静岡茶旅2023 その2(4)川根へ

K先生の車で金谷駅まで送ってもらい、JRで焼津に戻る。またSさんにピックアップしてもらい、Sさんのお寺へ向かう。ご住職でSさんのお父様のお話を聞く。曹洞宗大覺寺全珠院、日本一の千手観音を持つ由緒あるお寺だった。お寺とこの付近の歴史も極めて興味深いが、基礎知識が無いため、なかなか消化できない。とにかく歴史は古く、そして複雑に絡まっている。

夜は美味しいうなぎをご馳走になる。Sさんの妹さんとそのお子さんも参加する。何だかうなぎのフルコースを頂いたようで、満足この上ない。お話を聞いていると、日本のお寺というのはなかなか難しいものだと思う。それでも相応の歴史を有してきたということは、それに何らかの意味があるということだろう。帰り際、小雨が降り出す。

8月31日(木)川根へ

本日は東京へ帰る日。何となくMさんに会いたくなって川根へ行くことにした。Sさんが車を出して連れて行ってくれた。元々は金谷から大井川鉄道に乗るつもりだったが、何と先日の災害で、途中駅までしか運行していないらしい。まずはいつものような焼津に出勤し、そこから川根を目指す。意外と時間が掛かる。

何とか川根まで辿り着いたがMさんの家が分からない。8年前に一度お邪魔したが、道など全く覚えていない。最後は連絡して救出してもらう。M家でお茶を飲みながら、森薗さんの話などを聞いた。印雑や藤かおりなど、Mさんは10年も前から香り品種に取り組んでいた。今回飲んだ烏龍茶、ウンカが噛んでおり香りがすごかった。

茶畑も案内してもらい、おしんの畑(おしんのモデルになった人物がこの付近で茶畑をやっていた?)などの説明を受ける。Mさんはいつも実に色々な試みをしており、感心してしまう。取り敢えず現在の茶業界に一石を投じたいという気持ちが良く伝わる。もう10年も前に日本茶の歴史をライターに語っており、その取り組みの速さが注目される。

そこから静岡駅方面へ戻る途中、山道を走ってもらい、聖一国師生誕地を訪ねる。この前は国師のお墓を訪ねたが、そこはバスで行けた。今回の場所はバスでは難しそうだったのでお願いした。栃沢、『径山茶伝来の地』などと表示がある。浙江省径山へ行ったのはもう6年位前か。

山の中ののどかな集落という感じの場所には、茶畑もあり、生誕地の石碑も立っている。『幻の茶 伝説の彩』などという看板も立っている。最近は聖一国師の伝説も注目されているのだろうか。まあ彼が中国から持ち帰った茶を栃沢に植えた、というのは色々無理がある、というのが専門家のお話ではあるが、どうだろうか。国師が持ち帰ったものとしては、うどんやそば、味噌などの方が有名かもしれない。

車で静岡駅まで送ってもらい、Sさんと別れた。今回は彼女のお陰でいつもより沢山の場所へ行くことが出来た。感謝しかない。取り敢えず昼ご飯を食べていなかったのでエキナカで寿司を頬張る。それから京王バスのチケットを買い、午後早い時間ながら東京へ戻る。実は本当は県立図書館で調べものする予定だったが、なんと月末休館日で叶わなかった。

バスは半分も乗客はおらず、ゆったりと座っていく。順調に走行し、途中の休憩所では、夕暮れの富士山を拝んだ。新宿駅まで僅か3時間半で到着。なんだかんだで新幹線に乗るのとそれほど変わらない。料金は半額だから、これからはこちらを主に利用しようか。

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