のせいか、そこまで行くバスはなかったので、歩いていく。まあとにかく言われた通り行くしかない。いい天気の日曜日の午後、消防署の前を通り、既に刈り入れが終わった田んぼの横、荷物を引き摺り、トボトボ歩く。

 

 

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