台中茶旅2023(3)台鐵で雲林へ

4月22日(土)雲林で

今朝も雨が降っていた。それでも駅近くを散歩する。市場では野菜や果物を買う市民が集まっていた。鉄道の線路を越えると、公園のようなところがある。よく見ると古い建物が建っている。帝国製糖廠、ここは日本時代の砂糖工場だった。今は展示館になっているが、まだ時間が早く残念ながら開いていない。それにしても立派な庭園があるものだ。

その向こう側にショッピングモールが見える。ここが三井のアウトレットパークだと聞き、驚く。日本時代、三井は日東紅茶などで台湾を攻め、今は不動産で攻めているのか。実は台中港付近にもう一つアウトレットがあるというから、中国から台湾に進行方向を切り替えている。

その更に向こうには、立派な市場の建物が見えた。建国市場は元気の良い所だった。雨でも濡れないのでここにもお客が結構いた。こんな駅の近くに色々とあるのはすごい。折角なので、ここで朝ご飯として、赤肉麺線を食べる。何だかお店の人がとてもやさしい。料金も優しいので嬉しい。

台中駅周辺は現在再開発が進んでいるということか。そしてまず駅舎が新しくなった。週末そこを歩いているのはインドネシアなどの外国人労働者というのが、台湾の将来を暗示している。そしてもう一つ気になったのは、多くのホームレスが駅で寝泊まりしていること。台湾も経済が良いとは決して言えない。

今日はまっすぐ台北に帰らず、雲林へ行く。区間車で約1時間かかるが、台鐵に乗るのは好きなので苦にはならない。乗客は外国人も多いが、何とか座れたのでゆったりと進む。雨も上がり、晴れ間も見えてくる。何とも揺れが心地よい。新烏日、彰化、二水など馴染みある駅を通り過ぎていく。

11時過ぎに林内駅に到着。ここから歩いて数分で張さんの店に着いた。コロナ中に新たな住居兼店を買い求めたらしい。初めて来たがすぐに分かった。店に入ると旨いお茶が出て来る。さすがは茶師。更には親戚が肉羹麺を買ってきてくれ、昼ごはんとして食べる。雲林の名物は肉羹麺と排骨飯。今回は麺にありついた。

張さんの車で林内神社へ行く。今も日本時代の鳥居や灯篭が残っている。神社までの階段は一体何段あるのだろうか。さすがに足では上がれないと、車で上がる。上から見ると、ここ林内は、南投、彰化との境目にあり、交通の要所と言える位置にあることが分かる。茶葉も以前はこの付近から鉄道で送られていたのだろうが、今や茶畑はほぼない。

土曜日の午後、店に戻ると親族が見ていた。張さんの1歳になる孫娘が可愛い。張さんもメロメロだ。私は今日台北に帰りたいというと、高鐵の駅が車で30分以内の場所に2つあるという。だが折角なので自強号に乗りたいと無理を言う。週末は席がないことが多いとは知っていたのだが、調べてもらうと空席があるらしい。

林内駅で指定席を買い、斗六駅まで車で送ってもらった。途中張さんが『この辺は中国大陸から戻ってきた工場がどんどんできている。それに合わせて労働者も住み始めており、人口は増えている』という。そんな情報、どこでも見たことがない。これがリアルな現状なのだろう。百聞は一見に如かず、ということだ。

斗六駅から電車に乗ったが、以前のような混雑は確かになかった。台北まで3時間20分、高鐵ならその半分で行けるだろうが、やはり旅情がある。新竹ぐらいから、立っていく客が出てきたが、満員電車という感じはなかった。本当は台鐵弁当を買って食べたかったが、満員を予想して遠慮した。台北駅に着くと妙に腹が減り、近所の麺屋で麺を食べて満足した。

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