香港・深圳茶旅2023(6)中英街と茶葉世界で

5月8日(月)深圳茶葉世界

宿は深圳の中心部。周囲は高層ビルで囲まれている。どうなんだろう、この風景。30年前は香港が高層ビルで囲まれていたのに、今は深圳の方がすごい。朝ご飯は上の階へ行く。窓はなく、薄暗い室内で食べる。食事内容はコロナ前とほぼ変わっていない、健康系のように感じるがどうだろうか。

そのまま外へ出る。小雨が降っているがあまり気にならない。ただ既に昨晩かなり降ったようで、所々に水が溜まっているので地下道を通る。深圳も交通量が増え、歩行者の横断は地下道でさせるようにしている。本日の、いや今回深圳訪問の目的地はその先のビルの中にあった。

中国の銀行に口座を持っていると時々機能が停止する。今回はコロナ禍で3年以上使っていなかったので当然止まるとは思っていたが、これを再開するためには中国内へ行かなければならない。中には口座を開いた店へ行かなければ手続きしない銀行もあるようだが、私が使っているところは簡単に再開できてよかった。これで支付宝にもチャージできるので、普通に使えるようになる。この現金が全く流通しない社会では、支付宝が命綱となる。

あまりにあっけなく解決したので、午前中をどう過ごすか考えた。ちょっと地下鉄で遠出しようと思い、思いついたのが沙頭角。ここは昔中英街の件で来たことがあるが、それ以来だろう。地下鉄の切符を買うのに紙幣がはねられたので、今回は係員を見付けて、コインと代えてもらい、無事購入した。

沙頭角駅がいつできたのかは知らないが、私が知っているところとイメージがかなり違っていた。駅から数分歩くと沙頭角の辺境が見えてくる。村人だけが行き来できた以前とは違い、今では中国人観光客が中英街を目指して、専用入り口から入っていく。残念ながら外国人は入れないようで、そのまま引き返すしかない。ただその周辺には立派なマンションが立ち並び、その発展を見ることは出来た。

そこから中心部に引き返し、羅湖駅前にある茶葉世界に行く。まずは腹ごしらえと、その近くにある昔よく行った食堂に入ったが、経営が変わったのか、料金は高くなり、味は落ちており、かなり残念な状況だった。まあ、これも時の流れと諦めるしかない。この周辺、駅前なのに以前と比べて人通りがかなり少ない。

茶葉世界はそのまま残っていた。だが2階に上がっても、人は殆どいない。完全に閑古鳥が鳴いている。馴染みの店に行ってみたが、不在だった。もう一軒は引っ越したのか、それとも閉鎖してしまったのか見付からない。何だか完全に取り残された感じとなり、早々に立ち去ろうかと思った。

フラフラ歩いていると見慣れた名前の看板がある。あれと思い、中に入ると、ご主人の笑顔があった。ちょうどコロナの頃にこの場所に引っ越したらしい。元々岩茶の店だが、今や黒茶類が大半を占めている。茶を飲みながら世間話をしていると、コロナ禍の大変さが伝わってきた。それでも20年も店をやっていれば常連客がおり、基本的に個人より飲食店などへの卸しは影響が少なかったようだ。

もう一軒の店ももう一度覗いてみると帰ってきていた。ご主人は公務員を退職してもう10年近い。夫婦二人で店をやっているが、お客が来ることは稀だという。今は全てが微信なので、直接顧客と会うことは本当に少ない。そして現金を受け取らなければ、偽札を掴むこともなく、会計も全て機械でできるので、個人商店としては本当に有り難いという。確かにその通りだ。慣れてしまえば、こんな便利な社会もない。さすがに店舗が無いと信用度が下がるらしいが、それ以外問題はない。

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