東京高知関西茶旅2023(3)高知城見学、そして佐川の茶工場へ

そういえば家の横に駐車場があったのだが、石さんが『月決駐車場』って何?と突然聞いてくる。確かにそう書いているのだが、彼女は続けて『東京は月極だった』というのだ。やはり漢字圏の人たちは見ているところが違うとはいつも感じることだ。『月決』はマイナーらしいが、この地域では使われている。

車は高知城まで戻ってきた。我々はここから市内を少し散策してホテルにチェックインする。面白いのはYさん、自宅に戻るという。ホテルの駐車場に停めて一緒に散歩しようと言ってみたが、『夜は酒飲むので』と。実は我々東京から来たメンバーは誰も酒を飲まないのだが、『高知人は酒を飲みます』ときっぱり言われて笑ってしまった。

高知城に入ると山内一豊と妻の像がある。ここで何と陳さんがぐっと前に出て、極めて詳細な説明を台湾華語で始めたのには、本当に驚いた。陳さんは歴史好きで、相当本を読みこんでいる。恐らく普通の高知人よりははるかに詳しいと思われ、その後は彼をガイドとしてついて行くことになった。

小雨が降ってきたので、近くのセブイレブンでビニール傘を買う。ついでにスティーブが森永のジャンボモナカアイスを食べようと言い、全員分購入してくれる。私は数年ぶりに食べてみたが、意外にも美味しい。森永との繋がりが大きくなってきているせいだろうか。Oさんからその製法の綿密さを説明されたからだろうか。

最後にひろめ市場をさっと見る。時間的に早いこともあり、お客は多くはなかった。そして彼ら一家は皆酒も飲まず、生魚を食べないので、それほど興味も沸かなかったらしい。ホテルまで歩いて行き、チェックインする。荷物を部屋に入れて少し休むとまた出掛ける。夕飯はYさんが予約してくれていた。

高知に来たらカツオのタタキなのだが、残念ながら彼らは食べない。鍋や野菜など、それぞれが食べられるものを注文して、腹一杯になるまで食べた。Yさんの酒量も相当なものだった。そしてここでも話しはかなり盛り上がり、喜ばしい夜となる。帰りにアーケードを通っていると、何とそこにマジシャンが待っていた。Yさんの教え子だと言い、わざわざ待機してくれていた。そのマジックは本格的で皆を喜ばせた。駅方面へ帰る道にはアンパンマンのキャラクターの像があり、小さな子供を持つ陳さんなどが喜んで写真に収めていた。

6月15日(木)佐川町へ

ホテルの朝ごはんは豪華だった。定食様式だが、朝から刺身、焼き魚からカツオのタタキまで食べられる。流石に昨晩堪能したので焼き魚定食にしたが、皆何だか喜んで食べている中、スティーブはトーストを注文して何とか凌ぐ。これが彼の信念ということだ。信仰と信念を考える朝となる。

Yさんが迎えに来てくれ、本日の活動がスタートする。目指すは佐川町。佐川と言えば、現在の朝ドラ『らんまん』の主人公、牧野富太郎の生誕地であり、今話題の場所である。途中こちらで紅茶作りをしている懐かしいSさん夫妻と合流し、車は山間部を走っていく。高知市内から車で約1時間、ついに茶畑が見えてくる。

ここはM園芸の茶畑。迎えてくれたMさんは高知に嫁に来てここで茶作りをしているという。緩やかなスロープにべにふうきなどが植わっており、この茶葉がSさんに渡り、美味しい紅茶が作られているらしい。台湾組も熱心に写真を撮り、質問を重ねていく。やはり茶畑に来れば茶のプロなのだ。

そこからまた車で小1時間走る。そして懐かしの旧茶工場へ着いた。ここは3年前、Yさんと二人、苦難の末に辿り着いた森永紅茶製造最後の茶工場だった。その時既に中に入れないほど痛んでいたが、その後の豪雨などでついに解体が決まったが、地元企業がここを買い取りリフォームして原型を保っていた。周囲の茶樹も健在で何となく涙する光景だった。

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