香港・深圳茶旅2023(5)4年ぶりの深圳では

深圳で

懐かしの深圳に入った。相変わらず人が多く、出口には人だかりが出来ている。その中にシムカードを売る人々もいた。彼らに中国移動香港のシム、というと、小雨が降る中、ちゃんと店まで連れて行ってくれた。店の女性が私のスマホにシムを差し込んだが、このシムも作動しなかった。これは私のスマホの問題なのか。30分ほどあれこれやったが、結局使えず、店を後にした。因みに代金は払わなかったが、ここだけは現金でも良いと言われた。

中国国内のシムは持っていたので、それを使って本日の宿を予約して、地下鉄で向かう。地下鉄1号線の駅はどこだ。迷う。それほどに深圳の地下鉄は路線が伸びている。何とか探し当てて改札へ行くと、皆がスマホスキャンで通っていく。私は切符を買おうとしたが、10台ほどある自販機の9台は使用停止だった。残り1台も勿論100元札など入らず、古い札を入れてみたが、はじかれてしまう。コインを探して何とか切符を買う。僅か3元が払えない恐怖。

地下鉄で3駅乗って大劇院で下車。ここから歩いて予約した宿へ向かう。道はよくわからなかったが、スマホ地図で何とか辿り着く。深圳の街が何となく静かに見えたのは気のせいだろうか。宿はコロナ前からよく使っていたチェーン店で私は会員だった。チェックインしようとすると、フロントの女性が、『何で予約しましたか』と聞いてくる。この宿のアプリからさ、と答えたら、エッという顔をした。

更に微信は持っていないのかと聞く。何とチェックインも全て微信で行うらしい。彼女は私のスマホを引き取り、すごいスピードで作業を完了した。だが最後の支払いが出来ない。私は微信支付を使っていなかったのだ。支払いは現金でも良いかと聞くと、またエッという顔になったが、何となく頷いたので、4年前の100元札を何枚か取り出したら、『お客様・・』となり、私のスマホから支付宝を見付けて、『こちらから払いましょう』と手続してしまった。私のなけなしの電子マネーは一気に無くなった。これが今の中国なのだと思い知った。

この騒動のせいか、部屋はアップグレードされて、広い。冷蔵庫のドリンクは全て無料。茶葉とお茶道具のお茶セットも用意されている。勿論朝食も付いている。ただ料金は円安も含めれば、コロナ前よりかなり上がっている。それでもお客はひっきりなしにやってくる。エレベーターに乗るにはカードキーが必要であり、カードをかざせば自動的に行き先階に連れて行ってくれる。これはコロナによる自動化だろう。

何となく腹が減ったので、外へ出た。突然蘭州拉麺が食べたいと思い探す。見付けた店に入ると、メニューに羊肉拌麺があり、ついそれを頼んでしまった。店員はウイグル族なのだろうか。味は普通だが、量が非常に多く、それだけで十分腹一杯。勿論支払いはQR決済の一択。最初から現金を出すとか、受け取るとかいった雰囲気は全くない。

腹が一杯になったので少しだけ深圳の街を歩いてみる。歩道を歩いて困るのは、デリバリーを行うミニバイクが縦横無尽に走っていること。ちょっと油断すれば確実に轢かれてしまう。比較的静かな街に、このバイクだけが蠅のようにうるさい。バイク側には時間に追われているという制約があるようだが、事故多発は間違いない。規制すべきだと思うが、どうだろうか。

老街に行ってみたが、雨上がりでも人はそれなりにいた。マスク率は低い。店はどこも開いていて、既にコロナは終わった感がある。賑やかな音楽が中国らしい。少し人がいない公園の方へ歩いて行く。深圳はある意味で人工都市だから、緑は意外と多い。多くの人が憩いの場として活用しているように見える。

帰りに線路脇を通る。列車が走っていく。広州へ行くのだろうか。私は深圳市内にしか行けない身。こういうのを籠の鳥、というのだろうか。しかもこの街には何となく監視されている雰囲気もある。以前のような自由な環境は無いようにも感じられる。景気も良くないのかもしれない。

その夜、部屋に戻ってPCを立ち上げた。なぜか日本のテレビ番組を見ることが出来た。中国国内では、FBもツイッターも見られないはずなのに、なぜか読める。それは中国が緩和したのか、この宿の問題なのか、それともほんの一時なのか。とにかく外の人々への連絡などが出来て良かった。中国国内に入ると、何しろ生存報告も難しい。

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